マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

装丁や背表紙を変えないでくれ!

・・・と思うことが度々ある訳ですよ。

僕はマンガ収集を趣味としているのですが、昔のマンガとかも好きなので文庫版を購入する割合が結構高いです。
ぱっと見、家にあるマンガの半分くらいは文庫版ではないかと。
初版本が云々という拘りはさほど持っていませんし、普通の単行本に比べて場所も取りません。全巻集めた際の金額を計算すると幾分割安になっている場合が多いですし、巻末解説がいろいろと有益な情報をもたらしてくれたりもします。

そして何より、面白い。
文庫版になって長い年月生き残っているのは、やはり何か面白いものが存在するということだと思うのですよ。(当然個人の嗜好に基づく好き嫌いはありますけど。)

マンガはそれこそ星の数です。
過去の優れた、まだ読んでいないマンガを求めて文庫版を手に取る訳です。


で、タイトルに戻ります。
文庫版を集める際、個人的に些か困るのが装丁・背表紙の変更なのですね。
単行本だと特殊な事情(後述)がない限りまずありませんが、文庫版だと時折変わったりするのですよ。
以下、個別の事例とかを書いてみます。


思い切って名指ししてしまいますが、(自分の印象では)角川文庫・講談社漫画文庫・中公文庫コミック版・ハヤカワコミック文庫でよくありますね。
では各出版社ごとに少々触れてみます。


まず角川文庫ですが、背表紙のマイナーチェンジをするのですよ。
具体例を挙げます。


(横の『放課後保健室』はつい立て替わりです。あまり気にせずに。)

水木しげるセンセイの『墓場鬼太郎』と『雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎』です。

微妙に違いますよね。左側(『墓場鬼太郎』)が現在の装丁です。
白抜き部分があって、識別番号(正式名称判らず)・作者名・タイトルという順番です。白抜き部分にはQRコード(四角いバーコードみたいなやつ)が付いています。

『雪姫ちゃん〜』のほうだと、白抜き部分が無くいきなり作者名・識別番号・タイトルの順番です。因みに初版は平成7年、西暦で言えば1995年の出版です。
因みにこれは初版ですが、困ったことに同時期に出版された初版本にも白抜きが入っている背表紙のものがあります。恐らくこれは後になってカバーだけ差し替えたのではないかと思います。


続けて講談社漫画文庫。
時折新装版を出したりします。

知っている範囲ですと、『課長島耕作』と『夏子の酒』ですね。
新装版とは若干異なりますが、『巨人の星』は何年か前に「ジョー&飛雄馬」という雑誌が刊行された際、それに合わせるかたちで全巻の表紙をリニューアルしています。


次は中公文庫コミック版。
これは明確な転換点があります。
竹宮惠子さんの『風と木の詩』の刊行です。2002年ですね。
漫画家35周年記念出版という位置付けだったと記憶しています。で、この文庫版の背表紙がこれまでの中公文庫とは異なっていました。


(『風と木の詩』は知人に貸しているので、替わりに『地球へ・・・』で。)

左が旧背表紙、右が現在の背表紙です。
太いゴシック体になっています。よく見るとロゴも変更されています。
これは、中央公論社解散読売新聞社出資による中央公論新社の設立が背景にあると思われます。
(左の『メイミー・エンジェル』は1995年発行初版、『地球へ・・・』は2001年発行第6版です。中央公論社解散は1999年。)

風と木の詩』の出版は、新体制になるにあたってのこけら落とし的な意味合いがあったのかもしれません。
それ以降、以前に出版された中公文庫コミック版は暫時新しい装丁に入れ替えられていきます。


最後にハヤカワ。
こちらも当初はシンプルな、他のハヤカワ文庫と同様の統一された背表紙だったのですが、何年か前から作家・作品ごとに異なる装丁になってきています。
これは変わり始めた時期ははっきりとは判りませんが、とり・みきさんの『キネコミカ』あたりからでしょうか?


と、まぁいろいろと眺めてみると、背表紙ひとつ見てみても様々な事情が垣間見えてきますね。
QRコードは比較的最近出てきたものですし、出版社側の事情も存在する模様です。

マンガ単行本の装丁変更も出版社側の事情と思われます。
変更されるのは、休刊してしまったり移行したりで、連載誌が変わる場合ですよね。
一色まことピアノの森』は「アッパーズ」の休刊で「モーニング」に移行した関係で新装版が出ました。羽海野チカハチミツとクローバー』もそうだったかと。
幸村誠ヴィンランド・サガ』に至っては「マガジン」から「アフタヌーン」への移行だったので、単行本の版型まで変わってしまいましたからね。

話を戻しまして。
それ以外の大きな要因としては、とにかく手に取って貰いやすいように目立つ装丁にするというのがあるのでしょう。
何年か前の新書ブームの際にも同様のことがあったと記憶しています。
上に挙げた4つの文庫は、変更前は非常にシンプルなつくりでした。
(角川はあまり変わっていないですが、白抜き部分があると無いとではやはり視覚的なアクセントが違うと思います。)



と、まぁこういうふうに書いてはみたものの、

やはり困る訳ですよ。

本棚に並べたとき、やはり背表紙は統一されていて欲しい訳ですよ。
ボコボコと白抜きがあったり無かったりすると微妙に悔しいのですよ。
旧装丁で途中まで買っていた『ルパン三世』や『まんが道』や『夏子の酒』はいったいどうしたらいいんですか。(ノД`)


同様の嘆きを持つ方っていないのでしょうか?
皆さんそういう変更がされ始めたら急いで集めたりしているのでしょうか?
僕はいろいろなものを広く集めるのをモットーにしているので、気が付いたら手遅れになっていることがよくある訳で。

カバーの交換サービスとか、やってくれないのかなぁと考えたりする今日この頃です。