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時折マンガの話をします。

黄昏流星群に萌えろ

『黄昏流星群』がアツいです。

当然名前くらいはご存知かと思います。
島耕作』シリーズで知られる弘兼憲史さんが「ビッグコミックオリジナル」で連載している短編連作ものです。BSでドラマになったこともありますね。
熟年といった年代に差し掛かった男女の恋愛模様を濃密に描く、という認識をお持ちの方が多いと推測します。

正直言って、いわゆるオタクの人たちはかなり敬遠している作品だと思う。
自分には縁が遠い話だとお思いの方も少なくない筈です。


だがそれは損だと言わざるを得ません。
時折、かなり突き抜けた内容の話が繰り広げられたりするのです。
ここで今日(20日)発売したばかりの最新号から1コマ取り上げてみます。

第294話「遊星萌ゆ」からの1コマ。
遂に弘兼憲史さんが萌えの世界に踏み込んできました。
以下、この号のストーリーを追ってみますので、興味がある方は是非とも。


このエピソードの主役となるのは、東都大学教授・南原春彦。
冒頭は、南原教授の少年時代から始まります。
南原家は由緒正しい家柄で、春彦少年は厳格な母親に厳しく教育を受けている。
そして春彦少年はそれに只ならぬ圧迫を感じていることが描かれます。
しかしその厳しい教育に従順に従い、大学教授の地位を得たことが示唆されています。

夢から目を醒ました南原教授は、文化スクールの講師として出席するため開催場所の秋葉原へと向かいます。
講演の題目は『現代フランス文学の動向』です。フランス文学専攻のようですね。
それにしても、フランス文学の講演を行うような場所って秋葉原にありましたかね。(;^ω^)

秋葉原に降り立った南原教授は、すっかり様相が異なった街の様子に慨嘆の念を感じています。
その際秋葉原の街並が描写されますが、らき☆すた』や『こどものじかん』を彷彿とさせる巨大な看板が描かれています。弘兼先生のリサーチ力が遺憾なく発揮されていますね。


(こんな感じ。)

講演を無事終わらせた南原教授は、コーヒーを飲んで一息つこうとします。
そして適当に喫茶店を見つけて入ったところ・・・


メイドさんのお出迎えを受ける訳ですね。
メイド喫茶に入ってしまったと。

そういう状況がいまいち掴めていない教授は、

今時の店としてはずいぶんていねいな応待をするところだな。
何だか子供の頃を思い出してしまう。

と少年時代(豪邸住まいだったのでお手伝いさんや執事がいたのです)を思い起こしてみたり。
で、やはりメイドさんがメニュー(コース)を訊きに来て、何が何だか判らないままメイドさんに薦められるままコースを選んだところ、

こうなったと。( ゚∀゚)
よりによって選んだのがツンデレどえすコース」だったのですな。
それ以降もツン状態のメイドさんに散々言いたい放題言われて、南原教授は凹みまくりです。
ひたすらに狼狽えて恐縮する様子が4ページにわたって詳細に描かれて、真面目一辺倒に生きてきた教授の哀愁と可笑しさが感じられる箇所です。
で、その後はそのメイドさん源氏名は「ミュー」といいます)のデレ状態の応待を受けて、図らずも南原教授は楽しい気分になるのです。転んだ瞬間とでも言いますか。(^ω^)

そんな状態にあっても、帰りの道すがら「ツンデレ」の意味を冷静に考察・分析するあたりは大学教授の面目躍如といったところです。
そして家でひとり、ミューちゃんに思いを馳せたりする訳です。
そして喫茶店では、教授が手帳を落としていました。
住所を見ると、ミューちゃんの家の近所。そしてミューちゃんが教授の家にそれを届けに行くところでその回は終了となります。


さてどうです?
気になったなら、今すぐコンビニへ走りましょう!(σ^ω^)σ


さて実を言うと、これ以外にもアツいエピソードはあるのですよ。
恋愛の相手が殺し屋の話とか、
行きつけのおでん屋のおっさんが実は悪魔だった話とか。
これらについては、追々単行本を入手してから触れようかと思います。

最後に繰り返します。
今、『黄昏流星群』がアツい。