5日に東京ビッグサイトで開催されたコミティアへ行ってきました。
コミティアとは、創作オンリーの同人誌即売会です。年に4回開催され、今回で実に84回目となります。
コミケには毎回赴いていますが、コミティアに行くのは1年振りです。
昨年は米沢嘉博さんの追悼トークライブが主な目的でしたが、今回は新規開拓をしてみようといろいろとサークル巡りをしてみました。
以下、購入した同人誌とそれらの感想とかを。
『MILKROAD』(サークル:ワーカホリック)
犬上すくねさんの個人サークルです。
オリジナル作品。擬人化もの・・・と言っていいのかな?
ほのぼのとした気分になれる小品です。
『タリサ・クミ』(サークル:全角ハナコ)
コナカナコさんのサークル。
あてどなく歩き回っていたところ、絵柄に惹かれて購入しました。
一家心中事件の生き残りの少年、病院の研修医、そして謎の少女を巡るサイコホラーといった趣きの作品です。柔らかな筆致とそれとは対照的な陰惨な内容が強い印象を残します。
後編が夏に出る模様。いいところで途切れているので引き続き購入予定。
『なぎさ』(サークル:こんちき堂)
『魔乳秘剣帖』でお馴染み、山田秀樹さんのサークルです。
(以前書いた『魔乳秘剣帖』の感想はこちら。)
とある港町を舞台に、一登・颯太の兄弟と帰省してきた少女・なぎさとの一夏が、颯太の視点で描かれます。
作品全体に瑞々しさが溢れていて、実に叙情的な内容になっています。『魔乳』のイメージが強かっただけに、新鮮な驚きがありました。お薦めです。
『muZz』(サークル:EPO 本舗)
シンガポールのマンガ家・FSc(フー・スウィ・チン)さんの同人誌。
(公式サイト:FScWasteland)
日本でも「季刊エス」で取り上げられたことを契機として注目され始めました。
日本語版単行本も出版されています。
- 作者: FSc,兼光ダニエル真
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
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人間(想像主)の心の奥底から生まれたモノたちは、想像主の死後「ミューズ」へと向かう。
この作品では、想像主の記憶を失っている少女・ファーリーがミューズへと向かう旅が描かれます。
日本のマンガに大きく影響されたと思われるキャラクター造型でありながら、ゴシック・ホラー的グロテスクも多分に存在し、それらが融合して独自の世界観が生み出されています。
巻末のゲスト執筆者が安倍吉峻・ウエダハジメ・宇仁田ゆみ・okama・小川雅史・冬目景・三輪士郎(敬称略)と錚々たる顔ぶれです。
現在8巻まで刊行中。今回予算の都合上1冊だけしか買わなかったので折を見て続刊購入。
『サクラケムル』他1冊(サークル:プロペラプロンプト)
茉崎ミユキさんのサークル。
表紙の色使いが素晴らしいですね。
表紙にも描かれている二人の、冬が終わろうとしている時期のある一晩の触れ合いが描かれます。
そして強い印象を読み手に与える見開きページの桜と、唐突に訪れる予想外の結末。
その結末に至る過程は読者に完全に委ねられています。また、後書きで触れられているようにそれは重要なことではない。
作者さんの価値観というか人生観というか、そういうものが非常に色濃く出ていると感じました。
曖昧であることがそのまま肯定に繋がっていると言いますか・・・巧く表現できないんですが。
(´ω`;)
ページ数は多くないものの、深い余韻を残す作品です。
『ココロノオト』他数冊(サークル:花苺)
ハナイチコさんのサークルです。
いちおう描写の関係で成人向となってはいるものの、猥雑さは皆無と言って構わないかと。
成人向ではなくともより激しい描写のものは幾らでもあるように思います(例えばこれとか。)
ハナイチコさんの作品では、少年少女の心情の機微が非常に丁寧に描かれています。物語の核となるのはむしろそちらです。
温かい線で、実に初々しい様子が描かれていて、良いんですよねぇ。(´ω`)
お薦めです。
それなりの出費はしたものの、収穫は多かったです。
評論同人誌の感想とかも書こうと思っていたのですが、長くなったのでそれは次の記事にて。