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時折マンガの話をします。

三部けい『鬼燈の島 〜ホオズキノシマ〜』1巻


注目の一作です。
舞台となるのは、とある孤島にある「鬼燈学園」。そこには何らかの事情で身寄りのない子供たちが送られてきて、そこに寄宿しつつ授業を受けています。
しかしこの島には何らかの秘密があるらしい。先生たちはその何かを隠しているらしい。
断片的に明らかになっていく謎。次々に発生する事件。深まる大人たちへの疑惑。
それらの殆どが、あくまで子供視点で描かれていきます。それゆえに島の秘密の全貌は明らかにはならない。
そしてその一方、比較的中立的な立場にいたように思われるユキノ先生も、子供たちに対して何らかの疑惑を感じ始める(少なくともそう描かれていると感じました)。更には子供たちの中でも何か隠しごとをしている人物がいるようで・・・。

という具合に、何一つ全容が判らないまま島全体の緊迫の度合いだけが増していく様子がじっくりと描かれます。秀逸なサイコサスペンスだと思います。
更にはホラーの要素まで加わっていて、どういう結末に辿り着くのかまったく判りません。今後も要チェックの作品ですね。

余談ながら、作者の三部けいさんは瓦敬助名義で18禁のマンガも描いておられます。従って女性の描き方(とりわけ身体のライン)が非常に艶やかでよろしいですよ。(´ω`)