マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

編集者が書いた本

一連の雷句誠さん関連の動きで、「編集者」という存在が俄然注目を浴びている気がします。
編集者がマンガ家・並びに作品には少なからず関与しているのは明らかですが、表立って編集者自身が顔を見せることは稀です。
結果、一読者にとっては秘密のベールに包まれたような存在になっています。

ただ当然ながら、これ以前にも編集者について書かれた文章・書籍は存在します。
それらを知っている範囲で、幾つか紹介してみます。


【編集者が書いた本】

正確には元・編集者の場合が多いかと思います。
出版社の一社員という枷が外れて、書くことができる場合が多いのでしょうか。


西村繁男『さらば、わが青春の「少年ジャンプ」』(幻冬舍文庫)

「ジャンプ」の創刊スタッフとして参加し、1978〜1985年までの間編集長を務めた著者の回顧録。
当時のマンガ家とのやり取り、雑誌編集費の内訳や原価・売上率についての記述、専属制度の内容等、非常に資料的価値も高い作品となっています。
絶版になっているのが惜しまれます。
因みに同著者による『漫画王国の崩壊』という本もあります。こちらはフィクションの形態を取っていますが、少なからずモデルは存在するようです。

「奇」の発想―みんな『少年マガジン』が教えてくれた

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実録!少年マガジン名作漫画編集奮闘記

実録!少年マガジン名作漫画編集奮闘記

少年マガジン」の名編集者と言われるお二方の著書。
恥ずかしながら未読です(高いんですよね・・・)。
しかし、内田勝さんのご逝去と入れ替わるようなかたちで今回の雷句誠さん問題が出てくるのは、何か象徴的な感があります。

因みに内田勝さんは、谷岡ヤスジ『ヤスジのメッタメタガキ道講座』の監修も務められておられます。その中で『ガキ道講座』が連載されたあたりの時期(1970〜71年頃)を回顧する文章を書かれており、貴重な証言となっています。

まだまだあるのでしょうが、とりあえずは有名どころということで。
そういえば、サンデー編集者の回顧録ってあるのかな?