マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

「ヤングサンデー」休刊と、今後の去就について考えてみる

日付が変わったので昨日ですか、「ヤングサンデー」最終号を買ってきました。
早いところでは既に水曜日の時点で情報が上がっていますが、掲載作品の今後に移籍についての告知が為されています。
詳細は以下のとおりとなります。


ビッグコミックスピリッツ」への移籍(9作品)


ビッグコミックオリジナル」への移籍(1作品)


IKKI」への移籍(1作品)


ビッグコミックスピリッツ増刊号「YSスペシャル」に続きが掲載(13作品)


携帯コミックサイト「コミック小学館ブックス」で配信予定(1作品)

  • 木根ヲサム『まつろはぬもの』


調整中(2作品)


連載終了(2作品)


と、こんな感じになったようです。
このなかで、気になる点について2つばかり触れてみようかと思います。


まずは、ビッグコミックスピリッツ」への移籍がやけに多い点。
単純に考えてしまうと、物凄い分厚い雑誌になってしまいます。1・5倍くらいになりそうです。
これについては2つの可能性があるのではないかと思います。

  • 現時点での「スピリッツ」連載作を大幅に切り落とす
  • ローテーションを組み立てて雑誌連載をうまく回す

まず前者の可能性から。
最近「スピリッツ」では、連載終了が結構多いです。『美味しんぼ』も実質終了(今後は不定期連載?)ですし、『オメガトライブキングダム』や『ボーイズ・オン・ザ・ラン』も終了しました。そしてヤングサンデーから移籍する作品は、かなり強力なラインナップが揃っていると言えます。
今後も幾つかの作品を終わらせたり、或いは増刊号(創刊予定の「YSスペシャル」)に移すなりして、本誌を超強力な布陣で固めてしまう可能性があるのではないかと。


そして後者。
週刊連載って、正直かなり無理のある体制だと思います。各種週刊誌で「○○は作者取材のため休載します」的なお知らせも当たり前のようになってきています。嘗てはあり得ないことでしたが、近頃は「ジャンプ」の主力が休載することも珍しくないですよね。
現在の「スピリッツ」と、「ヤングサンデー」からの移籍作品を合わせれば、主力級の作品を隔週なり不定期にしてもかなりの質を保つことが可能ではないかと。そのレベルになればメインの収入は単行本の印税でしょうし。作家さんの負担も軽減するのではないかと思ったりする訳です。*4


次の気になる点は、新たに創刊されるらしい「YSスペシャル」についてです。
この雑誌にも、「ヤングサンデー」から多くの作品が移籍します。そして刊行予定から察するに、月1のペースで出すようですね。
となると、次のような疑問が出てくるのではないでしょうか。


単純に「月刊ヤングサンデー」にすればいいんじゃないのかい?と。


そうすればやれ移籍だ終了だと騒ぐことなく、比較的すんなりと事は収まりそうなものです。
なぜそうしなかったのか。これはあくまで僕の予想に過ぎませんが、製作コストの問題だと思います。


新たな「月刊誌」を創刊するとなると、平綴じで刊行する必要があるのではないか、と。
中綴じの月刊誌って、僕の知る限りでは皆無です。知識不足という可能性は否定しませんが、殆どは平綴じの筈です。
何も僕は印刷所に勤めている訳ではないので憶測の域を出るものではないのですが、中綴じよりは平綴じのほうがコストは高いのではないかと考えます。


ヤングサンデー」を採算の都合上、月刊ペースにまで落としたい。
しかし月刊誌だと平綴じ。コストを抑えるためにも中綴じが望ましい。
そんななか、月刊(もっと間隔空いていたかな?)でありながら中綴じの雑誌があります。増刊号です。
ビッグコミック」や「ビッグコミックオリジナル」の増刊は、実質月刊でありながら中綴じなのですね。


そんな理由から、「ヤングサンデー」を「スピリッツ」の増刊という位置付けにしたのではないかと。レーベル的にも統一感がありますしね。


そんなことを徒然と考えてみました。


【追記】ブクマコメントでのご指摘で、結構あることに改めて気付きました。やっぱりちゃんと雑誌を読まないといけませんね。('A`;)

*1:最終ページの、ゆうきまさみさん自らの台詞が泣けます。

*2:島本氏のブログに書いてあった「最終回」はいったい何だったんだ・・・。

*3:間違いなくご自身の考えを、手塚御大に語らせるというのはどうなのでしょう?(´ω`:)

*4:新人・中堅どころの方々だとまた違ってくるかと思いますが・・・。