前編の続きです。
僕が勝手に選んだ今年のランキングについては、以下のリンクをご参照ください。
では引き続き、座談会をお送りします。参加者は以下のとおりです。
- きくち:僕です。
- A:司会進行役。
- B:コメント担当。
A そろそろ落ち着きましたか?
き お見苦しい姿を見せてしまい恐縮です。
B 落ち着くのに5日も掛かったのか?どれだけワキに執着しているのかという話だな。そういえばしばらく前に『To LOVEる』のヤミのことを延々と・・・。(『To LOVEる』の真髄見つけたり)
き いえいえ単に仕事が忙しかっただけですよ。その話はそのくらいにして、早速サルベージを始めることにしましょう。
【オタク向け?雑誌からも選んでみる】
き それでは少年誌・青年誌から拾い上げていったので、次は「オタク向け雑誌」に連載されている作品から選んでみることにしましょう。
B またえらく曖昧な括りだな。
A 具体的にはどのあたりを指しているのでしょう?
き ひどく大雑把な括りになりますが、角川書店、アスキー・メディアワークス、スクウェア・エニックスあたりから出ている雑誌ですね。他にもマッグガーデン、一迅社、幻冬舍、メディアファクトリー、ジャイブ等多数ありますが、さすがに追いきれないというのが実情です。結果として、これから挙げる作品も先に言った3社の作品に偏ってしまいました。
A それではお願いしてよろしいでしょうか。
き はい。角川だと『学園黙示録HIGHSCHOOL OF THE DEAD』に『おまもりひまり』、アスキー・メディアワークスからは『よつばと!』、スクウェア・エニックスからは『ユーベルブラット』に『鬼燈の島』を挙げたいと思います。
学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD5 (角川コミックスドラゴンJr. (KCJ104-5))
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おまもりひまり4 (角川コミックス ドラゴンJr. 101-4)
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- 作者: あずまきよひこ
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- 作者: 塩野干支郎次
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鬼燈の島-ホオズキノシマ- 1 (ヤングガンガンコミックス)
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き 『学園黙示録』はいわゆるゾンビものです。原因とかもよく判らないまま、ある日世界的規模で人間がゾンビになって襲いかかってくる。そしてゾンビに咬まれた人間もまたゾンビ化してしまうと。そういう世界になってしまった後にどのような生き方を選択するか、が主眼になっているのが特徴だと思います。
A 作品内ではゾンビという呼称は用いられず、「奴ら」という呼び方をしていますよね。
B それなんだけど、何か小賢しく感じない?「奴ら」って。わざわざカギカッコまで使ってさ。
き 確かにそれは言えますが、毒島先輩の存在の前には瑣末な問題です。紐パンにエプロンのみ着用というあの姿は素晴らしかったですね。理屈で考えれば「咬まれると自らも感染してしまう」以上、あのような格好は自殺行為ではないかとなる訳ですが、そのような考えを一瞬で吹き飛ばす破壊力があの姿にはありました。2008年8月号「ドラゴンエイジ」に「等身大の毒島先輩裸エプロン姿ポスター」が付録として付いてきたんですけど、普段買わない雑誌に手を伸ばす理由としては充分過ぎるものでしたね。
A 毒島先輩への熱い思いは充分伝わってきたので、それ以外の点もお願いします。
き ・・・そうですか?他の点・・・単行本の巻末に、その巻で登場したキャラクターの過去、「奴ら」が現れる以前の日常が描かれるじゃないですか。あのさりげない1コマの日常描写が、物語の悲劇性をいっそう強いものにしていると思います。
B 幾分マシな発言がようやく出たな。
A その調子で続けてもらいましょう。『おまもりひまり』は?
き 主人公の天河優人が、ヒロインの緋毬に洋服を買ってあげる話がありますよね?
A ・・・はい。1巻ですね。
き 優人が選んだのは純白のワンピースです。こいつとは仲良くなれそうだと感じました。素晴らしいセンスをしていると思います。
B あンたの嗜好の話はもういいよ!
A 小池一夫先ン生張りに「ン」がカタカナになってしまう気持ち、良く判ります。
き ・・・と、このようにどうしてもキャラクター、とりわけ女性キャラクターの魅力についての話の比重が「オタク向け雑誌」に連載されている作品ではどうしても高くなってしまいます。なかなかランキングに入ってこない一因として、この点はあるのではないかと。それ以外にも原作がライトノベルやPCゲーム等だったりすることが多いという点もあるかと思いますが、そこに踏み込むとややこしくなるので別の機会にでも。
A 強引にまとめたような、それでいて脱線しまくりのような感じになっていますが、他3作品についても簡潔に触れて戴ければと。
き 『よつばと!』は、よつばとやんだの掛け合いが面白過ぎます。『ユーベルブラット』は『ブロッケンブラッド』と同じ作者さんとはとても思えない重厚な復讐劇に目を奪われっ放しです。『鬼燈の島』は先の展開が読めないですね。それ以外にもコマとコマの繋がりが奇妙に感じたりして、奇妙な感覚に囚われます。後でまた読み返してみようかな。
A では随分長くなったので、このあたりで別の話題に移りましょう。
【ウェブ連載が、ようやく盛り上がりつつあるかも】
A このあたりで雑誌からいったん離れて、ウェブ上で掲載されている作品のことについて何か一言お願いします。あなたのランキングでも「オンナ編」3位に『Under the Rose』が入っていますよね。
き 実のところ連載で追っているのはゼロでして、単行本になってから買っているんですが。個人的にやはり「本」というものが好きだということと、僕がMacを使っているのでPCでは読めないということがあります。
A 自業自得ですね。まぁそれはこの座談会とは何ら関係のない話なので、早速お薦めの作品を挙げてもらえればと。
き そうですね、『ヒャッコ』と「ヒーロークロスライン」シリーズから『ジエンド』、あと外せないのは『マップス ネクストシート』ですね。
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ジエンド炎人―The last hero comes alive(1) 「HXL ヒーロークロスライン」001(マガジンZKC)
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B 『ヒャッコ』はアニメも放映されているけどなぁ・・・。
き 仰りたいことは判ります。アニメ版のほうはこう言っては何ですが、原作のエピソードを水で薄めて時間を引き伸ばしている印象を受けました。やはりアニメ化は早過ぎたのではないかという気がします。マンガ版のほうが笑いの密度が遥かに高いので、未読の方は是非こちらのほうも読んで欲しいですね。
A 『ジエンド』については。
き 「ヒーロークロスライン」はマンガでは非常に珍しい、シェアード・ワールドものです。共通した世界観のもとで、複数のマンガ家さんがそれぞれに作品を手掛け、更には複数の作品・或いは登場キャラクターが別作品でも登場し交錯するという。当然単品でも楽しめますが、複数読んでいると更に面白さが増しますよ。現時点で25冊くらい出ていますが、その中でも『ジエンド』はストーリーの熱さで頭一つ抜き出ていると思います。あと『マップス ネクストシート』に関しては、あの全宇宙を舞台にする圧倒的なスケールの虜です。当然『マップス』も全巻持ってますよ。個人的殿堂入りを果たしています。最近愛蔵版も刊行されているので興味のある方は是非。
B ところでヒーロークロスラインのことなんだけど、情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明の id:soorce さんの受け売りじゃないか?
き まったくもってその通りです。そういえば今月の28日に soorce さんと飲むことになりました。今から楽しみです。
A さりげなく宣伝が入ったところで、また結構な長さになってしまいました。本来は後編の筈でしたが今回は中編ということにして、次の記事で女性向けやその他について語って戴こうと思います。
後編に続きます。