マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

『季刊ゼラチン』には美女・美少女が目白押し

昨日書店を散策中思わず目を奪われてしまい、気が付いたら手に取っていました。



正式な発売日は4日なので、少々早売りをしていたようですね。
ワニマガジンから新しく創刊された雑誌、『季刊ゼラチン』です。「最先端美少女系完全オリジナルコミック」と銘打っています。
鳴子ハナハルさんの描く表紙が素晴らしいですよね!



何故か崩れ落ち、水浸しになっている建物の中(?)で、SF的ガジェットを装着している女子高生たち。
スカートの端を絞っている美少女。
セーラー服は水に濡れて肌が透けて見えている。
この表紙だけでも買う価値はありそうです。1500円と少々値は張りますがね。


とは言っても、何も表紙のみという訳では決してありません。
執筆陣が非常に豪華です。以下に羅列してみます。

(掲載順、敬称略)


初めて聞く名前の方も数名いましたが、おぉっ !? と思わせるラインナップですよね。では、それぞれの作品について一言ずつ概略・感想っぽいものを書いてみます。



【たかみち『りとうのうみ』第一話】


「LO」の表紙でもお馴染み、たかみちさんの作品。
久良慶島と那間古島、その中間にある仲間島という離島を舞台に、そこで育った海という少女を主役に据えてまったりとした日常が描かれます。
この話では主に夏が描かれるようですが、たかみちさんはどの季節を描いても澄み切った、爽やかな空気を感じさせる描写をしますよね。



文倉十『古杜唄』】(読切)


狼と香辛料』のイラスト担当の、文倉十さんの作品。僕の知る限りではマンガは初ですが、同人とかで描いていたりはするのでしょうか?
狼と香辛料』と『夏目友人帳』が混ぜ合わさったような雰囲気の、少女と(元)神様との触れ合いを温かく描いた作品です。



toi8『やさしい塔』】(読切)


初めて聞く名前でしたが、アニメーターとして活動する傍ら、同人活動ライトノベルのイラストといったお仕事もなさっておられる模様。ストーリーマンガは初とのこと。


惑星改造のさなかに発生した事故によりただ独り生き残った女性。
そんな彼女と、とある異生物とのコミュニケーション。
作中に出てくる「巨大建造物」の混沌とした雰囲気がいいですね。



【KEI『Tales in Watercolor』】(読切)


言わずと知れた、初音ミクを始めとする VOCALOID デザイン担当のKEIさん。
決して期待を裏切らない、美麗な少女たちを拝めます。
ただこの作品、「マンガ」と呼んでいいのかな?コマ割りが存在しないんですよね。ページ構成は岡野玲子さんの『イナンナ』に近い・・・かも。



【モタ『チビ子さんとドラゴンの肉』】(読切)


どこかで見た絵柄だな・・・と思ったら、同人誌『オタクとデザイン』の表紙イラストを担当されている方でしたか。



(左の同人誌の右上のキャラクターです。)


作者さんのサイトはこちら:motor home


ポップでキュートなファンタジー、といった趣の話。
登場キャラクターの見せる様々な表情が、実に可愛らしいのですよ。



ぼっしぃ『ミズギノセカイ』】(読切)


さすがはぼっしぃ先生、という内容です。
温暖化の影響で水位が上昇した世界らしく、膝のあたりまで水に浸かっているのです。
論理的帰結として、全ての学生は一日中スクール水着を着ている訳です。
で、ごく当り前の学校生活でもスクール水着だとあんなことやこんなことになってしまう訳で。(´ω`)
給食時間に主役(?)のユウキが牛乳を吹き出してしまい、ヒロインのトモがそれを浴びてしまう場面とかはどう見ても(諸事情により一部削除)本当にありがとうございました。



極楽院櫻子プリティアングル360』】(読切)


微エロなお話です。(´ω`)



放電映像『ストロー』第7話】


我が家のお稲荷さま。』のイラストとかを手掛けている、放電映像さんの連載作。
1〜6話は、この雑誌と同じワニマガジンから出ている『robot』(村田連爾さんが表紙を描いているやつ)に掲載されていたようです。あの本無闇に高額なので、買ってないんですよね。('A`)


1〜6話の概略も掲載されていますが、やはり途中からだと少々判りづらいのが難点。
画力も確かだし世界観的にもけっこう好みなので、単行本になるのを待とうかな。



huke『RMGD −レメゲド−』】(読切)


作者さんのことは寡聞にして知らなかったのですが、『METAL GEAR SOLID 4』の一部キャラクターデザインをなさっていたり、同人活動も行ったりしているようですね。


ゴシックホラー調のイラストストーリーです。
女王・ソロモンが召喚した悪魔たち(何故か皆少女の姿)を嗜虐する姿をご堪能あれ。



森山大輔『調律師』】(読切)


現在『ワールドエンブリオ』絶好調連載中、森山大輔さんが描く短篇。
「結晶症候群」という、身体が鉱物の結晶のようになってしまう病が存在する世界。その結晶化した身体の脳と心臓を機械の身体に移し替えることで蘇らせるのが「調律師」です。
最高の技術を持つ調律師・ヴィクトル卿が作った自動人形、エリアルとアリエルの百合描写を満喫できると同時に、森山大輔さんらしい重さ・苦さに満ちたストーリーが展開されます。このギャップがまたいいんですよね。



鈴見敦『BLOODY LITTLE CIRCUS』】(読切)


Venus Versus Virus』の鈴見敦さんが描く吸血少女もの。
とは言ってものどかなお話ですよ。



John Hathway『MAGIC SUPER MARKET』】


作者の方は同人作家さんなのかな?


小説と背景イラストで構成されていますが、実はまだ小説部分は未読。('A`)
イラストは、ファンタジーとSFがごった煮になったような、それでいて九龍城的な雰囲気がいい感じ。



【ミギー『花』】(読切)


ほんとうにささやかな日常を描いたショートショート。イラストストーリーと言ったほうが適切かな?
ミギーさんの柔らかなペンタッチと、淡い色彩を基調とした色遣いが凄く好きなんですよ。



SABE『ゼラちん』】(予告編)


『阿佐ヶ谷酢腐れ学園』等のひどい作品(褒め言葉)で知られるSABEさん。
この作品も、予告編だけで相当ひどいものになりそうな予感がします(繰り返しますが、褒め言葉です)。(´ω`)



前嶋重機『DRAGON FLY』第九羽】


この作品も、『robot』からの移行。
単行本も出ていますが、収録されているのは5羽までなのでどういう展開になっているのかはちょっと判りづらいところありです。
(因みにストーリーが判りづらいのには過去・現在が錯綜して描かれる物語構成や複雑な人物関係といった理由もあるのですが、九羽に入る前のダイジェストでかなり判りやすく説明がされています。)


DRAGON FLY Vol1 (WANI MAGAZINE COMICS)

DRAGON FLY Vol1 (WANI MAGAZINE COMICS)

(単行本はこちら。これも値が張るのが泣きどころです。)


それにしても前嶋重機さんの描く女性は、何れもたいへん艶やかな容姿をしていて素晴らしいですね!



と、かなり適当ですが各作品の感想でした。
それ以外にも前嶋重機さんや村田連爾さんへのインタビュー記事があったりして、かなり読み応えがある雑誌になっていると思います。
次号は5月発売とのこと。執筆陣がまた豪華なので、次にも期待です。