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緑川ゆき『夏目友人帳』10巻

夏目友人帳 10 (花とゆめCOMICS)

夏目友人帳 10 (花とゆめCOMICS)


妖怪が視える少年・夏目と、彼を取り巻く友人たちや妖怪たちと過ごす日常。
かつて妖怪が視えることを誰にも信じてもらえず孤独だった夏目が、彼を引き取ってくれた心優しい夫妻や、祖母のレイコが残した「友人帳」を通じて自分の居場所を見付け、その場所を守っていこうとする様子が、丁寧に温かく綴られています。


孤独だった頃の夏目を知っている(別の学校の)同級生が出てくる37〜38話は、そんな過去と現在の状況が明確に対になって描かれ、且つ以前は奇異の目で夏目を見ていた同級生との関係も違うかたちに変化していく様子も併せて描写される、実に良いエピソードでした。


ニャンコ先生が「不細工な猫」とか「ブタ猫」とか、散々な言われ方をされるのも微笑ましいです。あと、柊はほんとうに良い奴ですよ。ここまで周囲を気遣って、且つ名取を慕い続けるさまは、おじさんの心を鷲掴みです。