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時折マンガの話をします。

平野耕太『ドリフターズ』1巻

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)


『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』6巻の巻末鼎談において、平野耕太さんが佐藤ショウジさんをこの作品の作画担当として推薦したというエピソードが語られています。
作中に「平野コータ」という、どう考えても本人だろうというキャラクターが出てくるのは何故だろうと思っていたのですが、そういう縁があった訳ですな。


さてそんな平野耕太さんの、待望の新刊です。
これがまた、無茶苦茶に面白かった。


歴史上の英傑が異世界の同じ時代に集められ闘いを繰り広げるという、実に(良い意味で)厨二的・スーパーロボット大戦的展開。これに心躍らされないなんで大嘘でありましょうや。高尚な精神をこじらせてしまったならば判りませんがね。(´ω`)


異世界の民に嗤われているハンニバルの姿を目の当たりにして、スキピオがこう言い放つのですよ。

こいつはなあ
お前らなんぞ
何百万人いても勝てないんだよ


こいつは
こいつは!


こいつはハンニバル
ハンニバル・バルカ!!*1


俺の国は100万の国は恐れないが
こいつ唯一人を恐れた!!


平野耕太ドリフターズ』1巻145ページ。)


何と言いますかこう、心が震えますよね。


さて、異世界に送られた歴史上の英雄たちには2種類あるようです。「漂流物(ドリフターズ)」と「廃棄物」。物語はこの2つの立場の闘いというかたちになる模様です。今のところ「廃棄物」側にいるのは土方歳三ジャンヌ・ダルク、アナスタシア・ニコラエヴァ・ロマノヴァの3人。歴史の上では逆賊・魔女といった、汚名を被せられた状態で死んでいった人たちが「廃棄物」側になるといったところでしょうか。


それにしても、これだけ続きが読みたい作品は久し振りです。
あとこの作品については少々小ネタも書く予定。

*1:ハンニバル・バルカの「・」は id:m-kikuchi によります。