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笠井スイ『ジゼル・アラン』1巻

ジゼル・アラン (1) (ビームコミックス)

ジゼル・アラン (1) (ビームコミックス)


舞台となるのは20世紀初頭のヨーロッパ。
アパートの大家の傍ら、「何でも屋」を始めた少女ジゼル・アランが引き起こす、時に微笑ましく時に切ない騒動の数々が描かれます。


ジゼルがかなり良家のお嬢様でありながら何故独り身でアパート経営をしているのか、という点は徐々に明らかにされていくようですね。早く大人になりたくて背伸びをして、失敗を重ねつつ成長していく様子も少しずつ描かれている。この2点は何らかの繋がりがあるようで、続きが気になります。
また、作品全体の雰囲気も悪くないです。


既に多くの方が語っているのかもしれませんが、やはり森薫さんの作風に強い影響を受けているように思われます。
個人的には舞台設定というよりも、コマを重ねることで動きを見せる(或いは魅せる)手法とか、集中線に頼り過ぎない演出とか、台詞の「間」とかに強い影響を感じました。