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末次由紀『ちはやふる』10巻

ちはやふる(10) (BE LOVE KC)

ちはやふる(10) (BE LOVE KC)


念願の新入部員も入った瑞沢高校かるた部が迎える、2度目のかるた選手権東京都予選。
この巻では、とりわけ男性キャラクターの「強くあろう」という思いが描かれていると感じました。


嘗て「下の句かるた」の腕前で自信を持っていたものの、ルールが異なる競技かるたではその経験が枷となってしまい、まるで思ったような試合をすることができない新入部員の筑波。それでも、ずっと一緒に下の句かるたをやってきた弟たちにとってのヒーローであろうと、競技かるたでも強くなろうとする筑波。
圧倒的なまでの努力でA級レベルの実力を持ちつつも、運のなさからB級止まりのままで、しかしそれを運ではなく実力がないためだと捉え、「才能がない」という思いに囚われ始める太一。しかしそれを振り切って、一人札と向かい始める太一。
そしてヒョロくんだ。普段は珍妙且つウザいキャラクターながら、第五十八首(単行本だと139ページ以降)での熱さは感動ものでした。


次の巻ではどのような熱い展開を見せてくれるのか。
これほどまでに続刊が楽しみな作品は、そうはありません。