マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

たなか亜希夫『かぶく者』8巻

かぶく者(8) <完> (モーニング KC)

かぶく者(8) <完> (モーニング KC)


江戸時代の名優の血を受け継ぐ市坂新九郎の「かぶく」姿も、この巻にて見納め。
前半は7巻からの続きで、『四谷怪談』で伊右衛門演ずる新九郎と、お岩を演ずる並木月之介との演技対決が描かれます。たなか亜希夫さんの筆力に加え、黒ベタを基調とした構成が、作品全体に凄みを与えている気がします。


後半はいわばオールスターキャストによる名場面集といった構成で、これまでの作品の密度から考えると些かあっさりしているかという感もありましたが、その結末も含めて巧くまとめて仕上げたのかなとも思います。


一度くらいはちゃんと歌舞伎とか観てみたいとは思うのですが、金と暇の持ち合わせが少々足りないので未だ果たせず。無念なり。