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時折マンガの話をします。

塩野干支郎次『セレスティアルクローズ』1巻

セレスティアルクローズ(1) (シリウスKC)

セレスティアルクローズ(1) (シリウスKC)


兄が「消えた」ことが原因で東京に移り住みつつも、母親の死がきっかけで故郷の汪宿(おうすく)市に6年振りに帰ることになった少年・神渡優。そして戻ってきた優が出逢ったのは謎の美少女。"極光の輝き" を探していると語る少女の正体は。そしてとある能力を持つ優は、人間界と神界を脅かす "敵" との戦いに関わることになっていきます。


塩野干支郎次さんの新作は、北欧神話をモチーフとしつつ、舞台を現代日本に移し替えたファンタジー的な作品となっています。
ヒロインとなる少女・ラーズグリーズが実にアホの子でよろしいですな。優に対して「存分にほめなさい」と言った際のポーズ(単行本1巻151ページ)の絶妙にダサいポーズもまた良い感じです。


そして感じるのは、演出の巧みさ。
優はとある能力を持っている訳ですが、それは単行本62〜63ページで明かされます。そこに至るまでの回想シーン等での台詞、描写される行動が、さりげないものも含めて幾つも伏線となっています。それらが上記2ページで奇麗にまとまるのですな。フキダシを使ってグロテスクな描写を隠しているのも巧いですね。


今後も期待できるファンタジー作品かな、と思います。
そういえばファンタジーと言えばユーベルブラット』は・・・おっと誰か来たようです。