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時折マンガの話をします。

アヘ顔ピース or ダブルピース初期事例


注意:今回の記事はエロが扱われています。従って18歳未満の方、エロ関連の話題が苦手な方は、閲覧ご遠慮願います。



最近 Twitter で度々見掛ける語句の一つに、「アヘ顔ダブルピース」があります(TLに偏りがあるためでは、という意見はさておき)。
「アヘ顔」はエロマンガにおける表現技巧の1つであり、どのような技巧であるかはその単語からおおよその想像ができるかと思います。更なる詳細を知りたい場合は、ヘドバンしながらエロ漫画!管理人へどばんさんによる同人誌『EroManga Lovers Vol.1』あたりをご参照戴ければと思います。ネット上の記事であれば、こちらをお薦めします。


そして「ダブルピース」。文字どおり両手でのピースサインです。「アヘ顔」は性的な快楽を極度に誇張した表現技巧と言えますので、それにダブルピースが加わることにより、更なる快楽を示すものだと捉えることが可能でありましょう。
あくまで私見ですが、Twitter 上においては「アヘ顔ダブルピース」は本来の表現を敷衍した、「何らかの欲求・欲望を満たして精神的に激しく満ち足りた状態」の比喩表現として用いられている印象です。


この語句の起源についてはよく判らないものの、定着させたのは Twitter における平野耕太さんの一連のツイートであるのはほぼ間違いないでしょう。断面図描写におけるジョン・K・ペー太さん、アヘ顔における武田弘光さんのような位置付けと言えるのではないかと。


では「アヘ顔ダブルピース」という表現そのものは、いつ頃からあるのか?
言い換えるならば、「アヘ顔」に「ダブルピース」を加えて描かれたのはいつ頃か?ということです。気になったので、少しだけ調べてみました。


以下の文章は収納しておきます。




資料として用いたのは、A輝廃都(サークル名:白液書房)さんの同人誌です。
上記リンク先(アヘ顔の歴史)でも述べられているように、A輝廃都さんはかなり早い段階からアヘ顔を用いています。恐らく1997〜98年頃から使用している筈。様々な題材を描いているうちに、ダブルピースに辿り着いた可能性は充分にあるのではと考えました。
尚且つ、自分がずっと買い続けている作家さんなので資料を集めやすいという理由ですな。
(´ω`;)


なので、「起源はこれ!」というのではなく、あくまで「自分が見付けた中での早い段階での使用例」ということになります。



【まずは「アヘ顔ピース」から】


まずは「ダブルピース」の前に「ピース」の事例を見てみましょう。両手ではなく片手でピースサインを出しているものです。これはかなり早い段階、少なくとも2005年の段階で見ることができます。



(A輝廃都『ザクの人』)

ガンダムSEEDルナマリア本です。発行日は2005年5月15日。
顔に何か掛かっているのは、恐らくケフィアです。


【「ダブルピース」という制約】


しかしながら、ダブルピースの事例がなかなか出てこない。
これには、ダブルピースを行うための条件が関係しているかもしれません。


両手を用いてピースサインを出し、尚且つそれを誰かしらに見せつけるのが「アヘ顔ダブルピース」の肝です。つまり前傾姿勢だと難しい。更に言えば後背位ではダブルピースは限りなく困難であります。上の画像もそれ故に片手での「アヘ顔ピース」になっています。そして「誰かしらに見せつける」構図が肝である以上、通常位におけるアヘ顔ダブルピースもまず成り立たないのです。誰に見せる訳でもなく、ピースサインを出すのは論理的に甚だ不自然である。
基本的に、「アヘ顔ダブルピース」は駅弁スタイルで、複数名(3名以上)での行為中に成立する場合が殆どであります。2人でアヘ顔ダブルピースを行っている場合は、性行為そのものには及んでおらず、露出行為等で快楽を得ている場合に限られる訳です。


「アヘ顔ダブルピース」が発動されるには、幾つもの制約をクリアされなければならないというのがお判りかと思います。
そして自分が調べたなかで、最も早かったのがこちらになります。



(A輝廃都『ときめきクレイモア』21ページ。画像を一部修正させて戴きました。)


クレイモア本です。発行日は2007年12月31日。
「アヘ顔」的にはやや弱さがあるかも判りませんが、ダブルピースを用いている、恐らくはかなり初期の例だと思います。



少なくとも実例は2007年末には存在するのは確定しました。
とは言え、自分の持っているエロマンガ・同人誌は微々たるものですし、偏りもかなり激しいので、より以前の事例が存在することも充分に考えられます。それに関しては専門の方にお任せするべきでありましょう。


という訳で、今回はこのあたりにて。