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マンガLOG収蔵庫・別館

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実はマンガの最前線を突き進んでいる(かもしれない)『解体屋ゲン』、ようやく単行本が発売。

マンガ

1月16日、星野茂樹・石井さだよし『解体屋ゲン』のコンビニ本が発売されました。


解体屋ゲン 1(危機一髪爆破解体編) (芳文社マイパルコミックス)

解体屋ゲン 1(危機一髪爆破解体編) (芳文社マイパルコミックス)


連載回数は450を超え、掲載誌「週刊漫画TIMES」の中核と言って差し支えなかろう作品でありながら、何故か単行本は2003年に1巻が出たきりまったく続刊が出る気配がありませんでした。


週刊漫画TIMES」を出している芳文社は独特の出版形式と言いますか、続刊が出る作品は出続けるのですが、出ない作品はまるで単行本にならない。


蔵の宿 39 (芳文社コミックス)

蔵の宿 39 (芳文社コミックス)


(単行本が出続けているケース。)


1巻が出てその後音沙汰なし、とかそれ以前に単行本にならないとか、かなり事例が多いようです。芳文社のもう一つの核とでも言いますか、4コマ系の作品でも度々見受けられるようですね。
基本的にマンガ雑誌は赤字で、単行本の売上で収益を得るというビジネスモデルが(マンガ産業においては)一般的なのですが、恐らく違うかたちで収益を得ることができているということでありましょう(恐らく広告収入)。


作画を担当されている石井さだよしさんのサイト(石井漫画工房)に、このようなつぶやきもありました。



(サイト内の「石井のつぶやき」2011年11月26日の発言)


直接言われたりするものなのか、と複雑な気分になりますな。
何はともあれ、人情もの要素を絡めた痛快娯楽作品(舞台は商店街から中東の油田に至るまで!)であるこの作品、単行本になっていないのが実に惜しまれるものであっただけに、コンビニ本とはいえ出版されたことは実に嬉しい限りですな。


今回発売された「危機一髪 爆破解体編」と題された『解体屋ゲン』1巻には、主に初期のエピソードが収録。ゲンさん、慶子さん、ロクさん、ヒデ、光ちゃんと、主要メンバーの初登場の回をしっかりと収めたセレクションとなっています。自分も最初から読んでいた訳ではないので、ありがたいですね。当然のことながら、困難な状況下においても爆破解体を成功させるゲンさんの技術も見どころ(時折力技にしか見えない箇所があるかもしれないが、気にしてはダメだ!)。



そして『解体屋ゲン』のもうひとつの見どころ、それはネット上で話題になっているwebサービスの類を作中に無闇に早く取り入れるところですね。ニコニコ動画twitterUSTREAMFacebook等々。このあたりに関しては情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明id:soorce さんが度々紹介されています。『解体屋ゲン』特設サイトでまとめられていますので、そちらもご参照戴ければと。


該当ページは特設サイトの「Webで読む『解体屋ゲン』の魅力」です。
(因みに特設サイトトップに感想記事リンクが貼られているのですが、なめくじ長屋奇考録さんのレビューのリンクが微妙に隔離されていて文字も少し小さいのがちょっと面白かったです。(´ω`) )


そしてこの特設サイトと、twitter がかなりすごい。

両方共に五友爆破の広報担当・光ちゃんが管理している訳なのですが、*1twitter上での『解体屋ゲン』関連のツイートを悉くリツイートしつつ、しっかりとリプライを送っているのですね。そしてそれだけに留まらず、twitter上での感想をtoggeterでまとめて特設サイトに掲載していたりもするのですな。(特設サイトの「お寄せいただいた感想」。)他にも、上でも若干触れましたが、ブログで書かれた感想記事を詳細に解説したりもしています。ネット上でのコミュニケーションをここまで強く意識したサイトは、かなり珍しいかなと思います。
(因みにtwitterの光ちゃん、なめくじ長屋奇考録管理人のげウさんを「ゲロウ」と呼んでいたのがちょっと面白かったです。(´ω`) )



そして本日発売の「週刊漫画TIMES」において、『解体屋ゲン』の新たな展開が。
主要メンバーの一人、ロクさんは「曳家」を行う職人です。曵家とは文字どおり、家全体を曳いて別の場所に移動したりする職人技なのですが、昨年発生した東日本大震災による地盤の液状化・沈下等によりこの技術の需要が急激に高まっているらしいです。
そして実際に千葉県で傾いた家の修復を行っている曳家職人・岡本直也氏が、『解体屋ゲン』に登場するとのこと。セミドキュメンタリー的な内容とのこと。マンガと現実をリンクさせる、かなり実験的な試みですね。


何年か前に編集家・竹熊健太郎さんが『サルまん2.0』でメディアミックスの展開を行おうとして頓挫してしまうことがありましたが、目指した方向にいちばん近いのが『解体屋ゲン』の展開かもしれんなぁと(案外本気で)考えています。


と、些か長くなったのでこのあたりにて。
オヤジマンガという媒体で最先端を走り続ける『解体屋ゲン』、今後の展開にも注目です。
そして続刊のためにも、皆コンビニへ走るんだ!


【余談】amazonで『解体屋ゲン』が品薄のようで、ユーズドで高値になっていた時間帯があったようです。



URL:https://twitter.com/#!/KowashiyaGEN/status/160007617232642048


『解体屋ゲン』では転売廚を批判するネタもあるのに、まるでゲンさんのことを判ってないのだなぁと思ったりも。

*1:実際に作っているのは原作者の星野茂樹さんらしいですな。