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マンガLOG収蔵庫・別館

本館のバックアップとして使用しています。

女性のエナジーがひときわ迸っていた。『エロマンガノゲンバ Vol.6』

評論同人誌

ずいぶんと久し振りの更新となります。
今回の夏コミですが、3日目のみ休みが重なったので、いろいろと買い込んできました。
それらの中から、評論系同人誌を中心に幾つかご紹介していこうかと思います。
まずはこちらから。



エロマンガノゲンバ Vol.6』(サークル:フラクタル次元)


既にご存知の方も多いかと思いますが、えろまんがけんきゅう管理人・稀見理都さんのサークルによる同人誌です。
エロマンガノゲンバ』に関しては、これまでにも何度か紹介させて戴いたことがありますが、このシリーズも6冊目となります。過去の感想はこちらから。

Vol.6 でインタビューをしているエロマンガ家さんは以下の方々。
サイト、twitter も併せて載せておきます。


例によって、凄いお歴々ですな。
今回もそれぞれの先生に対し、デビューの経緯から作品の制作過程、影響を受けた作家・作品に至るまで、詳細なインタビューを敢行しています。それらから派生した様々なエピソードも惜しみなく収録されています。
エロマンガノゲンバ』シリーズは、どの作家さんも実に饒舌に自分のことを語ってくださっているのが良いですね。やはりそれは、インタビュアーの稀見理都さんの力量によるところが大きいのでありましょう。インタビューする作家さんの全作品を、雑誌単位で調査するとか、そうそう真似できるものではありません(DISTANCE先生が別名義でBLを描いていたとか、全く知らなかったです)。
インタビューの際は、作家さん側でも自作を持って来たりする訳ですが、たけのこ星人先生など、投稿ハガキのコピーや同人誌、更には小学生時代に大学ノートに描いたマンガまで持参して、それらについて滔々と語っている。これはご本人の資質の問題も含まれていましょうが、やはりこれまでのインタビューを通しての信頼の積み重ねによるものだろうなと感じる次第です。


個人的に最も印象深かったのは、服部ミツカ先生のインタビューですね。
猟奇系・獣姦といったかなりコアなジャンルを得意とする女性作家さんです。最近は『TIGER&BUNNY』にもハマっているようです。
バーナビーブルックスJr.の開脚マウスパッドなる珍品も作成したようで、そのエピソードは実に面白いです。*1
笑えるエピソードがある一方で、エロマンガに「救われた」エピソードは実に心に迫るものがある。屈指の変態雑誌として知られる「フラミンゴ」を初めて読んだ際のくだりです。一部引用させて戴きます。

(本を見ながら)あ〜〜懐かしい〜(*´∇`*)

ああ、このあたりの読んでました。いや〜このあたりで、蜈蚣Melibe(むかでめりべ)先生が描いていらして、「ああ〜こういうのOKなんだ〜!エロマンガいいな〜」って思いましたね。


(中略)


で、当時私、猟奇的な性癖倒錯に悩む思春期の少女だったので、これを読んで「あ〜別に、これでいいんだな!!」って開き直れたんですよ!

そこで、「エロマンガ(2次元)って何やってもいいんだ」って教えられて、そこから好きになりましたね。


(中略)


フラミンゴで一番最初に読んだマンガが、蜈蚣Melibe先生の「バージェスの乙女たち」というマンガで、女の子が手足を組み替えられて、本当に人間イスにされているマンガがあったんです。

それを読んで「すっげ〜〜な!(;゚∀゚)=3」って思って、絵も耽美系少女マンガ系なんですよね。それが凄い衝撃的で「ほんと何やってもいいんだ!」ってその時思ったんですよ。自分の性癖がそっち系だったので、認められた訳じゃないんですが、自分の居場所があったんだ〜という安堵感はありましたね。


(『エロマンガノゲンバ Vol.6』80〜81ページより抜粋。*2


このように、エロマンガで「救われた」服部ミツカ先生ですが、自分の作品が Amazon で発禁扱いになってしまう。2009年の内部規定によるもの、とのこと。この際の心境は如何ばかりのものか。表現規制というものに関して、何か考えさせられます。*3
因みにこの内部規定に関しては、稀見理都さんもサイトで取り上げていますので是非ご一読を。

そして『Vol.6』の目玉企画とでもいうべきものが、エロマンガ女子会 in 秋葉原」
全国から集まったエロマンガ好きの婦女子7名による座談会です。


どういった経緯でエロマンガを読むようになったのか?
好きな作家は?
エロマンガ、どこで買うの?
エロマンガのどの箇所に萌えるのか?
エロマンガを実際に「使って」いるのか?


こういった内容について、まさしく縦横無尽に語りまくっています。実際に読むと判ると思いますが、異様に濃いです。熱量が只事ではない。圧倒されます。
年代からジャンルに至るまで非常に多岐に渡っていて、驚かされました。少しだけ言及させて戴くと、「週漫スペシャル」の話とか出てくるくらいです。


「週漫スペシャル」とか、なめくじ長屋奇考録さん以外の媒体でこの単語を見る機会があるとは思いませんでしたよ。(´ω`)


この「女子会」の記事も、近いうちに一部サイトで公開するとのお話ですが、是非全文を読んで欲しいところです。
因みに、この女子会に参加している7名のうちの1人は、自分の知り合いだったりします。(; ゚∀゚)


と、長くなってきたのでこのあたりにて。
委託&通販も開始しているとのことです。このシリーズはどれもお薦めなので是非ご一読を。

*1:「えろまんがけんきゅう」のサイトでは未収録、そして『エロマンガノゲンバ Vol.6』の裏表紙には現物の写真も掲載されていますので、ご興味のある方は是非同人誌をご購入ください。

*2:以上の引用箇所は「えろまんがけんきゅう」でも公開されています。

*3:これに関してはちょっとしたオチ的なものがあるのですが、それは是非自分の目で確かめてみてください。(´ω`)