マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

「マンガアプリの利用に関する実態調査」の内容が興味深かった

3月11日の昼頃ですか、以下のようなプレスリリースが配信されていました。


一太郎とか ATOK とかを作っている、株式会社ジャストシステムのプレスリリース(2015年3月11日配信)になります。
概要はリンク先にも記載されていますが、事前調査で「マンガアプリを利用している」と回答した10〜30代男女600名を対象にアンケートを実施し、調査結果をまとめたものになります。


で、この結果が非常に興味深く感じられました。具体的には10代のアプリの使い方ですね。
調査結果にもある程度触れつつ、ちょっと書き連ねてみます。


まず「コンテンツによるアプリの使い分け」ですが、約半数(48.3%)が使い分けを行っています。年代別にみると、

  • 10代:35.0%
  • 20代:54.0%
  • 30代:56.0%


とのことです。10代が突出して低い。つまり単一のアプリを用いている、ということになります。そしてアンケートの対象になったマンガアプリは以下の8種類。


そして上記アプリのうち利用頻度が高いのが、comico(34.8%)、マンガボックス(28.8%)、LINEマンガ(28.5%)となるのですが、このうち comico の利用者年代内訳が、

  • 10代:42.5%
  • 20代:33.5%
  • 30代:28.5%


と、今度は10代が突出して高い。些か強引な論法かもしれませんが、最初の回答結果と合わせると、10代男女には comico だけでマンガを読んでいる、という層が少なからず存在するのかも、という推測もできる訳です。


そして、comico には他のマンガアプリとは一線を画している特徴がありまして、ご存知の方も多いかもしれませんが、縦スクロールでの読みに特化している(言い換えれば、スマートフォンでの読みに特化している)んですね。
実際に comico の作品を何か読んで戴くと判るかと思うのですが、視線が殆ど一直線に上から下へと向かうような印象なんですね。フキダシを読む際に多少左右に動くことはあるにせよ、紙媒体の雑誌・単行本のマンガとかだと、(大筋では)右から左・上から下という視線の動きが複雑に絡み合う訳でして、実際のところ comico 以外のマンガアプリではこちらを踏襲しているのが基本です。*1
comico の作品群は、これまでのマンガに比べるとかなり異質な読み方と言える訳なのですが、スマートフォンで読む場合、他のアプリに比べると圧倒的に読みやすいのですな。


そしてまたアンケート結果に戻るのですが、マンガアプリの利用頻度については「ほぼ毎日利用している」のが 43.7%で、更に年代別に分けると、

  • 10代:52.0%
  • 20代:42.0%
  • 30代:37.0%


となります。年齢が若くなればなるほど、毎日読んでいる割合が増える訳ですね。
更に強引に繋げると、10代を中心とする若い年代で、これまでのマンガと比べるとかなり読み方が異質なマンガ「だけ」を、毎日読んでいるという層が存在するのかもしれない訳です。
「マンガ」というものへの認識じたいが、じわじわと変化してきているのかもしれないな、とか思った次第です。


といったところで、本日はこのあたりにて。


因みに詳細をまとめた調査結果レポートもこちらから無料ダウンロードできるようなのですが、どうやら企業向けなのか、会社や所属部署の記載が必須のようです。

*1:雑誌連載している作品(過去作品含む)をそのまま web で公開、というケースも多数あります。