『約束のネバーランド』、面白いですね。
孤児院のグレイス・フィールドハウスで幸せに暮らす38人の子供たち。しかしある日、最年長のエマとノーマンの二人は、孤児院の隠された目的を知ることになり...というくだりから始まる物語です。
第1話が公開された際もその衝撃的な展開が話題になったと記憶していますし、最近だと、自分は未見なのですが「アメトーーク」でも紹介されて絶賛されていたとか何とか。
そして今月、最新巻となる4巻が発売されたのですが、帯折り返し部分に、原作者の白井カイウさんによるコメントが書かれていました。こちらになります。
ここで個人的に気になったのが、
①首筋のナンバーの法則?の
ほぼ答えみたいなヒントが
本巻本編のどこかにあります
というくだりです。
首筋のナンバーというのは、孤児院の子供たち全員の首筋に刻印されている認識番号のことです。第1話の冒頭で出てきますね。
(白井カイウ・出水ぽすか『約束のネバーランド』1巻15ページ。)
こんな感じ。
幸せな暮らしでありながら、何かが歪であることを示す演出にもなっています。
この認識番号、何か法則みたいなのはあるのかなと漠然と思っていた訳ですが、やはりあるらしい。
という訳で、ちょっと調べてみることにしました。
以下、ある程度は作中の内容にも触れるので未読の方はご注意を。
各キャラクターの認識番号については、単行本あらすじページや本編外ページで公開されています。
まずはそれを抜き出してみます。年齢順(括弧内の数字が年齢)に書いておきます。因みに作中における、2045年10月時点での年齢となります。そこから割り出される推定出生年も併記しておきます。
- ノーマン 22194(11)2034年
- エマ 63194(11)2034年
- レイ 81194(11)2034年
- アンナ 48194(9)2036年
- ナット 30294(9)2036年
- コニー 48294(6)2039年
- ドミニク 07294(6)2039年
- イベット 59294(5)2040年
- マルク 79294(5)2040年
- ジェミマ 31394(5)2040年
- ロッシー 50394(5)2040年
- クリスティ 70394(5)2040年
- アリシア 71394(5)2040年
- フィル 34394(4)2041年
- マーニャ 42394(4)2041年
- ナイラ 53394(4)2041年
- シェリー 74394(4)2041年
- ハンス 82394(4)2041年
- ジャスパー 04394(4)2041年
- エウゲン 46394(3)2042年
- ビビアン 55394(3)2042年
- ダムディン 57394(3)2042年
- トム 66394(3)2042年
- ニーナ 77394(3)2042年
- チェンバレン 85394(3)2042年
- イザベラ 73584(31)2014年
- クローネ 18684(26)2019年
認識番号の書き出しはひとまずはこのくらいで。
ここから法則性を探っていきます。
まず明確に判るのが、下二桁になりますね。子供たち全員、「94」になっています。
ただこれはほぼ全員に共通する数字なので、逆に何を示しているかが判りづらいとも言えます。何らかの大きなカテゴリーを示すものではないかと思われます。可能性としては年代を示すものかな、と。
94という数字はグレイス・フィールドハウス(第3プラント)に所属していることを示す番号であり、イザベラとクローネは別プラント出身(且つ恐らく同じ孤児院)ではないか、という推察もしたのですが、後述の理由からそれは恐らく違うと思われます。
続いては真ん中の桁。
大まかに見ると、年齢が若くなるにつれて数字が大きくなっていることが判ります。つまり真ん中の数字は年齢・出生年に関わってくると考えられます。
そこで出生年と比較してみると、2036年ならびに2040年に数字が変化しているのが判ります。
つまり4年ごとに数字が変わる。
そして併せて注目すべきは、2036年生まれではアンナ、2040年生まれではイベットとマルクの2人の数字が違う点です。数字が切り替わる年は、全員の数字が切り替わるのではなく混在しています。それ以外の年は混在していません。
この理由としては、早生まれ(1〜3月生まれ)の可能性が高いのではないかと思います。
そこから、
- 出生年2032年4月〜2036年3月:1
- 出生年2036年4月〜2040年3月:2
- 出生年2040年4月〜2044年3月:3
という数字になる、という予測を立てることができます。
この予測をもとに、キャロルという赤ちゃんの年齢・出生年を推測してみましょう。
キャロルは、第1話で「出荷」されたコニーに替わる要員として、グレイス・フィールドハウスに補充されてきた赤ん坊です。
エマは年少組の着替えや入浴の手伝いのため、且つある目的を兼ねてキャロルに接近する場面があるのですが、その際にキャロルの認識番号が見えるコマがあります。
(前掲書1巻183ページ。)
「5349」と見えます。下二桁は94なので、キャロルの認識番号は「53494」であることが判ります。
そして真ん中の数字が「4」であることから、キャロルの出生年は2044年4月以降、作中の時間が2045年10月なので1歳であることが判ります。*1
またそこから、イザベラとクローネの数字も遡って推測することが可能です。
このようになります。
- 出生年2012年4月〜2016年3月:5(イザベラ)
- 出生年2016年4月〜2020年3月:6(クローネ)
- 出生年2020年4月〜2024年3月:7
- 出生年2024年4月〜2028年3月:8
- 出生年2028年4月〜2032年3月:9
- 出生年2032年4月〜2036年3月:1
- 出生年2036年4月〜2040年3月:2
- 出生年2040年4月〜2044年3月:3
- 出生年2044年4月〜2048年3月:4(キャロル)
9つに分けるというところにちょっと違和感というか、考察ミスをしている(或いは何か見逃している)気がしなくもないのですが、とりあえず真ん中の桁で推察できるのはこのくらいかな、と。
そして残りは上二桁になりますが、恐らくはこれに関するものが、冒頭に引用した「ほぼ答えみたいなヒント」と思われます。4巻を読み返してみて、恐らくこれだろうと思われるのが以下の2つになります。
(前掲書4巻51ページ。)
(同書55ページ。)
まずは2つ目の画像から。
プラント(孤児院)に送られる子供たちは、5人ずつ振り分けられることが示されます。
そのうえで、1つ目の画像の左下のコマに注目してください。「81194」はレイになります。そしてその隣に、「91194」の番号を与えられた赤ん坊がいるのが見えます。そして恐らく反対側の隣には、「71194」「61194」の赤ん坊がいる。
つまり、上2桁の数字10刻みで5人ずつ選び出され、そこから5箇所のプラントに振り分けられると考えられます。(先に「94」が振り分けられる場所を示すものではないと書いたのはこの描写があったためです。)
そして恐らく数字の振り分け方は、上2桁の1桁目が「1・2・3・4・5」と「6・7・8・9・0」です。
上の画像で言えば、「61194・71194・81194・91194・01194」の5人が振り分けられる。
この5人の前はたぶん「11194・21194・31194・41194・51194」で、その後は「12194・22194・32194・42194・52194」「62194・72194・82194・92194・02194」ではないかと思われます。
この振り分け方であれば、例えばフィルは「34394」、ジャスパーは「04394」ですが、違うグループから振り分けられたことになります。ラニオンは「54294」、トーマは「55294」とかなり近い数字に見えますが、やはりグループ的には別になりますね。
上2桁がまったく同じというケースも3つほど存在しますが、この場合は何れも真ん中の桁(出生年を示す番号)が異なっています。アンナとコニー(「48194」と「48294」)、トーマとビビアン(「55294」と「55394」)、ナイラとキャロル(「53394」と「53494」)ですね。
ということで、ある程度の法則性は掴むことができたかなと思います。
下2桁の明確な法則が判ればなぁ、といったところですが、これは他の方の意見も窺いたいところです(これは違うのではないかというご意見も)。
あとは、確か『約束のネバーランド』の謎本が出ていたかと思うので、既に考察されていないことを祈るばかりです(未読)。( ´∀`;)
といったところで、本日はこのあたりにて。
*1:1巻171ページに「1〜2歳の最年少9人がママとともに寝起きしている」というエマのモノローグがあることから、0歳ではないと思われます。