既にかなり話題になっているようです。
金色のガッシュ!!:作者の雷句誠さんが原画紛失の小学館提訴(まんたんウェブ)
この件については、作者の雷句誠さんが自身のブログで陳述書全文公開という、異例と言って差し支えないと思われる強い姿勢で臨んでおられます。
(株)小学館を提訴。(雷句誠の今日このごろ。)
雷句誠さんの憤りが滲み出ているような文面となっています。
「美術品的な価値」という文言に対し 2ch 等で揶揄されたりしているようですが、訴状の「6 本訴の意義」の項を読むと
という意図に基づき訴えが為されていることが判ります。数ある原稿紛失に対抗する手段として、漫画原稿が「美術品」としての位置づけを勝ち取り、漫画が美術品、つまり芸術品としての社会的地位を獲得するとともに、編集者に対して「美術品」を扱っているという自覚を持たせる
自己過大評価とかいう類のものではない。またこのような尺度が設けられることは(最終的には編集者側の倫理に懸かってはくるものの)、原稿の取扱に幾許かの影響は与えるものと思います。
またこの陳述書並びに訴状は、これまであまり表立って語られることのなかったマンガ業界の側面(報酬支払方式・原稿料・制作の裏側・編集者とのやり取り・経理等)が当事者側から語られた超一級の証言です。
今後同様のケースが発生した場合、この文言は第一に参照されることになる筈です。その点においても非常に意味のある提訴だと思います。
「美術品」としての認定に関してはちょっとどうなるか判りませんが、原稿紛失という点に関しては被告側に非があるのは明確です。今後のマンガ界に少なからず影響を与える可能性がある訴訟だと思います。
希望としては、判例が出ることです。
これまでの原稿絡みの訴訟では示談になるケースが殆どで、それが結果として原稿取扱のグレーゾーンを生む温床になっている場合が多いように思われます。
僕は一読者、マンガ好きとして雷句誠さんの判断を支持します(それ以外にもいろいろと理由はありますが・・・)。
今後の展開にも注目です。
- 作者: 雷句誠
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/06/18
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