マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

大人漫画の復活を・・・!

はてなダイアリーに移って1週間くらいですが、昨日初めてブックマークをして戴きました。(^ω^)
しかもその記事を書く際に参照させて戴いたsoorceさんから。拙い文章にも関わらず読んで戴いたこと、非常にありがたく思う次第です。


更にはブクマコメントまでして戴きました。
非常に興味深い内容だったので、今日はそれをもとに書き連ねてみようかと思います。


因みに昨日書いたのはこちらです。

で、それに対して寄せて戴いたコメントがこちら。

初期は記事と漫画と読み物の大人向け総合雑誌で、所謂「大人漫画」が載ってたんです。ストーリー漫画は70年代からじゃないのかな。

初期の「週刊漫画TIMES」は総合雑誌だったのことです。


あくまで僕の勝手なイメージですが、光文社から出していた「少年」の大人版といった構成だったのかな?
因みに「少年」は『鉄腕アトム』や『鉄人28号』、『矢車剣之助』といった名作を多く輩出したことで知られる雑誌ですが、「少年」はマンガのみでなく、小説や絵物語、読者が投稿した詩や俳句等も多数収録していました。今のマンガ雑誌と比べてもかなり字が多い印象です。
そしてまた、小説・絵物語の執筆陣も尋常ではない豪華さなんですよね。
江戸川乱歩山田風太郎大佛次郎南洋一郎小松崎茂海野十三小松左京光瀬龍・・・他にもまだまだ。
ノーベル文学賞候補にもなった芹沢光治良までいるのですよ。


因みに「少年」の傑作選が光文社文庫から出ています。
あまり版を重ねないので幾分入手が難しいかもしれませんが、いい本ですよ。

「少年」傑作集〈小説・絵物語篇〉 (光文社文庫)

「少年」傑作集〈小説・絵物語篇〉 (光文社文庫)


さてコメントのほうに戻ります。
所謂「大人漫画」が載ってた、とあります。
大人漫画」、言うならば絶滅危惧種です。たぶん僕が生まれた時点で壊滅に近い状態だと思います。
1970年代に、恐らく赤塚不二夫さんとか谷岡ヤスジさんとか山上たつひこさんとか、所謂破壊的なギャグマンガが主流となって一気に駆逐されたという認識です。


大人漫画の代表としてはたぶん加藤芳郎さんとかが挙げられると思うのですが、僕のイメージだと加藤芳郎さんは「連想ゲーム」の白組キャプテンです。*1
因みに谷岡ヤスジ『アギャキャーマン傑作選』に収録された夏目房之介さんと呉智英さんの対談のなかで、加藤芳郎さんは「ナンセンス漫画の天才」とまで評されています。


これもまた僕なりの認識なのですが、「大人漫画」である条件には、

  • お色気要素をふんだんに含んだ笑いが中心である
  • 大人ならではの精神的な余裕が存在する

という2点が必要だと思います。
特に重要なのは後者。艶笑喜劇ならいくらでもあるのですが、後者の条件を満たしているのは殆どない筈です。
現時点で「大人漫画」と呼び得るものを挙げるとすると、小島功ヒゲとボイン』とジョージ秋山浮浪雲』くらいではないかという気がします。僕が知らないだけで、まだあるのかも知れませんがね。*2
あと杉浦幸雄さんが亡くなる直前まで描いていた『面影の女』も大人漫画でしょうね。(復刻してくれ・・・!)
横山まさみちさんの『やる気まんまん』はどうだろう?


で、「大人漫画」衰退に待ったを掛けるということでしょう、何年か前に夏目・呉両氏が『復活!大人まんが』というセレクションを出しておられます。

夏目&呉の復活!大人まんが

夏目&呉の復活!大人まんが

しかしこの本じたい、最近見掛けない・・・。(ノД`)
若干値が張るので後回しにしていたら、Amazon だと微妙にプレミアが付いてしまっています。
まずはこの本から復活してくれ!と切に願う今日この頃です。

*1:長いこと、マンガ家だということさえ知りませんでした・・・。('A`)

*2:夏目房之介さんがジョージ秋山さんを語る際、『銭ゲバ』『アシュラ』『ザ・ムーン』といった残酷路線ではなく『浮浪雲』を高く評価するのは、夏目さんが大人漫画好きということも影響しているのかな、と。それにしても『銭ゲバ』の続編『銭ゲバの娘プーコ』は残念な出来だったなぁ・・・(ノД`)