マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

銀河鉄道、見切り発車

そういえば、こんなニュースもありました。

今日は著作権云々ではなく、松本零士さんについての雑文を少々。


今更説明無用でしょうが、松本零士さんは『男おいどん』『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』といった多くの名作を描かれたマンガ家です。
昨年マンガ家活動50周年を迎えられ、その流れで初期作品の復刻等も多く行われていますね(欲しいけど、高くてなかなか手が出せずにいます・・・)。


そんな松本先生ですが、時折突飛な発言をします。
有名どころでは「牡蠣を喰ったら歯を磨け」ですかね。*1
そんな松本先生の発言のひとつをご紹介します。


1997年9月11日、朝日新聞夕刊での記事です。
銀河鉄道999』の新作映画化決定*2を受けての、インタビューを含む記事となっています。因みにその前年(1996年)から、劇場版の原作となる新連載も開始されていました。
ではその記事を引用します。

来年3月、17年ぶりに前作から1年後の物語。
松本零士原作の人気アニメ「銀河鉄道999」が来年3月、17年ぶりに映画化されることになった。主人公の鉄郎とナゾの美女メーテルが、機関車999で宇宙を旅する幻想的な物語。1978年から81年までテレビシリーズに、79年と81年には、映画化された。
今回は、前作「さよなら銀河鉄道999〜アンドロメダ終着駅〜」から1年たった設定だ。女王プロメシュームを倒して英雄として迎えられた鉄郎だったが、今は危険分子として地下牢に監禁されていた。ある日、懐かしい汽笛を耳にした鉄郎は牢を脱出、メーテルと再会して、アルテメータ星系にある光の大星雲エターナルを目指す。そこにはあらゆる生命体を抹殺しようとする闇の支配者が待ち受けていた、というストーリーだ。
CGも駆使、リアルで壮大な作品になるという。
監督は宇田鋼之介、配給は東映
新シリーズは、すでに昨年7月から「月刊ビッグゴールド」(小学館)で連載中。松本は「時間は夢を裏切らない。夢はゆっくりかなうもの。だから、このシリーズも世代を越えた物語にしたい。雑誌への連載は、これまでに199回を数えたが、あと10年以内に999回まで書きたい。」という。またニッポン放送では10月10日から毎週金曜日午後11時30分にラジオドラマ版もスタート。
11月から東京・天王洲アイルでミュージカルも予定されている。*3

お判りですよね。
「雑誌への連載は、これまでに199回を数えたが、あと10年以内に999回まで書きたい」。*4

誰か質問・指摘はできなかったのでしょうか。


あと10年で800回描くつもりですかとか、
週刊連載でも間に合いませんよとか、
4〜5日に1回分のペースで描かないとダメですがとか、
もしかして新聞4コマでしょうかとか、
それ以前に現在連載しているのは月刊誌なんですがとか、


さすがに巨匠にツッコむのは躊躇われたのでしょうか。
そんな『銀河鉄道999』、劇場版は興行収入が振るわず続編がお蔵入り、掲載誌「ビッグゴールド」も休刊と相成りました。
その発言から既に11年が経過していますが、残念ながら999回には到達しなかったようです。
「時間は夢を裏切らない」。
松本零士さんの座右の銘として度々出てくる言葉ですが、時には例外もあるようです。(´・ω・`)


僕の夢は、『銀河鉄道999』と『神々の黄昏』(「ニーベルングの指環」最終章)の再開・完結です。
未だ血気盛んであるようなので、じっくり待つことにします。

ニーベルングの指環 (3) (新潮コミック)

ニーベルングの指環 (3) (新潮コミック)

*1:岡田斗司夫さんが「週刊アスキー」の企画で松本邸を訪ねた際に言われたとのこと。「牡蠣を食べるといつも腹をこわしていたが、たまたま歯を磨いたらこわさなかった(大意)」からだそうです。詳しくは岡田斗司夫『オタクの迷い道』(文春文庫)112〜114ページを参照。もっとも岡田さんはかなり芸人体質ですから、少なからず話を膨らませている可能性もありますが・・・。

*2:銀河鉄道999 エターナルファンタジー』のこと。公開は1998年。

*3:銀河鉄道株式会社 地球本社の過去ログから転載させて戴きました。

*4:僕の記憶では「10年以内に」ではなく「1999年までに」で、しかもスポーツ紙で読んだと思っていたのですが、人の記憶とは適当なものです。それとも、転載する際に書き換えるということはあるのでしょうか?