マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

画像の引用のコツ、のようなもの

10〜11月は引っ越しに追われていたため、殆ど更新ができませんでした。
その間もなるべく情報収集というか、ネットは観るように心掛けていましたが、10月末に見掛けたのがこれらの記事です。


マンガの感想とかを書く際の画像使用についての話ですね。
この手の話題は定期的に上がってくる印象があります。僕のブログもマンガのことをいろいろと書き連ねる内容なので、これらの話題はどうしても気になってしまいます。


誰からも文句を言われないためにはすべての画像について許諾を取るのがいちばんなのでしょうが、正直それは個人で行うレベルではないというのが実際のところです。という訳で「引用」という手段を取ることになるのですが、他のサイトを拝見すると、果たしてこれは引用なのかなと疑問を抱いてしまうところが存在するのもまた事実。どことは言いませんが、感想というより電脳紙芝居ではないかなとか。


ではどうすれば引用と認められ得るか、ということになりますが、先程もリンクを貼った記事・マンガ画像の『引用』について書いてみるで非常に判りやすく説明が為されているので是非読んで戴ければと思います。
ただどうしても法律の文章は判りづらいという点もありますので、ちょっと補足的な内容と言いますか、自分の場合はどうやっているかというケースを書いてみようかと思います。



【出所の明示】


僕の書いた過去記事をご参照戴ければ幸いですが、恐らく全部の画像に出典を書いている筈です。
作者名『タイトル』(出版社)巻数ページという順番。・・・出版社はけっこう書き忘れがあるかもしれません。
あと作品によっては新書版・文庫版・愛蔵版・完全版という具合に幾つものバージョンがあるので、どのバージョンかも明確に書く必要があります。バージョンによってページ数も異なってきますのでね。
僕は雑誌を利用する場合は少ないですが、その場合は「雑誌名」何年何号何ページという感じですか。基本的には大学で書く論文と同じような形式です。


最近の傾向として、本来ページ数が振られている箇所までコマが入り込んでいるケースが多いのですが、その場合は近くでページ数が記載されている箇所を見付け、そこから数えていきます。作品によっては数十ページにわたってページ数が記載されていない(コマが下まで入り込んでいる)ことがあり泣けてきます。



【主従関係】


これについては僕自身ちゃんと守れているか判断できかねるのですが、あくまで自分の文章がメインであって、引用画像はそれを補うものでなければならないというやつですね。単に引っ張ってくるだけではいかんということだと解釈しています。


この「引用の仕方」について、自分はこの本を参考にして行っています。



出版されたのが2001年と少々古いですが、非常に良い本なので是非とも読んで戴きたい1冊です。
2000年2月・11月に開催された「マンガと著作権に関するシンポジウム」の模様と著作権関連資料を収録しています。
この中で、マンガ評論家の夏目房之介さんが「引用」についての発言をしていますので、それを「引用」してみます。

引用というのはたとえばこういう例ですね。図版を引用してこれについて、破滅の前の二つの風景、混乱と静寂、そして最後の逆説的平和、ということを論じてる訳ですね。ここでは、必ず絵に言及しています(図3)。絵の内容に言及するっていうのがコツなんですが。いやコツと言いますか(笑)。絵の内容に言及する、言及しないで単なる挿絵として使っちゃうとまずいんです。


監修・米沢嘉博『マンガと著作権 〜パロディと引用と同人誌と〜』(青林工藝舎)31〜32ページ。


絵の内容への言及が重要な訳です。
で、僕が画像を使う場合、このコマはこのような場面で、これこれこのような効果が・・・みたいな内容をけっこうくどくどと書くようにしています。他の方が読む際は冗長に感じるかも判りませんが、これくらいは書いておかないと「引用」にはならないよなぁと思うのでそうなっている訳です。『紅 kure-nai』から紫の画像を持ってきて「可愛いな畜生!」と書くだけでは不充分だろうと。



【倫理というか、心掛けというか】


あとは、画像は自分が持っているものを使用する、という点ですか。自分が使っている画像は、殆どが自分でデジカメで撮影したものです(スキャナは持っていないのです)。
使わせて戴いているのだから、せめて自腹を切ってということです。



と、こんなところでしょうか。
自分が正当に引用できているというつもりはないですが、これくらいのことは行いつつ、且つ「使わせて戴いている」ということを忘れずに利用するのが筋であろうとは思う次第です。