BL、或いはマンガのジャンルに関しての覚書
文章にするほどには考えがまとまっていないため、断片的な内容です。
敬称略となっていますがご了承を。
【最初期】
- BL*1におけるクラシックとして挙げられる作品:萩尾望都『トーマの心臓』、竹宮惠子『風と木の詩』、山岸凉子『日出処の天子』等。それぞれ連載開始は1974年、1976年、1980年。
- これらの作品は少女マンガ雑誌に連載されている。当時BL専門誌は創刊されていなかったり、創刊間もない時期だったり。「JUNE」の創刊*2が1978年。
- この時期はジャンルが細分化されていないと見るべきか?或いは発表媒体の選択肢が無かったと見るべきか?
- この時期のBLはむしろ同人活動を調査する必要がある筈。
- 作者: 萩尾望都
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1995/08/01
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- 作者: 竹宮惠子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2002/07/01
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- 作者: 山岸凉子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 1994/03
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【境界線上の作品・レーベル】
- 直接的な描写はないものの、BLの匂いが無闇に濃厚な作品が出始めるのは80年代前半か?
- 「ウィングス」の創刊が1982年。同人から入った作家多数。有名どころでは高河ゆん、CLAMP等。
- 最近この境界線上の雑誌・レーベルがかなり増えている。「Gファンタジー」「ZERO-SUM」「コミックブレイドアヴァルス」「comic B's-LOG」「シルフ」等。BLとの関わりについては後述。
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
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Comic ZERO-SUM (コミック ゼロサム) 2010年 02月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 一迅社
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COMIC BLADE avarus (コミックブレイド アヴァルス) 2010年 02月号 [雑誌]
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comic SYLPH (コミックシルフ) 2010年 01月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
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【「BL」と一口に言っても、雑誌により傾向は異なる】
- 多数あるBL雑誌にも「色」のようなものはある。
- サブカルの匂いがするBL雑誌:「OPERA」「CRAFT」「Cab」等。これらの雑誌に執筆している作家は、一般誌(サブカル風・或いはマニア好きのする雑誌*3)との親和性も高い気がする。
OPERA vol.18-記念日- (EDGE COMIX)
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- 出版社/メーカー: 大洋図書
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Cab v.4―CATALOGUE and BGM (MARBLE COMICS)
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以下は個別の事例。
【一般誌→BL】
この流れは少なめ。不規則な動きをする場合もあり。
- 梅沢はな:「ステンシル」で連載とかしていたが、現在はBL中心。
- 那須雪絵:『ここはグリーン・ウッド』のあと、BL作品を幾つか描き、『魔法使いの娘』で再び一般誌(ウィングス)。
- 中村明日美子:商業誌デビューは「エロティクス・エフ」。内容はBL。その後「OPERA」でBL、「メロディ」(白泉社)で少女マンガと活動の幅を広げている。
『グリーン・ウッド』には男性カップルが登場していたが、「現代日本を舞台にした作品」で男同士という関係を描写したかなり初期の例かもしれない(一般誌では)。BL作品は新書館ディアプラスから出ている。『魔法使いの娘』がウィングスで掲載されたのと関係しているのか?
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- 作者: 中村明日美子
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【BL→一般誌】
一般誌に軸足を移していくケースと、両方を並行して描くケースあり。
- よしながふみ:前者か?BL作品多数→『西洋骨董洋菓子店』『フラワー・オブ・ライフ』(ウィングス)→『大奥』『きのう何食べた?』(メロディ、モーニング)。
- ヤマシタトモコ:後者。BL作品多数→『Love,Hate,Love.』→アフタヌーンでの新連載。
- 吉崎せいむ:前者。BL作品を描いていたが、『金魚屋古書店』以降は一般誌中心。『金魚屋古書店出納帳』にBLの香り沸き立つエピソードが存在する。
- 極楽院櫻子:前者。さくらあしか名義でBLを描いていた。現在は『セキレイ』。
- 草間さかえ:昨年秋に初の一般向単行本『さよならキャラバン』が出た。
- 水城せとな:後者。『放課後保健室』『黒薔薇アリス』『俎上の鯉は二度跳ねる』等。
【境界線上の雑誌のケース】
このケースでは、BLと一般で名前を使い分けている場合もある。
- 枢やな:『黒執事』(Gファンタジー)の作者。簗緒ろく名義でBLを描いていたことも。
- 宝井理人:「CRAFT」で『セブンデイズ』の連載、「シルフ」で『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち』の連載。
- わたなべあじあ:BL作品多数。「シルフ」で「ひめごとははなぞの」を連載。
- 御徒町鳩:「シルフ」で『腐女子っス!』連載。松本ミーコハウス名義でBL作品も描いている。
Glamourous lip (光彩コミックス Boys Lコミック)
- 作者: 簗緒ろく
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セブンデイズ―MONDAY→THURSDAY (ミリオンコミックス 42 CRAFT SERIES 22)
- 作者: 橘紅緒,宝井理人
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鳥篭荘の今日も眠たい住人たち 1 (シルフコミックス 9-1)
- 作者: 宝井理人,壁井ユカコ
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- 作者: 御徒町鳩
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テレビくんの気持ち (バーズコミックス ルチルコレクション)
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とりあえずこのあたりで。
まだ調べる必要がある項目が多数あります。