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時折マンガの話をします。

ナンバーテンな日常、大幅増量で復活。田丸浩史『ここ10年分のヒロシ』。

昨日、遂に発売となりました。
田丸浩史さんの『ここ10年分のヒロシ。』です。当初発売予定が8月9日あたりと発表されていて、炎天下のさなか近所の書店を巡り巡った末に発売日が変更されていることを知ったのですが、それもまた良き思い出と言えましょう。( ゚∀゚)


ここ10年分のヒロシ。 (ドラゴンコミックス)

ここ10年分のヒロシ。 (ドラゴンコミックス)


田丸浩史さんが「エースネクスト」「エース桃組」「少年エース」、並び「ドラゴンエイジ」や同人誌等で発表した絵日記マンガを集成したものです。作中の解説によると、「ネクスト」「桃組」に書いたものが商業誌版『最近のヒロシ。』、「エース」本誌に掲載されたものが同人誌版『最近のヒロシ。2』に収録されています。その2冊に「ドラゴンエイジ」掲載分を追加したものが『ここ10年分のヒロシ。』という訳です。


最近のヒロシ。 (角川コミックス・エース・エクストラ)

最近のヒロシ。 (角川コミックス・エース・エクストラ)

こちらが最初のバージョン。)


最初の商業誌版・同人誌版共に持っていますが、当然これも買ってしまいましたよ。(´ω`)
それにしても、実に色々な雑誌に描かれていたのですね。超人ロック』みたいですな。
掲載されていた幾つかの雑誌が休刊の憂き目に逢っているという点も共通していますが、まぁこれは偶然に過ぎないと信じたいところです。


超人ロック 完全版 (01) 炎の虎 (King Legend)

超人ロック 完全版 (01) 炎の虎 (King Legend)


さて上のような経緯で発売されたので、単行本が一挙に厚くなっています。



昨年末引っ越しをした関係で『最近のヒロシ。』並びに『2』がダンボールのどこかに入り込んでいて、捜すのが困難を極めたので、今日一緒に買ってきた全集版『ドラえもん』9巻と比較してみました。
ドラえもん』の分厚さにはただ圧倒されるばかりですね。ただそれと比べても、如何に『ここ10年分のヒロシ。』が厚くなっているかは判るのではないかと思います。*1


そして作品の内容は田丸先生の日常が絵日記として描かれる訳ですが、ダメダメの密度が尋常ではなく、それはもう素晴らしいものとなっています(改めて書くまでもないのですが、褒め言葉です)。既に読んだことがある箇所も少なからずありますが、フロオケが変色した際の話とか、さいとーさんにマンガのネタを提供する話とか、何度読んでも笑えますね。「なげきのフィッシュオン」はちょっと読んでみたいですな。


単行本初収録となる「ドラゴンエイジ版」のエピソードも、実にダメダメです。
ご本人もお気に入りという「加齢臭」の話とか、本当にひどい(褒め言葉)ですよ。
ネタが少なくて困るといった話が作中でも度々語られますが、ご本人のみならず、周囲の人たち誰もがネタを惹き付ける才能を持っているように見受けられます。



田丸浩史『ここ10年分のヒロシ。』227ページ。)


読みながら、思わずこのような感想が漏れること請け合いです。
因みに上のコマは、田丸先生の脳内ベトナム戦争映画に主演しているトム・ベレンジャー*2です。


他にもQ&Aや雑誌巻末に収録されたコメント一覧、倉田英之さんのエッセイ等も収録されています。
まだ読んだことがない方は勿論のこと、既にこれまでの版を持っている方にもお薦めの1冊です。

*1:最近のヒロシ。』と比べて約2倍になっています。

*2:映画『プラトーン』で冷酷な軍曹バーンズを演じアカデミー助演男優賞にノミネートされています。