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安藤なつみ『キッチンのお姫さま』1〜6巻

キッチンのお姫さま(1) (講談社コミックスなかよし)

キッチンのお姫さま(1) (講談社コミックスなかよし)


幼い頃にパティシエだった両親を事故で亡くし、施設に引き取られた風見七虹香(ナジカ)。
泣き暮らしていたナジカは、ある日足を滑らせて川に落ちてしまい、溺れる寸前のところを少年に助けられます。両親のところに行けたかもしれないのにと更に哀しむナジカに、少年は自分のプリンを差し出し、優しく言葉を掛けてあげます。そしてそれが、ナジカの生きる希望にもなります。


そしてスプーンに付いていたものと同じ紋章の学校・星花学園の存在を知り、そこへ入るために猛勉強をしたナジカ。何故か理事長の推薦もあり、何らかの才能を持つ学生が集まるA組に編入することになります。自らも何故A組に入ることになったのか判らないまま、ナジカの学生生活が始まります。


・・・まぁ言うまでもないことですが、両親がパティシエということからも判るとおり、料理に関する才能をナジカは持っています。彼女のつくるお菓子が、物語の中核となります。そして彼女の才能に理解を示す理事長の息子2人(兄は理事長代理を務め、弟のほうはナジカと同じクラス)とのやりとりや、「プリンの王子様」を巡る謎が交錯していくという訳です。


1つ前で軽く感想を書いた『夢色パティシエール』と共通する要素もありますが、安藤なつみさんの作品の特徴(と少なくとも自分が考えているところ)は、負の感情の表現の巧みさでしょうか。嫉妬とか悪意とか、人を嘲る描写とかですな。
これは次の作品『ARISA』においても追求されているように感じます。