- 作者: 石黒正数
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2010/11/13
- メディア: コミック
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『それでも町は廻っている』の、石黒正数さんの短編集です。
収録作品は『種』(投稿作品・恐らく2000年)、『ジャスティス・ジャスト』(2009年)、『夜は赤い目の世界』(2002年)、表題作でもある『ポジティブ先生』(2007年)、『ネジまで愛して』(2002年)、『デーモンナイツ』(2006年)、『怪奇!透明人間が来る』(2003年)の7作品。
表題作の『ポジティブ先生』がページ数・印象共に最も薄い*1というのも、何か石黒先生らしいなぁという気がしたりしなかったり。
全体的にSF(ハードなものではなく、「すこしふしぎ」に近い感覚かも)・特撮的な匂いが感じられます。これは『それ町』や他の短編を読んでいても感じることですが、そちら方面への関心・指向性を持っているということなのでしょう。
それでいながら、登場キャラクターにやけに生活感があるのも特徴と言えるのではないかと。それが実に良い味わいとなっています。
悪の組織のボス・参謀・将軍がとあるトラブルに巻き込まれて(?)しまう『デーモンナイツ』とかはその最たるものだと思います。ついでに書いておくと、ミルダ参謀が素敵な容姿です。
あと、『それ町』が好きなら、嵐山歩鳥が初登場した短編『夜は赤い目の世界』は押さえておくべきかも。
そして投稿作品の『種』ですが、巻末の自作品解説によると投稿した「コミックビーム」編集長O村氏に「大友克洋の短編みてぇだな!」と評されたとのこと。この指摘はさすがだな、としか。ベタやトーン・集中線等の使い方*2が実に良く似ているのです。是非実際に確かめてみてくださいな。