平野耕太『ドリフターズ』の、「化物」の文字を解読する
先日、待望の『ドリフターズ』3巻が発売されました。
- 作者: 平野耕太
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2013/03/18
- メディア: コミック
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「漂流者(ドリフターズ)」、或いは「廃棄物(エンズ)」として異世界に送り込まれた、歴史上の英傑たちによるオールスターバトル的国取り絵巻。それぞれのキャラクターが持つ特質と異世界の特質が混じり合い、異世界そのものの在り方が変容していくさまも実に見応えがありますね。
ところで、今から2年半以上前、1巻発売直後にこのような記事を書きました。
今回書くのは、その続きのようなものとなります。
上のリンク先記事は、異世界で話されている言葉の「文字」解読を試みたものですが、3巻77〜78ページの織田信長と安倍晴明とのやりとりで、その言語はエルフ語であることが判りました。
つまり、エルフ語以外の言語も存在する、と推論を立てることができます。
そして3巻で、(少なくとも自分が気付いたのは)1箇所だけ、違う言語が使われています。それがこちら。
島津豊久との一騎打ちの最中に井戸に落下し、敗北を喫したジャンヌ・ダルクを、「廃棄物」側に付いている「化物」が救出に来る場面です。コボルトかゴブリンですかね。
龍に乗っている化物が被っているヘルメットが(恐らく)第一次世界大戦あたりで使われたものだったり、直接救出に向かう化物が迷彩服を着ているのも注目です。
そして、龍に乗っている側が、張りつめた表情で何か喋っていますね。これが恐らく、コボルトかゴブリンの言語です。エルフの文字とはかなり趣が異なります。
しかしながらこれもよく見ると、エルフ文字と同様、日本語をアレンジした文字であることが判ります。
日本語の文字を四角く囲い込むように、線を加えているんですね。読みは以下のとおり。
気をつ
けろよ急げ
!!長くは
もたんぞ
他の種族とか出てきた際にも、また違った印象の文字が出てくるかもしれません。
3巻後半では、「廃棄物」側が化物共通の文化・文字を作ろうと試みていたりもします。『ドリフターズ』がファンタジーものとしても本格的な内容だと感じるのは、やはり言語・文化について丹念に描写されている故ですね。
といったところで、簡単ではありますが本日はこのあたりにて。