大友克洋作品が、予想以上に手に入れづらい
何日か前に、マンガ家・アニメ監督の大友克洋さんが紫綬褒章を受章したとのニュースがありました。
マンガ表現において「大友以前・以後」と言われるくらいの変化をもたらした方でありますから、受章は必然と言えるのかな、という感はあります。
『童夢』や『AKIRA』を初めて読んだとき、その圧倒的な画力・表現力に圧倒された記憶は今も記憶に新しい。
しかしながら、ここ最近書店めぐりをしていて、ふと思ったことがあります。
大友克洋作品、最近あまり売っていないのではないか?
自分の観測範囲が狭いのかもしれないとは考えつつも、ふと気になったので、amazon での在庫状況をちょっと調べてみました。
現時点(2013年11月)で、大友克洋さんのマンガ単行本は12冊あります。『ショート・ピース』の復刊も含めての数なので、実際には11作品ですか。これらの出版状況がどのような感じかと言いますと...
- 作者: 大友克洋
- 出版社/メーカー: 綺譚社
- 発売日: 1981/03/05
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
因みにこの作品を出版した綺譚社は、マンガ家の高野文子さんの旦那さんが発行人を務めていた出版社です。
さよならにっぽん (アクション・コミックス―大友克洋傑作集)
- 作者: 大友克洋
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1981/06/16
- メディア: コミック
- 購入: 3人 クリック: 42回
- この商品を含むブログ (33件) を見る
ハイウェイスター (アクション・コミックス―大友克洋傑作集)
- 作者: 大友克洋
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1981/07/18
- メディア: コミック
- 購入: 5人 クリック: 44回
- この商品を含むブログ (30件) を見る
- 作者: 大友克洋
- 出版社/メーカー: ソニー・マガジンズ
- 発売日: 1981/10
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
現在は入手困難。現物を見たこともないですね。(ノД`)
- 作者: 矢作俊彦,大友克洋
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1982/01/24
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (84件) を見る
初版発行から既に30年以上が経過している大ロングセラーです。
- 作者: 大友克洋
- 出版社/メーカー: 綺譚社
- 発売日: 1982/05/05
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
やはりユーズドでは高値に。
- 作者: 大友克洋
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1983/08/18
- メディア: コミック
- 購入: 25人 クリック: 280回
- この商品を含むブログ (151件) を見る
大きい書店ではまだ売っているところもあるように感じますが...。
因みに『童夢』には大型の限定版もあるのですが、こちらは当然のように絶版、プレミアが付いています。限定版の復刻しないかなぁ、とか漠然と思っていたのですが、それ以前の問題だった模様。
ショート・ピース (アクション・コミックス―大友克洋傑作集)
- 作者: 大友克洋
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1986/05/15
- メディア: 単行本
- クリック: 18回
- この商品を含むブログ (30件) を見る
- 作者: 大友克洋
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/09
- メディア: 大型本
- 購入: 2人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
彼女の想いで…大友克洋短編集(1) (KCデラックス ヤングマガジン)
- 作者: 大友克洋
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/04/19
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
因みにこの短編集に収録されていた『武器よさらば』が映画の『SHORT PEACE』の一篇としてアニメ化されていて、今年の年末に設定資料も含めて復刊する模様。
- 作者: 大友克洋,ヤングマガジン編集部
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/02/03
- メディア: コミック
- 購入: 4人 クリック: 52回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
以上11作品の現況です。
一般書店等で比較的容易に手に入るのは、『気分はもう戦争』『ショート・ピース』『AKIRA』『SOS大東京探検隊』の4作品。*1
『童夢』の入手が難しくなってきている(と思われる)のは残念極まりない。それ以外の状況も、決して芳しいとは言えない状況ではないか。
紫綬褒章受章を機に、復刊とか重版とかしてくれないかなと考える次第です。
可能であれば、実は多数ある未収録短編も収録した全集を、精緻な筆蹟を存分に堪能できる大判サイズで刊行して欲しいところではありますね。
といったところで、本日はこのあたりにて。
*1:皮膚感覚としては、『SOS大東京探検隊』を除いた3作品。