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『それでも町は廻っている』時系列まとめ・第3版

昨日、石黒正数さんの『それでも町は廻っている』の新刊12巻が発売されました。



カフェ「シーサイド」でメイドのアルバイトをしている女子高生・歩鳥を中心として描かれる丸子町の日常を描くこの作品。この巻ではSFやミステリーのテイストを含めた物語も描かれ、石黒節全開といった趣があります。
さて、既に知っている方も多いかと思いますが、『それでも町は廻っている』はそれぞれの作品がバラバラの時系列で描かれています。
それについてはこれまでに2回ほど書いているのですが、新刊が出たので、第3版を作成してみようかと思います。


1〜8巻までの時系列の論拠は1つ目のリンク先を、9〜11巻までの論拠は2つ目のリンク先をご参照ください。
あくまで確定事項ではないので、その辺はご容赦を。
内容に触れますので、以下の文章は収納しておきます。




【回想】


第26話(3巻):「少女探偵誕生」
第72話(9巻):「噓つきリッちゃんの亡霊」(回想パート)



【高校1年:春】

第90話(12巻):「消された事件」

  • 紛失したトランクはどこにあるのか、松田巡査と歩鳥が探すエピソード。
  • 回想シーンは歩鳥の高校入学式の日で、4月8日。またその日に、シーサイドでのメイド姿でのバイトを始めることが決定しています。
  • 本編はその2週間後なので、4月22日頃。
  • また、その時点ではタッツンがシーサイドで働いていません。この点から、第1話「至福の店 ビフォア」は22日より後の可能性が高いです。


第1話(1巻):「至福の店 ビフォア」
第2話(1巻):「至福の店 アフター」
第36話(5巻):「卒業式」
第3話(1巻):「セクハラ裁判」
第83話(11巻):「闇に棲む声」



【高校1年:夏】


第4話(1巻):「目」
第5話(1巻):「愛の逃避行」
第6話(1巻):「辰野トシ子は砕けない」
第66話(9巻):「嵐山忍法帳」
第51話(7巻):「ホワイトデビル」
第7話(1巻):「宇宙冒険ロマン」
第86話(11巻):「非行少年飛行少女群像劇」
第97話(12巻):「二少女漂流記」

  • 「シーサイド」の婆ちゃんが、歩鳥とタッツン、店の常連と連れ立って海に行くエピソード。
  • 婆ちゃんの「それにあの子達 折角 夏休みなんだからさ」という台詞*1から、夏休みであることが判ります。且つ歩鳥がタッツンを「辰野さん」と呼んでいることから、高校1年の夏休みであることが判ります。「タッツン」が定着したのは第8話、高校1年の秋になります。
  • 婆ちゃんがデジカメの写真(歩鳥とタッツン)を見ているコマがあります。その映像には「20××- 8- 8- 1:42PM」という記載が。つまりこのエピソードは8月8日になります。

【高校1年:秋】


第8話(1巻):「看板娘が大人気」
第68話(9巻):「嵐山ジョセフィーヌ様」
第22話(3巻):「ワン・オア・エイト」
第12話(2巻):「乙女の誘いは奈落の罠!?」



【高校1年:冬】


第9話(1巻):「恋の方程式」
第47話(6巻):「ヒーローショー」
第10話(1巻):「カマボコ ボヨン ボヨン」
第91話(12巻):「まぬけな大晦日の過ごし方」

  • 大晦日、ならびに真田と一緒に初詣に行くエピソード。
  • 大晦日であることは明白。そして年をまたぐ前に寝入ってしまった歩鳥の妹・ユキコを寝床に引っぱりながら「小一に年またぎは早すぎたんだ...」と歩鳥がつぶやくコマがあることから、*2歩鳥高校一年の大晦日であることが判ります。
  • 甘酒に酔ってしまった歩鳥の謝罪*3の幾つかは、恐らく今後描かれるエピソードの布石と思われます。


第66話(9巻):「燃えよ歩鳥」
第11話(1巻):「猫少年」
第38話(5巻):「俺たちは機械じゃねぇ!」(回想パート)
第17話(2巻):「出張メイドサービス」



【高校2年:春】


第13・14話(2巻):「それでも町は廻っている
第15話(2巻):「パジャマの天使」
第71話(9巻):「歩く鳥」
第37話(5巻):「蘇る脳細胞」
第64話(8巻):「サインはB!」
第16話(2巻):「ナイトウォーカー」
第60話(8巻):「歩鳥と謎の王国」
第32話(4巻):「激突!妖精VS死神」
第82話(11巻):「最後の謎」
第69話(9巻):「流血のプロセス」
第38話(5巻):「俺たちは機械じゃねぇ!」
第30話(4巻):「メイド探偵大活躍」


【高校2年:夏】


第18話(2巻):「穴」
第84話(11巻):「夕闇の町」(冒頭パート)
第96話(12巻):「幽霊絵画」(回想パート)

  • 強引に絵画のモデルをさせられる歩鳥。
  • 数学の補習を受けています。第85話「紺先輩は謎だ!」で、夏休み最初の2日間は補習を受けていることが描かれており、且つ森秋先生が「明日おさらいするからな!」と言っていることから、*4夏休み初日であることが判ります。
  • 「台風が近付いてんだよ...!」という歩鳥の台詞*5は、今後描かれるエピソードの布石かも。一瞬第41話「大嵐の夜に」と同じ日なのかとも思いましたが、その回は既に2学期が始まっている筈。


第85話(11巻):「紺先輩は謎だ!」
第29話(4巻):「嵐山財宝調査隊」
第19話(2巻):「ジョセフィーヌの夏」
第40話(5巻):「嵐山家火事になる」
第39話(5巻):「夢現小説」
第74話(10巻):「アネの日記」
第50話(6巻):「まぼろしの少年」
第63話(8巻):「KAPPA QUEST」
第84話(11巻):「夕闇の町」
第62話(8巻):「踊る大捜査網」
第75話(10巻):「フタバ・デッドエンド」
第41話(5巻):「大嵐の夜に」
第49話(6巻):「紺先輩の静かな怒り」
第88話(11巻):「ミラクルスーパーラッキー指輪」



【高校2年:秋】


第20話(3巻):「パンドラの箱
第96話(12巻):「幽霊絵画」

  • 歩鳥をモデルにした絵画を観に行くも、それらしい作品は見つからず...。
  • 回想シーンで、「これ完成したら9月の『東京都現代絵画展』に」という台詞があることから、9月であるのは確実。
  • 比較的薄着(半袖)だったりすることから、9月の早い段階ではないかと予想。


第42話(5巻):「学校迷宮案内」
第87話(11巻):「陰謀は霧の中」
第31話(4巻):「1ぱいのミシンそば」
第52話(7巻):「秋まつり」
第77話(10巻):「巣」
第21話(3巻):「迷路楽団」
第53話(7巻):「コンタクト」
第27話(3巻):「ワン・オア・エイト・アゲイン」
第28話(3巻):「ツッコミじいさん」
第55話(7巻):「時は待ってくれない」
第43話(6巻):「フリーマーケットで歩鳥とキス」
第46話(6巻):「タイムカプセル」
第70話(9巻):「大人買い計画」



【高校2年:冬】


第33話(4巻):「実に微妙なカード」
第89話(11巻):「現代版まだらの紐」
第54話(7巻):「ガッカリなカード」
第24話(3巻):「Detective Girls」
第25話(3巻):「呪のルーレット」
第78話(10巻):「Detective Girls 2」
第94話(12巻):「A・KO・GA・REロンギング」

  • ミュージシャンの理想と現実。
  • 紺先輩がクラスメートと一緒にカラオケに行っているのですが、クラスメートが別れ際に「そいじゃー受験がんばろうねー」と言っています。*6かなり受験が近くなっていることが窺えます。且つ学校には行っているので、可能性としては12月、2学期終了直前か1月中旬、3学期始まって間もない頃。
  • しかし後者だとほぼ入試の時期と被り、カラオケに行くのは若干不自然かなと考え、前者と予想。


第23話(3巻):「まもれ サンタの夢」
第34話(4巻):「まぬけな正月の過ごし方」
第80話(10巻):「謎の円盤」
第57話(7巻):「それ町サスペンス劇場2」
第45話(6巻):「逢えない二人」
第79話(10巻):「歩鳥の戦争」
第92話(12巻):「ナイトストーカー」

  • タッツンの弟の、シスコン&ストーカー疑惑。
  • 歩鳥の「こないだの冬休みには引き蘢もってたかと思ったら」という台詞*7から、第79話「歩鳥の戦争」よりは後の話であることが判ります。
  • 且つ、髪が伸びています。第44話「ざっくばらん」で髪が短くなりますので、第44話の時期「二年生の三学期の二月末あたり」よりは前であることが判ります。
  • 第35話・58話・56話とは時期が前後する可能性あり。


第35話(5巻):「下町雪訪い小話」
第58話(7巻):「血のバレンタイン
第56話(7巻):「テリトリー」
第44話(6巻):「ざっくばらん」
第67話(9巻):「答砲悋気」
第93話(12巻):「歩鳥はコタツで推理する」

  • 雪山のロッジで起こった神隠し事件の真相を、歩鳥が推理するエピソード。
  • 歩鳥の髪が短くなっていることから、第44話「ざっくばらん」の後、且つ表題作どおりコタツに入っているので、2月末〜3月初頭の出来事と推測。
  • 第67話「答砲悋気」の前という可能性も。


第59話(8巻):「笑ってごらん」


【高校3年:春】


第61話(8巻):「大怪獣 尾谷校に現わる」
第81話(10巻):「歩鳥ファーストキス」
第48話(6巻):「歩鳥初体験」
第72話(9巻):「噓つきリッちゃんの亡霊」



【高校3年:夏】

第95話(12巻):「ユキコの剣」

  • ユキコが入門した剣道場の練習試合。
  • 歩鳥の髪が幾分長くなってきている点、且つ登場キャラクターが半袖の服で、軒並み薄着になっていることから、初夏のエピソードであろうと推察。6月下旬〜7月上旬?
  • 因みにユキコは自宅で空き瓶を振っていますが、これは恐らく村上もとかさんの『六三四の剣』へのオマージュ。


第98話(12巻):「エピローグ」

  • あれから10年が過ぎ...?
  • 歩鳥の髪型から高校3年、夏服である点から6〜8月。狐の嫁入り(天気雨)の描写から、梅雨の時期は過ぎていると思われます。1学期の終わり頃か、2学期の始めか。
  • 与えられた「課題」が夏休みのものなのか、そうではないものかで変わってくるかな、と。前者である場合は第73話「森秋 夜空に散る」の後になります。


第73話(9巻):「森秋 夜空に散る」



【高校3年:秋】

第76話(10巻):「嵐山家 家事担う」
第65話(8巻):「さよなら麺類」



【高校3年:冬】


単行本11巻の時点では、この時期の作品はなし。


と、こんな感じでしょうか。
今後も修正等は出てくるかと思いますので、その都度対応していく予定です。
といったところで、本日はこのあたりにて。

*1:同書162ページ。

*2:石黒正数それでも町は廻っている』12巻30ページ。

*3:同書39〜41ページ。

*4:同書140ページ。

*5:同書145ページ。

*6:同書96ページ。

*7:同書57ページ。