『う』完結記念という名目で、うなぎを食いに行ってきた
ラズウェル細木さんの『う』完結巻が先日発売されました。
- 作者: ラズウェル細木
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/12/21
- メディア: コミック
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日本全国津々浦々、時には海外にも飛び出して、只ひたすらにうなぎを味わう。
様々な蘊蓄も織り交ぜつつ、うなぎだけで2年間にわたり連載を続けたことには脱帽する他ありません。
そして、ほんとうにうなぎが美味そうなのですな、この作品。
うなぎを食べたくて堪らなくなる。
基本的に貧乏人なのでそうそう食す機会はない訳ですが、幸い賞与も入る時期、いつもより多少は懐に余裕がある。そしてこの時期のうなぎのほうが、脂がのって旨い筈。更には『う』完結記念という意味もある。という訳で、奮発して鰻屋に行こうと思い立った次第です(まぁ実際は、しばらく前から漠然と計画はしていたのですが)。
ただ、鰻屋にいきなり一人で行くのは少々敷居が高い。誰か一緒に行ってくれないかなと思い twitter で緩く募集していたのですが、平日という時間帯と人望の無さ故か、なかなか集まらない。(´ω`;)
そんな折、上京している無駄話管理人のトルドさんが名乗りを上げてくれたので、一緒にうなぎを食いに行ってきました。
行ったのはこちらです。
- ジャンル:うなぎ
- 住所: 荒川区南千住5-33-1
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- (写真提供:ミスターXXX)
南千住にある鰻屋「尾花」。
かなり値は張るのですが、たいへん名店との噂。自分もいい年になりつつあるので、こういう店も知っておきたいと考えていて、一度行ってみたかったのですな。
開店時間は11時半なのですが、とりあえず11時頃に店の前へ。
さすがにシャッターがしまっていたのですが、既に店の近くに来た時点でうなぎのタレの香ばしい匂いが漂ってくる。
「おお、良いですねぇ」とかトルドさんと話しつつ、一旦開店時間まで時間潰し。そして開店時間を少し過ぎたあたりに再び「尾花」へ向かいます。
入口には大きな暖簾。横には順番待ちでも使われる長椅子が。
時期的なものと、早い時間帯に来たこともあってか、並ぶことなく入れました。*1
そして暖簾をくぐり、入店。
全ての席が座敷となっていて、仕切りもない大広間。開放的な気分で存分に舌鼓を打つ、そんな空間となっています。開店から20分くらいで店に入ったのですが、既に半分くらいの席は他のお客様で埋まっているという状態でした。名店故といったところでしょうか。
そして席に案内されて、すかさず注文が来ます。
お品書き。裏面には飲み物の記載あり。
やはり今年の漁獲量落ち込みが響いているようで、以前読んだ「尾花」のレポ記事に比べても値上がりしている模様です。
因みにその記事はこちら。1年半ほど前のものになりますね。
トルドさんと共に、白焼き・肝吸い・うな重を注文。
日本酒とかも頼もうかと思いましたが、夜に用事もあるので今回は見送り。注文後に焼きに入るので、しばらくの間はマンガの話とかを中心に徒然と雑談をしていました。
「この『筏』って凄い値段ですけど、何ですかね?」
「確か、うなぎを並べて出すやつですね。『う』の最終巻に出てきましたよ」
等々。
そして待つこと約30分、遂に運ばれて参りました。
まずは白焼きから。お新香もセットで。
置かれた瞬間に、食欲を誘う脂の香りが鼻口を刺激する。
手前のタレを軽く付けて味わいます。肉厚ながら、箸でスッと身が通る柔らかさ。
そして口の中に入れると、うなぎの濃厚な味わいが満ちると共に、身がほどけていく。何たる柔らかさ!
自分もトルドさんも、「旨っ」と一言呟いた後に笑いがこぼれてしまいました。
そしてしばらく黙々と食べていたのですが、トルドさんがこんなことを。
「わさび、そのまま食べてみてください」
白焼きに付いてくるわさびですね。
はて?と思いつつも、そのままわさびだけを口に含んだ瞬間の衝撃たるや。
鼻の奥を抜ける痛みがない!
それどころか、むしろ甘みすら感じる!
『将太の寿司』でもやっていたけど、摺ったばかりの本当のわさびはこうなんですよ、とのトルドさんの説明。良い蕎麦屋でも出ることがあるとの話。
わさびの概念を覆す味でした(普段の食生活の貧しさが垣間見えるとも言えますな)。
肝吸い。肝の他には肉厚の椎茸(この時期だと、どんこ茸かも)と三ツ葉。肝の歯ごたえがまた素敵。
そしてうな重!
甘過ぎず、且つ絶妙にご飯に染み込んだタレと、うなぎの蒲焼きが奏でるハーモニーはお見事と言う他ありませぬ。
噛む度に表情が緩まざるを得ない。一口一口をじっくりと味わう。
自分はどちらかというと大食いなほうなので、ほんらいこの量だと「まだ食い足りない」と感じてしまう筈ですが、この満腹感は只事ではない。
「ほんとうに、良いものを食べた」という満足感も加わってのものかもしれませんな。また来たい!と強く思わせる味でありました。
次に来る時は、もう何人かと一緒に来て、酒も入れつつ堪能したいところです。
といったところで、本日はこのあたりにて。
*1:この写真を撮ったのは食事を終えた後。写真に写っているご年配の方々も食事後だったと思われます。因みにこちらの方々に記念撮影を頼まれ、トルドさんが撮影していました。