マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

身元不詳の男性が、スクール水着を着用したまま彼岸に向かうということ:同人誌『知られざる行旅死亡人の世界』

 本籍・住所・氏名不詳、年齢30〜40歳位、男性、身長157cm位、小太り、着衣黒色女性用ワンピース、緑色女性用スクール水着茶色のタイツ、遺留金品、金色ネックレス、金色ブレスレット

 上記の者は、平成18年7月23日、大阪市西淀川区••••••○○株式会社○○製作所南側新淀川右岸河川敷にて発見されました。死亡は平成18年7月20日頃、場所不明。死因は溺死。遺体は検視のうえ北斎場にて火葬に付しました。心当たりの方は当区保健福祉センター支援運営課まで申し出てください。

平成18年9月4日

大阪市 西淀川区長 澤田 宣範
(官報号外第201号)

 (コウリョカイ『知られざる行旅死亡人の世界 総集編1』第3版6ページより転載。強調箇所も同書に準拠)

 

この男性は、最期に何を思ったのだろうか。

スクール水着を着て、タイツを履き、恐らくはその上からワンピースを纏い、ネックレスとブレスレットで身を飾り付け、川に身を沈めたときに。

 

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脳殺♡漫画ローレンスナイト 簡易レポ

8月17日に阿佐ヶ谷LOFTで開催された「脳殺♡漫画ローレンスナイト」に行ってきました。

 

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劇画狼さん(@gekigavvolf)がご自身のブログ「なめくじ長屋奇考録」で恐らく最も多く取り上げているのが「漫画ローレンス」で、その編集長とトークイベントをするというのであれば、期待せざるを得ない訳で。

幸いにも休みだったので、いちファンとして向かったという次第です。

 

 

せっかくなので、レポっぽいものを書いてみようと思います。

殴り書きに近いメモを元にしているため、基本的には箇条書きに近くなっています。また、細部の違いとかがあるかもしれませんがご容赦戴ければと。

 

 

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『天気の子』並びに新海誠監督作品に関しての覚書

新海誠監督の最新作『天気の子』、個人的な印象では、控えめに言って最高でした。

 

鑑賞後、思わず舞台探訪みたいなこともしてしまいました。

 

https://www.instagram.com/p/B0Qp7NuA0Xe/

『天気の子』舞台探訪①:田端駅南口の坂。陽菜の代わりに工事のおっちゃんがいた

 

https://www.instagram.com/p/B0Qquv6AHUA/

『天気の子』舞台探訪②:例の鳥居があった代々木会館。間もなく取り壊しになるとのこと

 

1度目を観た時点での感覚としては、「嘗て『セカイ系』と呼ばれていたものを、15年以上磨き抜き研ぎ澄ませた結果、それを超える何か別のものになっていた」というものですが、正直なところ巧く言語化できていない状態です。

なので、思考を整理するために、『天気の子』とその他新海誠監督作品に関して、思いつくままに書き連ねていきます。

 

 

半ば自分用メモなので断片的な内容になりますが、ある程度内容には触れるので未見の方はご注意ください。

 

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部屋の改造計画②

先週から今週にかけて、3連休が立て続けに発生しました。٩( 'ω' )و 

今の仕事に就いて10年以上になりますが、連続して、というのは初めてです。

 

この休みは、有意義なものにしなければならない...!ということで、久方振りに部屋の大掃除、ならびに改造を進めてみました。

1年少々前に部屋の改造を始めるよ、たまには進捗の報告するよ、といった内容の記事も上げていますので、丁度良い頃合いかと。ここ1年くらいでどう変化したのか、その記録を残しておきます。

 

 

1年前から変わらず、部屋のスペースを拡げる・デッドスペースを減らすのが至上命題となっている訳ですが、そう考えた場合、非常に無駄なスペースを取っていたのが居間の収納でした。適当に物を突っ込んで、半ば開かずの間になっている状態です。

 

大量の綿埃と格闘しつつ、収納に入っていた諸々を引っ張り出し、残すもの・処分するものに分別。「何かで使えるかも...」と取っていた紙袋とか、数年間埃を被っていた(壊れている)バッグとか、いろいろまとめた結果、45ℓのゴミ袋3つと紙束2つ、雑誌類1束にダンボール1束程を処分へ。

残すものも、ある程度分類して箱詰めしました。箱に関しては、同じサイズで統一したほうが積み重ねが容易で、且つ無駄なスペースが発生しないので、ゆうパックの箱(大)で揃えています。

 

 

加えて、収納の空いたスペースに、マンガ部屋に置いていたPCを。これも後日、回収してもらうことで空間を確保する予定です。

といった具合に格闘した結果、居間はこんな感じになりました。

 

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昨年に比べて、書籍の数は多少は増えた感じでしょうか。なるべく kindle で買うようにしているので、その効果が出てきている...と信じたいところです。(´ω`)

2枚目の画像、『WHITE ALBUM 2』のかずさタペストリーの後ろが、先程言及した収納になります。拙者白ワンピ大好き侍故、飾っているタペストリーがその系統に偏るのは止むを得ないところ ٩( 'ω' )و 

 

 

先程少し触れましたが、マンガ部屋に置いていたPCを収納に移動したことで、そちらの部屋も少々広くなりました。

 

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こんな感じです。

因みに昨年末、思ったより賞与が多めに入ったのもあり、居間と同じタイプの、本棚屋さんのオーダーメイド型本棚を2台増設しています。「水木しげる漫画大全集」と「藤子・F・不二雄大全集」をすべて棚に入れることができました。٩( 'ω' )و 

このタイプの本棚は今後も数台増設・入れ替え予定です。その前準備みたいな理由で、画像1枚目の奥に写っている本棚のマンガは、ほぼすべて平積み状態になっています。

見ての通り、どこに何があるのか非常に判りづらいので、早いところどうにかしたいですね。

 

画像2枚目は文庫棚ですが、ここもいろいろ検討中。問題は棚の手前にあるアリさんマークの引越社ダンボールと紙袋なのですが、これ、全部本の帯と折り込みチラシなのですよね。これもどうしたものか... (´ω`;)

 

画像3枚目、窓ガラス手前に物がなくなったのが数年ぶりだったので思わず撮影してしまいました。しかしながら、奥の押入れはそれなりに魔窟状態なので、まだまだ先は長いですね。

 

オレはようやく片付け始めたばかりだからな

このはてしなく重なるマンガ山をよ... ٩( 'ω' )و 

 

と、昨年と同じ感想を抱いたということで、本日はこのあたりにて。

 

 

因みにこの連続しての3連休、部屋の片付け以外だと、

 

https://www.instagram.com/p/B0QAPq-A3cZ/

おっさん一人でりぼん展行ってきた。来ている皆さん(大半が元りぼんっ子と思われる)の熱量が高い

 

https://www.instagram.com/p/B0VJF_-AQej/

ポーの一族展行ってきた

 

https://www.instagram.com/p/B0fDvBWgLaq/

小畑健展リベンジ

 

https://www.instagram.com/p/B0h706BAvM7/

高畑勲展行ってきた

 

展覧会とか行きまくっていました。充実の連休というやつです。

遂に揃った!

やりましたよ...!

 

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\\٩( 'ω' )و //

 

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・:*+.\( °ω° ))/.:+

 

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*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

 

内田善美さんの単行本を!

りぼんマスコットコミックス『星くず色の船』『秋のおわりのピアニシモ』を!

ぶ〜けコミックス『ひぐらしの森』『空の色ににている』『かすみ草にゆれる汽車』を!

ハードカバー単行本『草迷宮・草空間』を!

 

遂に手に入れた...!

最高傑作との呼び声も高い『星の時計のLiddell』は、何年か前に手に入れている...!

 

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これで...!

内田善美さんのマンガ単行本、コンプリート...!。゚(゚´Д`゚)゚。

いちマンガ好きとして、やはり感慨深いものがあります。

じっくりと、時間を掛けて読んでいきますよ...!

 

 

とは言え、これですべてという訳ではありません。

先程「マンガ単行本」と書いたのは理由がありまして、内田善美さんはイラスト集・画文集を上梓されています。『聖パンプキンの呪文』『白雪姫幻想』『少年たちの記憶』『ソムニウム夜間飛行記』の4冊。

 

何れも入手難度は高く、とりわけ『ソムニウム夜間飛行記』が高い壁になっている印象があります。自分も先月、まんだらけで初めて現物を目にしたくらいです。*1

 

他にも、単行本未収録の作品も何作かあるようですし、道はまだ長いですね。

といったところで、喜びの報告はこのあたりにて。

 

*1:今日行ったら既に売れていました。その時は若干懐事情が寂しく見送ったのですが、多少無理をしてでも手に入れておくべきだったかと今更ながらに感じています。

「季刊エス」66号収録「いのまたむつみインタビュー&表紙メイキング」で語られた富野由悠季監督が、紛う方なき富野由悠季監督だった

先日、「季刊エス」66号(2019年夏号)が発売されました。

 

季刊S(エス) 2019年 07 月号 [雑誌]

季刊S(エス) 2019年 07 月号 [雑誌]

 

 

「ストーリー&キャラクター表現の総合誌」を謳っている雑誌で、毎号何らかのテーマに沿って、マンガ家・イラストレーター・アニメーター・カメラマン等、様々なクリエイターの方々へのインタビュー記事が収録されている他、メイキングや技法解説・作画工程解説等の記事も掲載されています。投稿ページもありますね。

 

季刊エス」のインタビュー記事、インタビュアーがインタビューイ(取材を受ける側)の作品を相当に読み込んでいるのが特徴でして、かなり濃い・深い内容になっていて非常に読み応えがあります。それもあって個人的に非常に好きな雑誌でして、創刊号から全部持っている数少ない雑誌だったりします。

 

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季刊エス」バックナンバー。47号から判型変更、50号以降から発行元が変わっています。

 

 で、66号のテーマは「ファンタジー 夢と真実」というものでして、それに基づいた記事等で構成されています。そしていちばん紙幅を割いているのが、今年画業40周年を迎える、いのまたむつみさんへのインタビューとなる訳です。いのまたむつみさんがキャラクターデザイン・作画監督を務めたOVAで、(日本における)元祖ビキニアーマーとも評されるファンタジー幻夢戦記レダ』の Blu-ray BOX 発売にも合わせた特集ですね。

 

 

インタビューにおいても、『レダ』に関してはもちろん、アニメーターの初期の頃からイラスト・挿絵の仕事、それらの仕事における描き方について、そして『テイルズ』シリーズや乙女ゲーム『二世の契り』等について...と、縦横無尽に語られています。

 

それらの中でも、とりわけ個人的に印象的だったエピソードが2つありまして。

1つ目は伝奇ファンタジー小説宇宙皇子』のイラストを担当されていた際、マイケル・ジャクソンが来日公演をしたときに本屋を借り切って買い物をしていたら、いのまたさんの画集を気に入り「描いた人に会いたい」というので呼び出された、というものです。何から何まで規格外過ぎてコメントも難しいです。(^ω^;)

マイケル・ジャクソン本人の絵を描いて、自宅で仕上げた絵は後日(検疫で留め置かれていた)チンパンジーのバブルス君を一緒の飛行機で送られたとか。

これは当時「Newtype」でも記事になったとのことなので、知っている方は知っている、有名な話なのかもしれないですね。

 

 

そしてもうひとつが、『ブレンパワード』関連になります。

題名にも書いたのでお判りかと思いますが、富野由悠季監督絡みです。当該部分を抜粋してみます。

 

ー 『ブレンパワード』でメインデザインを担当されたとき、富野由悠季監督とのやりとりで印象的なことがあると聞きました。

いのまた 目の話ですよね。最初に呼ばれて行って、「僕は君の絵が嫌いなんだよ」と言われたんです(笑)。「じゃあ、なんでキャラを頼むんですか?」と言ったら、「出渕君がね、君に頼まなきゃダメだと言うんだよ」と。「なにが嫌ですか?」と聞いたら、「目が大きいでしょう?」と。それで「いや、他の人に比べたら相当小さいですよ、ほら!」と、当時は萌えキャラが流行っていたので、大きなキラキラ瞳のキャラも多くてそういうのを見てもらったんです。その後で二時間くらい話をして、何だかやることになりました(笑)。

 

(「季刊エス」66号 2019年夏号17ページ。)

 

(^ω^ )

自分はそこまで富野信者というのではなく、むしろニワカも甚だしいレベルかと思ったりもするのですが、それでもこう、富野由悠季監督だよなと思う次第です。

いきなり「僕は君の絵が嫌いなんだよ」と全力で斬り付けてくる感じも、出渕裕さんに言われたから頼むんだと説明するお茶目な様子も、「目が大きいでしょう?」というフワッとしつつも有無を言わせない感じも、その後いのまたさんが反論しつつ二時間話をしたら結局一緒に仕事をすることになるあたりも、全部良いです。

 

 

これだけでも充分価値があるかな、手許に持っておきたいなと思わせる内容です。

それ以外にも、現在『天国大魔境』絶賛連載中、石黒正数さんのインタビューも収録されているのですが、これ実は創作の根幹に関わる話じゃないか?というエピソードが饒舌に語られたりしています。ファン必読と言って差し支えないかと思います。

 

あと、投稿コーナーに三峯徹先生の作品が掲載されています。(^ω^ )

(確認した限りでは、53号以降毎回掲載されています。)

付け加えると、三峯先生同様に投稿の常連である、現在67歳らしい女性の存在も気になりますし、66号ではその女性の年齢よりも更に上、69歳男性の投稿、というのも存在します。

 

 

買って損はしないと思います。読もう「季刊エス」!

といったところで、本日はこのあたりにて。

 

ブレンパワード・スパイラルブック (Gakken mook)

ブレンパワード・スパイラルブック (Gakken mook)

 

『全身編集者』

すごい本だな、というのが率直な感想です。 

 

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白取千夏雄『全身編集者』。

嘗て「ガロ」の副編集長を務められた、白取千夏雄さん(2017逝去)の自伝です。

 

自分にとっての「ガロ」は、水木しげるセンセイが『鬼太郎夜話』のリメイク版や各種時代物を執筆したり、白土三平さんが『カムイ伝』を描いたり、あとはもちろん、つげ義春さんが数々の名作を発表された雑誌、というものです。1960〜70年代のイメージですね。

それとは別に、あくまで個人的なイメージとしては、1990年前後のサブカル的な雰囲気を牽引していた、という印象があります。それに該当する作家のお名前を挙げるならば、根本敬ねこぢる山田花子(敬称略)といった方々でしょうか。

 

白取千夏雄さんが「ガロ」に携わっていた時期は、後者にあたります。1984〜1997年。

根本敬さんの担当編集を長く務められたのも、ねこぢるさんを(恐らく)最初に見出したのも、そして『全身編集者』の表紙イラストを描いた古屋兎丸さんの初代担当となったのも白取千夏雄さんです。

そして、1997年に起こった「ガロ」の分裂騒動、主だった「ガロ」の編集者が青林堂を一斉退社し、青林工藝舎を設立した一連の動きを、内側から見続けた方でもあります。

 

 

そんな方の自伝が、凡百の内容である筈がない。「白取千夏雄さんの自伝を出す」という話を初めて聞いた際、そんな確信を抱いた記憶があります。

『全身編集者』の編集人であり、この本を出版した独立出版レーベル「おおかみ書房」代表でもある劇画狼(@gekigavvolf)さんとは、幸いにもかなり以前から懇意にさせて戴いており、トークイベントで上京された際に、チラリとお伺いすることができたのです。恐らく、2015年11月か2016年2月。

 

白取千夏雄さんは壮絶な闘病の末に、2017年に彼岸へと旅立たれた訳ですが、それから2年の時間をかけ、遂に完成したのが『全身編集者』という本になります。

些か前置きが長くなりましたが、この本の感想みたいなものを、書いてみようかと思います。

 

 

 

まず、『全身編集者』の目次を書き出してみます。

 

第1章 「ガロ」との出会い

第2章 「ガロ」編集長

第3章 「ガロ」編集部へ

第4章 「ガロ」編集道

第5章 「ガロ」とバブル

第6章 「ガロ」長井会長・山中社長体制へ

第7章 「デジタルガロ」の真実

第8章 「ガロ」休刊の裏で

第9章 「ガロ」社員一斉退職後の苦難

第10章 白血病と余命宣告

第11章 やまだ紫との別れ

第12章 命が消える前に

第13章 「ガロ」編集魂

最終章 全身編集者

あとがき 山中潤

 

単純に分けると、青林堂所属時代が綴られる前半と・それ以降の後半という分類が可能かと思いますが、個人的な感覚からすると、幾つかの視点が織り込まれつつ自らの人生が綴られていると感じます。

 

 ①白取千夏雄さん個人の視点(1〜2・6〜10章)

 ②編集者としての、白取千夏雄さんの視点(3〜5・12〜13章)

 ③やまだ紫さんの夫としての、白取千夏雄さんの視点(11〜12章)

 

あくまで大まかな印象・傾向ですが。

 

北海道の函館で生まれ、マンガに熱中しつつ模写を始め、画力も上達しマンガ家を目材て上京。「ガロ」編集長・長井勝一氏が講師を務める専門学校に入学するも、自らのマンガ家としての才能に限界を感じ、そんな折長井氏から「ガロ」のアルバイトの誘いを受け、そのまま社員にというのがだいたい2章まで。

 

3章からは「ガロ」に携わるようになってからの日々が綴られる訳ですが、編集の仕事と並行して営業業務も行っていたことや、台割・色指定といった諸々の仕事が詳細に語られる。現在はPCでの作業も増えて様変わりしている箇所も多いのかと思いますが、この時代の仕事の仕方についての記録になっていると思いますし、何よりも、その当時の空気感が伝わってくるのですよね。

それと併せて、主に3〜5章では、白取千夏雄さんの編集論・編集道とでもいうものが随所で語られる。強引に要約してしまうと、「作家への尊敬・敬意」「自らの感性を磨きつつ、作家の感性を理詰めで他者に伝える」といったものでしょうか。

 

 

その編集道が繰り返し語られたあとの6〜9章で、「ガロ」分裂騒動に至るまでの経緯が語られる訳です。

 

インターネットの時代がくる・その時代における最先端の表現の場を「ガロ」が用意すべきだ、という意見が顧みられない(≒感性を磨いていない)。

やまだ紫さん特集号への協力もない(≒作家への尊敬・敬意に欠ける)。

 

様々な要因から、白取千夏雄さんと、手塚能理子さん(一斉退職組の代表で、現・青林工藝舎代表)を始めとする一斉退社組との間に齟齬・軋轢みたいなものが生じていったのであろう。

白取さんの編集道と相入れなくなり、その他にもいろいろな要素が積もり重なったことで、「クーデター」までなだれ込んだのだろう。

そう感じさせる構成になっています。予め、「編集道」を繰り返し書くことで、それが浮き彫りになってくると言いますか。詳細は、実際に読んで戴きたいところですね。

 

 

10・11章は、白取千夏雄さんのブログからの抜粋がメインとなります。

 

shiratorichikao.blog.fc2.com

 

10章は白血病を宣告されてからの1年(2005〜2006年)と、宣告から1000日ほど経過した2008年の記事からの抜粋。自らの身体や心境について、詳細かつ鋭利な記載が続き、編集者としての視線みたいなものも伺える。

そして11章、「ガロ」で活躍したマンガ家であると共に、長く連れ添った白取さんの妻である、やまだ紫さんの最期の日々を綴った記録。これは10章とは正反対の、やまだ紫さんの夫としての主観が前面に押し出された、スピリチュアルな感覚すら漂う記録です。

やまだ紫さんへの愛情が剥き出しになった、慟哭にも似た文章になっている。

 

 

そして、初めて『性悪猫】を読んだ際の感情を率直に伝え、やまだ紫さんへの愛情を綴り、やまだ紫さんの作品の素晴らしさを理詰めで語る。にも関わらず「商売の論理」で入手困難になり、消えつつある現状に異を唱え、代表作の復刊にこぎつける。

白取さん個人の視点、夫としての視点、編集者としての視点が交錯する12章「命が消える前に」は、この『全身編集者』の白眉と言って差し支えないと思います。

 

そしてそれは、劇画狼さんが出版レーベル「おおかみ書房」を立ち上げ、白取さんから「編集魂」を叩き込まれながら、どこも出版せず消えようとしていた作品を世に送り出す姿と重なる。

13章「『ガロ』編集魂」は、白取千夏雄さんのマインドが、しっかりと継承されているのだというのが示される。最後に、

 

また「ガロ」については日と場所を改めて、ゆっくり話すことになるだろう、きっと。

 

白取千夏雄『全身編集者』165ページ。)

 

という一文で、13章は締めくくられます。

 

 

そのうえで、最終章「全身編集者」と、山中潤氏によるあとがきです。

そこを読んだとき、自分が真っ先に思い起こしたのが、『全身編集者』というタイトルの元になったであろう、ドキュメンタリー映画の傑作『全身小説家』です。

 

全身小説家 [DVD]

全身小説家 [DVD]

 

 

この作品は、作家・井上光晴の晩年に密着したものですが、死後に経歴を調べ直したところ、それまでに語っていた自らの経歴が虚構であることが明らかになっていく、という内容になっています。

山中潤氏のあとがきによって、「ガロ」の分裂騒動が、白取千夏雄さんの見た「真実」とはまったく異なるものとして立ち上がってくる訳です。黒澤明監督の『羅生門』にも近いかもしれない。真実は藪の中。

編集の妙、といったものを感じさせる構成になっていました。

 

 

何ともまとまりのない感想になってしまいましたが、本日はこのくらいで。

すごい本なのは確かだと思います。まだ買えますので、是非読んでほしいですね。

 

booth.pm

 

シド・ミード展 簡易レポ

世間的には既にGWですが、自分は職種の都合上、10連休のうち8日が仕事です。

( ´Д`)

そして今日が数少ない休日だったので、何か有意義に過ごしたいなと思い、昨日27日より開催している「シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019」に行ってきました。

 

sydmead.skyfall.me

 

シド・ミード、やはり日本でいちばん知られているのは『∀ガンダム』のデザインでしょうか。あのヒゲがあるガンダムですね。

 

自分が初めてシド・ミードの名前を知ったのは、雑誌「PC Engine FAN」の記事です。PCエンジンのSUPER CD-ROMに『テラフォーミング』というシューティングゲームがあるのですが、その作品のビジュアルコンセプトを担当していたのがシド・ミードなのです。

紹介記事にイメージイラストが掲載されていて、緑と紫を基調とした非常に幻想的なイラストであったことを記憶しています(それ故に、実際の画面が公開された際はギャップを感じざるを得なかった訳ですが...)。

 

また、自分は一時期映画にハマった時期がありまして、名作と言われるような作品をいろいろ観た訳ですが、そのなかには当然『ブレードランナー』があります。

 

 (どのバージョンを観るのが良いのか、今でもよく判らないですね。)

 

頽廃的な世界観に彩られた近未来描写が素晴らしい作品ですが、この作品の美術デザインを担当したのもシド・ミードです。

 

そして少し横道に逸れつつ年代を遡りますが、『ブレードランナー』を観ると、小島秀夫さんの代表作のひとつ、『スナッチャー』は『ブレードランナー』から多大な影響を受けていることが判ったりする訳です。

スナッチャー』、自分は未だに、PCエンジンで発売された作品では『天外魔境 II』と双璧を為す傑作だと思っています。そして小島秀夫さんは『スナッチャー』に次いで『ポリスノーツ』『メタルギアソリッド』と傑作を続けて発表し、一連の小島作品に多大な影響を受け『メタルギアソリッド』のノベライズも執筆したのが『虐殺器官』の伊藤計劃さんで...と、連綿たる流れが存在したりする訳です。

 

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

と、このように日本のサブカルチャーに少なからず影響を与えている(と言って差し支えないでしょう)シド・ミードの、実に34年振りになる原画展。

些か前振りが長くなり過ぎましたが、簡単なレポを書いておきます。

 

https://www.instagram.com/p/BwyGvuYA6gr/

シド・ミード展に来たよ

 

会場となる、アーツ千代田3331の入口。

展示されているのは1Fで、自分は昼頃に到着したのですが、既に階段から屋上まで列が形成されていました。待ち時間はだいたい1時間くらい。

 

入場後、車のデザイン・原画類を鑑賞したりしていたのですが、「ペブルビーチ・トリプティック」という作品のところでしたか、「OBLAGON AR」という、シド・ミード公式アプリがダウンロードできるQRコードがあります。

これは絶対にダウンロードしたほうが良いです。事前に落としておいても良いかと。

 

OBLAGON AR

OBLAGON AR

  • Syd Mead, Inc.
  • 辞書/辞典/その他
  • 無料

 

シド・ミード展、前半は写真撮影OKなのですが、このアプリのARカメラを併用することで、数倍楽しく鑑賞できるかと思います。

 

https://www.instagram.com/p/BwyT8sJARAR/

シド・ミード展 AR技術を用いた展示

 

この展覧会には多数の原画が展示されているのですが、その原画の中に、AR対応の原画が幾つもあります。「OBLAGON AR」を起動してカメラを原画に向けると、画面の左下に六角形のアイコンが表示されるのです。そのアイコンの内側には「skch」「vid」「mdl」という表記が。

 

上の原画には、「mdl」のアイコンがあります。それをタップすると、原画に描かれている車の3Dモデルが、原画の手前に現れる。そしてその3Dモデルをスワイプすると、それに併せてモデルもグルグルと回転して、別角度からの(原画には描かれていない)車の映像を観ることができたりする訳です。

 

https://www.instagram.com/p/BwyUGM1gw1j/

シド・ミード展 AR技術を用いた展示2

 

「skch」のアイコンがある場合、それをタップすると、その原画のラフスケッチが重なって表示されます(詳細はリンク先の Instagram をご参照戴ければと)。

 

https://www.instagram.com/p/BwyUeX0grBK/

シド・ミード展 AR技術を用いた展示4

 

「vid」のアイコンがある場合、タップすると動画が画面上に浮かび上がり、再生するとメイキング画像が流れたりします。

 

https://www.instagram.com/p/BwyUpzMgASx/

シド・ミード展 AR技術を用いた展示5

 

これも「mdl」の一種で、同じく詳細はリンク先をご参照戴きたいのですが、原画にカメラをかざしたまま移動すると、それに併せて画面内の原画の角度が変化するのです。

この説明だと少し判りづらいかもしれないので、些か下世話な喩えをしてみます。

 

美女・美少女のイラストなり写真なりで、ギリギリのところでスカートの下が見えないというシチュエーションというのは度々見掛けることがあるかと思う。そしてそれの角度を変えてみたり、下から覗き込もうとする衝動を抑えることは難しい。

それは祈りにも似た切実さを伴うが、それ故に儚い。人の夢と書いて儚い。

ARは夢であり、希望でもある。下から覗き込めば、スカートの下もそこにある。

 

そういうことなのです。お判り戴けたでしょうか。٩( 'ω' )و 

 

 

それはそれとして、AR技術を用いた展示を楽しめるのが前半部。

後半は諸々の事情でありましょう、撮影不可のスペースになります。そちらに展示されているのは、『ブレードランナー』を始めとする映画作品の原画や、『∀ガンダム』等のアニメ作品の原画類。精緻な描き込みにより立ち昇る世界観は、圧巻の一言。

 

https://www.instagram.com/p/BwzLiSbAhK3/

シド・ミード展 YAMATO2520パネル

https://www.instagram.com/p/BwzL-wXgLsj/

シド・ミード展 ∀ガンダム特大パネル

 

全体的な感想としては、原画の素晴らしさはもちろんのこと、展示方法(AR)が実際に操作していて非常に愉しく、何というか未来を感じさせてくれるものでした。『電脳コイル』的な世界に、着実に近づきつつあるのだな、と。シド・ミード展の副題?は「未来のリハーサル」なのですが、その言葉に偽りなしといった印象です。

行って良かったです。

 

といったところで、本日はこのあたりにて。

『騎士団長 島耕作』第1話を読んでみた

1月末、(少なくとも自分の)twitter のTLが騒がしくなっていました。

 

natalie.mu

 

遂に異世界への転生すら果たすのか、島耕作よ(詠嘆)といった心持ちでしたが、改めて考えてみると、異世界転生ものと『島耕作』シリーズには高い親和性があるかもしれないと思ったりもします。

異世界もの、自分もそこまで多くは読んでいないかとは思いますが、幾つか読んだ傾向として、ハーレム的な状況に自然となっている、というのは感じられます。*1島耕作』も、気が付けば美女と懇ろな関係になったりして、そして偶然にもその女性がライバル会社の重要なポジションに立っていたりして、取引を有利に進められる情報を得たりする訳でして。

きっと異世界でも島耕作はトントン拍子に出世して、まずは叙爵されて「男爵 島耕作あたりになり、「子爵 島耕作」「伯爵 島耕作」「侯爵 島耕作」「公爵 島耕作と順調に爵位を上げていき、最後は「大公 島耕作あたりに落ち着くのだろうか、...とか考えざるを得ない。いや、騎士団長ということはその1つ上だと準男爵からでしょうかね。

 

 

まぁそれは置いといて、その後作画を担当するのが『拝み屋横丁顛末記』の宮本福助さんという発表も為されました。

掲載誌が「ZERO-SUM」である点と絵柄で考えれば、まぁ他には有り得ない納得の選出かなと思ったりしつつ、遂に本日、その第1話が掲載される「ZERO-SUM」2019年5月号が発売となりましたので、

 

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 さっそく買ってきました。٩( 'ω' )و 

甲冑を身に纏い、凛々しく口を引き結びつつ剣を掲げる島耕作が印象的な表紙です。

ということで、ちょっと内容に触れつつ感想みたいなものを書いてみようかと。

 

 

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(原案:弘兼憲史 漫画:宮本福助 協力:別府マコト『騎士団長 島耕作』「月刊コミックZERO-SUM」2019年5月号3ページ。)

 

冒頭の1コマです。何が起こっているか判らないまま眼前に広がる青空を見て、男は「なんだこれは」と考えます。これは大多数の読者の代弁でもあり、「こっちの台詞だ」と考えた方も少なからず存在することでしょう。

 

その後の島耕作の回想から、時間軸的には(というのも変な話ですが)『課長 島耕作』と『部長 島耕作』の間の時期であることが判ります。中沢社長に部長就任を打診され、自宅に戻り課長時代に思いを馳せつつ酒を飲んでいた筈が、気が付けば見たこともない場所で天を仰いでいた、という流れであることが描かれる。

その回想シーンで、トラックが走行しているコマが描かれています。おっ、これはもしや数多の転生者を異世界に送り出してきたトラックなのか!と思ったりした訳ですが、ページをめくるとそのトラックは何事もなかったかように島耕作の前を通り過ぎていきました。やはり島耕作ほどになれば、異世界に赴くにあたりトラックなど必要としないのかもしれません。

 

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(同誌24ページ。)

 

そして医務室のような場所に運び込まれた島耕作の許を訪れた人物が2人。一人は入って早々に島耕作を怒鳴りつける、容貌・言動共に(現世)の福田部長と瓜二つの人物。そしてもう一人が、島耕作の容態を気遣う、島耕作の同期・樫村と同じ顔の人物です。

そしてカシム(樫村と同じ顔の人物の、異世界での名前)によって、島耕作が目覚めた場所がファーストターフ王国であり、シマやカシムはトマベチ王に仕える王国騎士団の一員であることが明かされる訳です。

 

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(同誌25ページ。)

 

ファーストターフ(First Turf)、島耕作が勤めている会社「初芝」を英語にしたものですね。(^ω^)

 

と、ここで個人的に少し残念だったのは、樫村がおっさんのままだったことですね。

樫村は美女として異世界に転生して、島耕作の前に現れて欲しかったなと。

(`・ω・´)

 

樫村健三については既に皆さんご存知かとは思いますが、実は樫村は同性愛者でして、結婚して子供も設けることでその性嗜好は隠し続けているのですが、大学生の頃からずっと島耕作に想いを寄せている訳です。

樫村がその秘めた想いを島耕作に伝えた際、断られてしまう訳ではありますが、その後も同僚として、また友人として付き合いは続いていきます。しかしながら、出向先のフィリピンで一緒にゴルフをしていた際、島耕作を恨むテロリストの凶弾に倒れることになってしまうのです。

 

むしろ異世界に赴くにあたり、島耕作よりも境遇としては相応しい感があります。

そして前世とか異世界が題材となる場合、転生後の性別が変わるのはそれほど特殊な例ではない。名作『ぼくの地球を守って』の槐がそうですし、『蜘蛛ですが、なにか?』の大島叶多(カティア)もですね。あと、同じ「ZERO-SUM」で連載している『ボクラノキセキ』の主人公、皆見晴澄と準主役のひとり広木悠もそうですね。

なので、樫村が女性として転生していれば、島耕作も間髪入れず褥を共にしまたいろいろな展開が生まれたのではないか...とか考えてしまったりもする訳です。まぁ、これは単なる個人的願望に過ぎないので今後どういうふうに物語が進んでいくのか期待したいところです。

 

 

さて話を元に戻しますと、このあと島耕作と樫村(異世界の名前だと「シマ」に「カシム」ですが、元の名前で統一します)は街の巡回に出るのですが、そこで珍しい光景を目にします。

 

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(同誌33ページ。)

 

果物を欲しがるスライムと、それを追い払おうとする店のおばちゃん。

そのやりとりを見ていた島耕作は、おばちゃんから果物を買って、そのスライムにあげます。因みにごく当たり前にお金を払い、リンゴの味を知っていたことから、島耕作が自分はずっとここで騎士として生きているらしい、ということを朧げに理解する。その演出が巧いですね。

そのやりとりの直後、近くでひったくりが発生します。

騎士の務めとして犯人を追う二人。程なく犯人を追い詰めるものの、逃げた男は盗んだ財布を何処かに隠したらしく、白を切ります。そして樫村は男を連行し、島耕作は財布の捜索を行うことにする訳です。

するとそこに、先程リンゴをあげたスライムがいるのです。付いてくるように訴えている(しかも喋る)。付いていった先には、盗まれた財布が。

しかしそれを受け取ろうとすると、スライムはその財布を自らの体内に取り込み、こんな言葉を島耕作に投げかけるのです。

 

私を満足

させてくれたら

 

この財布

渡してあげる

 

(同誌41ページ。)

 

お?これは... と、予感を感じさせてくれますね。そして、

 

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(画像上:同誌43ページ。 画像下:同誌44ページ。)

 

人の形に変化したスライム。その姿は、もちろん大町久美子です。

島耕作の永遠の恋人にしてセレブレーションファックでもお馴染み、大町久美子です。

そして大町久美子の姿になったスライムは、島耕作を宿屋に連れ込む。

島耕作に覚悟を問う大町久美子。「私を満足させてくれたら」の意味を理解する島耕作

 

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(同誌48ページ。)

 少なくとも自分は満足でした。

これでこそ『島耕作』だ、セレブレーションファックなのだと叫びたくなる、スライム初登場から15ページで閨を同じくする疾走感。

これは異世界転生ものでありながら、確かに『島耕作』なのだ...そんな感情が確かな実感を持って押し寄せてくる。

 

その後、島耕作は大町久美子から、あなたはこの世界に転生したのだ、前世の記憶を思い出して戸惑っているのだろうと言われます。何やら多くのことを知っていそうな、ミステリアスな雰囲気も醸し出している...かもしれません。そして「私と寝た男は出世する」とも(因みにその台詞を言うときは、典子ママの顔になっています)。

 

そして前世の記憶・知識をもって、この世界でも上を目指すことを決意して、第1話は終わります。

先程書いたように、個人的には樫村の描き方に残念さを感じつつも、全体としては島耕作だと思える内容だったかな、と。今後も期待して読んでみたいところです。

 

といったところで、本日はこのあたりにて。

*1:もちろんすべてそうというつもりは毛頭なく、最近自分が読んだ中だと、『望まぬ不死の冒険者』『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた』、アニメ化も決定した『本好きの下剋上』あたりはその傾向は少ないかな、と思います。

男も妊娠可能な世界:杉山美和子『Bite Maker』

気が付けば元旦以降更新していませんでした。( °ω°: )

 

まぁ相変わらず仕事に追われ気味だったり、休日もグダグダと本を読んだりネット見たりしているのが原因な訳ですが、ちょっと設定が面白そうな作品を知る機会があったので、その作品について軽く触れてみようかと思います。

 

 

 

小学館のデジタル少女マンガ誌「&FLOWER」で連載されている、『Bite Maker』。

作者の杉山美和子さんは、『花にけだもの』がドラマ化されたりもしていますね。

で、この作品の設定なのですが、オメガバースなのです。単行本あとがきマンガの台詞を借りると、「少女まんが界初オメガバース」です。*1

 

オメガバース、ご存知でしょうか?

知っている方は「何を今更...」という感じかもしれませんが、この設定・世界観に関しては、ある程度把握しておかないと作品じたいの理解も曖昧になります。なので、少々詳しく触れておこうかと思います。

少し特殊な内容であるのと、作品の内容にも少なからず触れるので、以降の文章はいちおう折り畳んでおきます。

 

*1:杉山美和子『Bite Maker』1巻159ページ。

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