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時折マンガの話をします。

『魔乳秘剣帖』:阿呆で真面目な時代劇

さて今日は、普段と少し毛色が異なるマンガのことを。
山田秀樹魔乳秘剣帖』でございます。

魔乳秘剣帖(2) (TECHGIAN STYLE)

魔乳秘剣帖(2) (TECHGIAN STYLE)

タイトルを書くだけで少々恥ずかしいのですがね。(;^ω^)
少なからぬ方がタイトルでドン引き、設定を聞いたら更にドン引きかとも思うのですが、これがどうしてなかなかよくできている。かなり面白いのですよ。
以下、概略と感想です。


『乳こそがこの世の理』
豊乳は富であり絶対
貧乳は人に非ず

いきなりこんな言葉から始まるのですよ。(´ω`)
つまり、胸が大きいともてはやされるという世の中(因みに江戸時代です)。
で、徳川幕府において陰で絶大な権力を持っているのが「魔乳一族」。
一族に伝わる剣技を用いれば他人の乳を奪うことができたり、秘伝書には美乳豊乳を育むためのあらゆる術が記されていたり。

この話の主役は、魔乳一族の跡目である魔乳千房。
千房は胸の大きさが絶対という世の中に矛盾を感じている。
その千房が取った行動は、秘伝書を持ち出して里から出奔することです。そこに書かれた美乳豊乳を育む術を世に広めると共に魔乳一族に立ち向かわんとする訳です。


アホな設定です。( ゚∀゚)
ただ、安易なお色気艶笑喜劇みたいなものに走ったりはしないのですね。
話の骨格は、非常にしっかりとした時代劇なのですよ。ここが重要です。

里から出奔ということは、つまり抜け忍です。
当然追っ手・刺客が送り込まれます。それらとの戦いがあったりします。
村長と奉行との闇取引の話とか、ならず者に脅されて悪事に加担する羽目に陥った父娘の話とか、時代劇の定石とも言えるタイプの話がちゃんと練られて描かれています。
千房の母方の一族のみが持つ秘術を巡っての魔乳本家との争いとか、かなり規模の大きな話になりそうな雰囲気があります。

・・・全部おっぱい絡みの話なんですけどね。(;^ω^)

画力も達者ですし、殺陣の場面とかも迫力があります。
ネタではなく、お薦めの作品ですよ。