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時折マンガの話をします。

水城せとな『脳内ポイズンベリー』1巻

脳内ポイズンベリー 1 (クイーンズコミックス)

脳内ポイズンベリー 1 (クイーンズコミックス)

水城せとなさんの新作です。
この他にも既に『黒薔薇アリス』『失恋ショコラティエ』の連載を持っている訳ですが、よしながふみさんや中村明日美子さん、ヤマシタトモコさん同様、BL畑から進出してきた方の執筆量には感嘆するものがありますな。


この作品で描かれるのは、ケータイ小説を書いている櫻井いちこ(29→30歳)と、駆け出しの造型作家(と思われる)早乙女(23歳)の恋愛模様です。


基本的に描かれるのはこれだけと言えますが、特異なのはいちこの心理描写です。脳内の5つの感情(ポジティヴ思考だとか慎重な態度とか)がそれぞれ人の型を取って会議をするのです。むしろその脳内会議の描写がメインではないかという比率です。これはいわゆる擬人化の一種でしょうか?


で、その会議の結論に基づいていちこは何か発言したり行動に移したりする訳です。そしてこれを読み進めて感じざるを得ないのが、


何という面倒な性格なのだあああぁぁぁぁあ!


という思いですな。(´ω`;)
いやぁ、もしかすると相当にリアリティのある内容なのかもしれませんが、おっさんの錆び付いた感覚だとそう捉えてしまいます。しかしそう思わせてしまうということは、実に巧みな描写をしているということでもありましょう。


そして、早乙女のほうも実にまぁ面倒な性格であります。(´ω`;)
これは実際に読んで確かめて戴きたいです。互いに何らかの表現をしている同士、実に複雑怪奇な心理が働いているということかもしれませぬ。


この面倒な性格同士の恋愛模様がどこまで描かれるのか、続刊を期待しようと思います。