マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

脱獄作品セレクション

『囚人リク』の記事を書いたので、それに併せてと言いますか、資料的なものを少々書いておきます。
早い話が、これまでに作られた「脱獄」を題材にした作品です。
基本的に自分が読んだ・観た作品にしますので、網羅している訳ではありませんのでご注意を。かなり映画に偏っています。


まずは古典から。
1〜2巻が監獄が舞台だった筈です。それ以降は復讐譚になります。
これに着想を得たのがアルフレッド・ベスターの傑作SF『虎よ!虎よ!』だったり、アニメ『巌窟王』だったり。*1


巌窟王 Blu-ray BOX

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大いなる幻影 Blu-ray

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映画だと、これが古典になりますかね。第一次世界大戦期の収容所からの脱獄が描かれます。
因みにこの映画に、強い存在感のあるドイツ人将校が登場するのですが、それを演じた俳優の名前がエーリッヒ・フォン・シュトロハイム。勝手な想像ではありますが、『ジョジョの奇妙な冒険』第2部に登場したシュトロハイムの名前はここから取ったのではないかな、と考えています。


抵抗-死刑囚は逃げた [DVD]

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フランスの孤高の映画監督、ロベール・ブレッソンの代表作のひとつ。
自分は『抵抗 -レジスタンスの手記より-』っていうタイトルで憶えていたんですが、副題を変更したんでしょうかね。
手記を忠実に映画化した故か、作中で話をした相手が内心何を考えているのかまったく判らない、ほぼ完璧な一人称の映画になっているのが特徴で、それが独特の雰囲気・緊迫感をもたらしていた印象があります。


やはり脱獄ものと言えばこれですね!
痛快娯楽大作『大脱走』。スケールの大きさ、軽快な音楽、大胆不敵な脱獄作戦、どれも素晴らしいです。スティーヴ・マックィーンがほんとうに格好良い。
脱獄についての信念が、少し『囚人リク』の田中一郎に相通じるところがあるようにも。


パピヨン [Blu-ray]

パピヨン [Blu-ray]

これも主演はスティーヴ・マックィーン。実話に基づいているとのこと。
刑務所での囚人の過酷な扱い・劣悪な環境、そんな状況下で部屋を這いずる虫を食べてまで生き残り、脱獄を試みる男の執念が描かれる作品。
かなり初期の『こち亀』で、寺に叩き込まれた不良少年が脱走して、そこで受けた罰を両さんに話したところ、両さんが「まるで映画のパピヨンみたいだな」と言う場面がありました。
この作品、非常にスケールが大きく、感動的なラストなのですが、そのラストシーンで大変なミスをしているのが悔やまれます。


この作品も、刑務所内での過酷・非人道的な扱いと、人間の尊厳を得るための脱獄という点で『パピヨン』と、或いは『囚人リク』と共通する箇所があります。
まぁこの作品の場合、主役の男が麻薬を運ぼうとして逮捕されたっていう点は差し引かないといかんかな、という気もしますが・・・(´ω`;)
因みに脚本は『プラトーン』の監督、オリヴァー・ストーン。この作品でオスカーを獲っています。


アルカトラズからの脱出 [Blu-ray]

アルカトラズからの脱出 [Blu-ray]

実を言うと観たのがガキの頃で、あまり内容を詳細には憶えていないのですが、やたら暗い画面だった印象があります。
難攻不落と言われたアルカトラズ刑務所からの脱獄を描いた作品。厳重な監視体制が敷かれた、孤島に聳える刑務所。『囚人リク』の極楽島特級刑務所のモデルは、恐らくこの刑務所です。*2


ショーシャンクの空に [Blu-ray]

ショーシャンクの空に [Blu-ray]

比較的近年の名作を挙げるならばこれですね。
ポスターの女優が変わっていくことで年数の経過が示される演出が良いですよね。
ラストシーンが、実に印象的。


と、とりあえずはこのくらいで。
個人的には、どれもお薦めです。

*1:更に言えば、『虎よ!虎よ!』のアイデアが『サイボーグ009』や『COBRA』、『AKIRA』にも影響を与えていたりします。

*2:モンテ・クリスト伯』の監獄、シャトー・ディフの可能性も。