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マンガLOG収蔵庫・別館

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知られざるアニメの世界:『宗教とアニメーション』

ようやくですが、昨年冬コミとかで購入した同人誌の感想じみたものを書き始めていこうかと思います。
まずはこちらから。



『宗教とアニメーション 〜宗教団体製作のアニメーションから〜』(サークル:かに温泉)


著者のかに三匹さんのブログと twitter はこちらです。


『宗教とアニメーション』の内容は、タイトル並びに副題からだいたいの予想は付くかと思いますが、宗教団体が製作に携わったアニメーション作品を紹介するものとなっています。
こういったアニメは、アニメ雑誌やネット上でも(一部の作品を除き)話題になることは滅多にありませんが、教祖や聖人に列せられる人たちの奇蹟とかを判りやすく描写するにはアニメーションはかなり適した媒体なのでありましょう、信者の方向けの教育用作品を含め、かなりの数の作品が製作されているようであります。


作者さんが「当同人誌の目的や関心はアニメーションがどう利用されているかであって、製作した各団体について意見を述べるものではない」と書かれてこともあり、*1資料性を重視した、書誌的な面の強い同人誌となっています。幸福の科学創価学会、ワールドメイト(そしてオウム真理教も)といった、ネット上で話題になりやすい新宗教系の団体が製作したアニメーションも多数紹介しておられますが、あくまでネタにはせずに、作品データやスタッフ紹介等に多くの紙幅を割いています。この点、読む人にとっては物足りなさを感じる方もいるやも判りませんね。


作品データ・スタッフ紹介等と書きましたが、宗教団体が製作に携わるアニメーション作品には、かなり有名な制作会社・スタッフが製作に名を連ねていたり、有名声優を起用している場合が多いことも知られています。やはり宗教団体は資金的に潤沢なのでしょうか。
それらの点についても、『宗教とアニメーション』では詳細な言及を行っています。


個人的に最も興味深かったのは、京都アニメーションが制作している作品ですね。
幸福の科学が製作した『しあわせってなあに』という短編アニメがあるらしいのですが、それの制作協力が京都アニメーションなのだとか。


京都アニメーションと言えば、『フルメタル・パニック?ふもっふ』や『涼宮ハルヒの憂鬱』等の作品でブランドを確立した感がありますね。クオリティの高い映像とか原作作品の再現性とか。『けいおん!』はTV版・劇場版共に良かったですね。ただ、それだけだといまいち説明できない作品があるわけです。まぁ早い話がムントですな。元々はOVAのようですがこちらは未見でして、自分が観たのはテレビ版『空を見上げる少女の瞳に映る世界』です。


空を見上げる少女の瞳に映る世界 1巻 [DVD]

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劇場版 天上人とアクト人最後の戦い(通常版) [DVD]

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当時アニメで観た際、京都アニメーションということでさてどんなものが、と視聴した訳ですが、何とも宗教的な香りが濃厚に立ち籠めているなぁ、という印象を強く感じた記憶があります。
宗教っぽさと言いますと、これも含まれるでしょうか。



この無条件に幸せそうな子どもたちの姿にも、何か独特の雰囲気を感じたりもします。
これらの作品とかCMは、京都アニメーションと聞いて連想するイメージからは些か乖離していて、何故これが作られたのかと不思議に思ったりもしたのですが、案外この「宗教団体制作のアニメーション」がミッシング・リンク的な存在なのかもしれんなぁ、と思ったりしました。


と、とりあえずはこのあたりにて。
行間のスペースや註釈の配置の関係で若干読みづらかったりもしますが、資料的価値の高い同人誌だと思います。

*1:『宗教とアニメーション』5ページ。