ジョジョ展は、結局行くことができませんでした。(ノД`)
チケットを取れた知り合いに頼んで、何とか図録だけは買うことができましたが。
それはそれとして、先月書いた『ジョジョ』の記事が、それなりの方に読んで戴けた模様です。
ありがたい限りですな。
- 当該記事:マリオ・ツェペリはいつ生まれたのか
そんな訳で、自ら二匹目のドジョウを掬う感もありますが、『ジョジョの奇妙な冒険』に関する小ネタ的なものを続けて書いてみようかと思う次第です。
今回も第1部のネタバレを含むので、以下の文章は収納しておきます。
今回取り上げる箇所はこちらです。
(荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』4巻175ページ。)
ツェペリさんの波紋の師・トンペティとその弟子ダイアー、ストレイツォ。
石仮面の行方・ならびにその持ち主(ディオ)について知ったツェペリさんが、助力を求める手紙を彼らのもとへ送ります。それを読んだ彼らが、ディオが根城とするウインドナイツ・ロットへと赴いたことが、ダイアーによって説明されています(4巻174ページ参照)。
さて、ここで1つの疑問が生じます。
トンペティたちは如何にしてウインドナイツ・ロットへ来たのか?という点です。
トンペティ師はチベット在住なのですね。
そしてイギリスとチベットまでの距離を調べてみたところ、直線距離にして約7000kmほどあります。
年代は1888年。まだ飛行機は存在しません。鉄道の敷設は進みつつある状況でしょうか。自動車はまだ誕生して間もない時期。第1部でも、主に馬車を使っていました。
更に。作中の時間経過を追っていくと判るのですが、ジョナサンとツェペリさんが出逢い、そしてウインドナイツ・ロットへ赴くまでの期間は2週間ほどなのですね。
これを2週間の間に行わねばならない。往復にして14000km、単純に日にちで割れば1日平均1000km移動する必要がある、ということになります。この問題を如何にして解決するか。
まず手紙に関しては、やはりこれが妥当な手段であろうと思う次第。
当時最も早い通信手段と思われるのが伝書鳩です。
ちょっと調べた限りでは、飛行速度は最高で時速153km、巡航速度は71kmくらいになる模様。
そして、波紋法の総本山と言える場所で飼いならしている伝書鳩であれば、普通の伝書鳩とは一味違う筈。第3部のペット・ショップや4部の猫草、5部の亀みたいにスタンド能力を持つ動物もいるくらいですから、波紋の呼吸を仕える鳩だっているのではないか、と期待する次第。
4巻129ページでトンペティ師がツェペリさんに「今のそなたは呼吸をみださず何十里も走ることができよう......」と言っていますし、8巻83〜141ページ、第2部のヘルクライム・ピラーの修行において61時間不眠で*2柱を昇り続けている点、そして「波紋のせいかハラもすかないし小便もしたいとは思わない...」*3というジョセフの台詞から、波紋の呼吸法に習熟することで睡眠・食事といった生理的欲求もかなりコントロールすることが可能であることが判ります。
これらの点から、「波紋の呼吸が使える伝書鳩」がいると仮定すれば、全力に近い速度でずっと飛び続けることも可能であろうと思われます。仮に上記の速度を採用すれば、7000kmの片道を約2日で踏破できます。
そして残る時間は12日間。この期間でトンペティ・ダイアー・ストレイツォの3人はチベットからウインドナイツ・ロットまでの約7000kmを踏破しなければなりません。
ではこの距離を如何にして踏破したかと考えますと・・・
やっぱり基本は走ったのではないか、と。
あくまでもざっくりとした計算ではありますが、100mを15秒くらいの速度で2週間絶えず走り続ければ、約7000kmになるのですな。
無論鉄道とか馬車、早馬とか、より早い移動手段が使える環境があればそちらを使うでしょうが、それが使えない状況(場所・地形等の条件)もあるでしょうから、使えない場合は走るのが最も早いと思われます。
そして可能な限り直線で移動しようとした場合、カスピ海や黒海、更にはドーバー海峡が行く手を阻みます。都合良く船が運航しているとも限らない。立ち止まると間に合わない可能性が高い。
(荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』3巻131ページ。)
そんな場合も、やはり走ったのだろうと。
ツェペリさんがポコを追いかけて池を渡ったように、水上を走ったと思われます。
憶測・願望混じりではありますが、これならば距離の問題はギリギリ解決できるのではと考える次第です。
トンペティ師やストレイツォがディオと拳を交えず、主に吸血鬼の退治に回ったのは移動で疲労が溜まっていたためと考えることも可能かもしれませんな。
といったところで、本日はこのあたりにて。
ちょっと仕事が忙しくなるので、しばらくの間は更新が滞るかと思います。