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時折マンガの話をします。

『西遊妖猿伝』情報を幾つか

今週号(47号)の「モーニング」は非常に期待できそうな内容だったので、早速買ってみました。



表紙は「新社名&新ブランド名大募集」が話題になっている『社長 島耕作』、ならびに待望の新連載『西遊妖猿伝 西域篇』。当然作品的な注目は後者なのですが、社名が採用された場合の「副賞100万円」は凄いです。送ってみようかなとと思っています。・・・まぁ不採用だとは思いますけどね。(´ω`)


さて巻頭カラーは『西遊妖猿伝 西域篇』です。



砂漠を旅する孫悟空玄奘、八戒の三人。砂に埋もれた仏閣や大仏が、嘗てそこが栄華を極めていたであろうことを伺わせます。そして砂嵐の向こうには妖怪・無支奇の姿。
壮大な物語を予感させますね。


そして左側には、物語の幕開けを飾る詩文が。


李氏 天命を受け
戦塵 漸く絶えんとす
僧 天竺に経を求め
痩馬 砂上を進む
心猿 自ずから跡を追い
木母 図らずして同道す
黄婆の姿を見んと欲すれば
須らく見よ妖猿伝


漢籍への該博な知識に裏打ちされた、流れるような名文ですね。
因みに第一部「大唐篇」の幕開けにも同じような詩文があります。*1そちらはこんな感じ。

楊氏 天紀を乱し
烽火 塞空を焼く
一朝 乱起りて滅び
賊匪 山沢に籠る
百姓 野を彷徨い
山鬼 人心を惑わす
神怪の威を知らんと欲せば
須らく聞け妖猿伝*2


第一部の詩は唐の国全般の混乱・荒廃を詠っていたのに対し、第三部のほうでは玄奘一行の旅の様子へと焦点が定められているのが特徴。
締めの文が「聞け」から「見よ」になっているあたり、ちょっと興味深く感じたりもします。


そして第一部・第二部未読の方々に向けた概略も。



こちらは「須らく読め!」。
連載再開の祝辞を送っているのが荒俣宏藤田和日郎夢枕獏という錚々たる顔触れです。



因みにやはり新装版は12月から刊行開始のようです。
・・・他の作品の感想も書こうかと思ったのですが、長くなったので一区切り。
書く場合は項を改めて。

*1:第二部「河西回廊篇」は持っていないんですよね。(´・ω・`)

*2:潮出版社版『西遊妖猿伝』1巻10ページ。上の引用と体裁を合わせる為にスペースを空けたりしています。