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時折マンガの話をします。

とよ田みのる『FLIP FLAP』

FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)

FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)


マンガレビューサイト各所で取り上げられていますね。
便乗するかたちで読んでみましたが、非常に面白かったです。

自らを「普通」と認識している少年、深町。
「変化」を試みた彼は、高校卒業の日に憧れであった山田さんに告白をする。
山田さんは一言「いいですよ」と言うものの、とある条件を出す。
ゲームセンターへ深町を連れてくる山田さん。
山田さんが向かったのは、ピンボールの台。
山田さんが出した条件とは、ピンボール台のハイスコア(3,123,670,320点)を超えることだった。

世界初(?)のピンボールブコメ
最初は下心もあってピンボールをしていた深町ですが、次第にその世界にハマっていきます。
会ったこともないハイスコア保持者「UFOさん」が見ていた世界を見るために、真っ直ぐにピンボール台に向き合う深町。
その一途な、そして熱い思いが伝わってくるんですよね。
最近はゲームそのものから離れ気味なので、狂ったようにゲームにのめり込んでいた時期のことを思い出したりもしました。

また、ハッとさせられる台詞も多いんですよ。
いちばんいいなと思ったのがこれ。

山田さんにとってあのハイスコはなんなんですか
そんなに意味のあるものなんですか?


無いです

こんな無意味なことを続けていて空しくならないんですか?

なりません
ただ 心が震えるのです

(31ページ)

マンガを読む際も、この熱さを忘れないようにしたいですね。
山田さんの上唇が常に震えているのも気になります。