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矢吹版『迷い猫オーバーラン!』小ネタ集

昨日、矢吹健太朗さんの『迷い猫オーバーラン!』1巻を買ってきました。


迷い猫オーバーラン! 1 (ジャンプコミックス)

迷い猫オーバーラン! 1 (ジャンプコミックス)


原作は松智洋さんのライトノベル
僕は観ていないのですが、4月からアニメも放映されていますね。


作品の概略を少々書いておきます。
主人公は高校生の都築巧。姉の乙女は洋菓子店「ストレイキャッツ」のオーナー兼パティシエールですが、極度なまでのお人好し。人助けをするために突如店を放り出してどこかへ行ってしまったりするので、常に経営は左前という状況です。
そこに巧の幼馴染み・芹沢文乃だとか、クラスメイトで財閥のお嬢様・梅ノ森千世だとか、乙女が駅で拾ってきた女の子・霧谷希だとかが絡んできて、キャッキャウフフな展開になったり、でもそれぞれの女の子が何らかの孤独だとか悩みとかを抱えていたり、でもやっぱりキャッキャウフフな展開になったりする訳です。


To LOVEる』の連載で一挙に突き抜けた感のある矢吹健太朗さんですが、お色気描写はこの作品においても健在です。
相変わらずワキの描写には惚れ惚れしますね!( ゚∀゚)


まぁ、そのあたりの熱い解説はどこか別のサイトでやって戴けるかと思いますので、ちょっと別方向から眺めてみましょう。
読んでいて気付いたのが、パロディが良く出てくる点です。
前作『To LOVEる』との大きな違いと言えるかと思います。掲載誌が「ジャンプ」から「ジャンプSQ」に変更になったことで、ある程度縛りが緩くなったのかもしれませんね。今回はそれらパロディも含め、作中に鏤められた小ネタを幾つか拾ってみようかと思います。




矢吹健太朗迷い猫オーバーラン!』1巻40ページ。)


ストレイキャッツ」の手伝いをしている文乃が接客しているシーンですが、このお客、『To LOVEる』の美柑ですね。
カメオ出演と言いますか、個人的にはスターシステムかなと思っています。矢吹健太朗さんは同じキャラクターを(設定を変えて)登場させることがあります。ヤミ(=イヴ)やクロ(=トレイン)みたいな感じですね。『邪馬台幻想記』は未読なので判らないのですが、もしかするとこちらのキャラクターも出ているのでしょうか。




(同書119ページ。)


千世のベッドの上に投げ出されていた雑誌。
Vジャンプ ナッパ特集」とのこと。凄く読みたいぞ!




(同書160ページ。)


お約束の如く、巧が文乃に殴り飛ばされる場面です。
このベタフラッシュ演出!
破ける服!にも関わらず無傷の腕!
そして常に全力で背筋を伸ばし、顎を反らして吹き飛ばされるその勇姿!
車田正美先生の様式美をそのままに伝える構図です。




(同書20ページ。)


乙女が女の子(希)を拾ってきたという話を聞き、クラスメイトの家康(オタク)が妄想を繰り広げる場面です。
このシルエット・・・見憶えがあるッ!
話は変わりますけど、日曜朝の twitter ってちょっとした狂乱ですよね。(´ω`)




(同書170ページ。)


土砂降りの中帰ってきた乙女。ずぶ濡れになってしまったことで服が透けてしまい、そのけしからんサイズの胸が明らかになる場面です。文乃や千世が驚愕の表情を浮かべていますが、どこかで見たことがある擬音が流れていますね。
そして乙女は例によって店を放ったらかしにして出掛けていた訳ですが、その理由は、



(同書171ページ。)

三丁目のヨネさんに留守番を頼まれたというものです。
たぶんヨネさんは、麻雀(高額レート)をやりに行ったのだと思う今日この頃です。




(同書16ページ。)


第一話の冒頭、やはり店を放り出して何処かに行っていた乙女が戻ってきた場面です。
ヤミ金融に追われてるかわいそうな一家を国外に逃がしてあげる」ためにサイパンに行っていたという、『闇金ウシジマくん』に出てきそうなエピソードをさらりと話しています。


で、その「かわいそうな一家」なのですが、まさかの水木しげるセンセイですよ。
メガネに出っ歯でお馴染みの「山田さん」ですよ。
山田さんのモデルになったのは、貸本版『悪魔くん』を出版したことでも知られる東考社の社長・桜井章一さんですよ。ついでに書いておくと、桜井章一さんは名作『劇画漂流』の作者・辰巳ヨシヒロさんのお兄さんですよ。


矢吹健太朗さんは最近水木しげるセンセイに傾倒しているのでしょうか、他の箇所でもパロディが登場します。




(同書128ページ。)


水木センセイは戦時中にラバウルに出征して、その体験をマンガ化したりもしていますが、やたらと上官からビンタをされています。上の画像、かなり再現度が高いです。「きゃーっ」というオノマトペにも唸らされます。
どのくらい読者の需要があるのか少々疑問ではありますが、個人的にはかなりツボでした。



と、とりあえずはこのあたりにて。
今後矢吹健太朗さんがどういう方向へ向かうのか、要注目ですね。