マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

鳥取・京都探訪 2日目:境港・水木しげるロード

鳥取・京都を巡る旅行、2日目の記録です。

 

8時頃、朝食時間を知らせる内線電話で起床(少々寝過ごしました)。

いそいそと着替えて、朝食会場へと赴きます。

 

 
 
 
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宿泊場所から少し離れた場所にある本館へ。

写真が見切れているのはセンスのなさの発露なので、ご容赦願いたく思います。

因みにこの本館の隣には離れがありまして、1日1組限定で宿泊可能とのこと。恐らく、皇太子殿下がご利用されたのはそちらでしょうね。

 

築百年を超える建物で、朝食を頂きます。

 

 
 
 
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写真を撮り忘れたのですが、朝粥としじみ汁と、おひつに入れたごはんもありました。

ある程度歳をとってくると、こういう朝食、実に沁みますよね。朝粥に梅干を入れて味わい、味醂干しや胡麻和えを少しずつ、おひつから移したごはんと一緒に口に含み...と、何といいますか、贅沢な時間。

 

食べ終わってからは、本館内を散策。

 

 
 
 
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二階から臨む港の様子。

台風一過というやつですか、前日の雨風が嘘のような陽気です。

 

 
 
 
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いわゆる数寄屋造りという様式で、実に独特な造りになっていて面白いです。

渡り廊下が階段になっていて、隣室の高さが違うんですよね。

 

 
 
 
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黒電話は実際に使ったことがあるのですが、交換台の実物は初めて見ました。『となりのトトロ』で、本家のおばあさんの家にあった電話に近い感じでしょうか。形状は違いますが、側面のハンドルとかは共通していると思います。

 

 

そしてチェックアウトをして、水木しげるロードへと向かう訳ですが、美保館の若旦那さん?が境港まで送迎してくれるとの申し出が。ありがたくお受けします。

のみならず、何といろいろとお土産を提供して戴きました。( ´∀`)

 

 
 
 
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車内で雑談しつつ、境港まで。

荷物・お土産入れ用に持って来ていた、先日「JOJO展」で購入したトートバッグに若旦那さんが食いついてくる場面も(ジョジョ好きらしいです)。

 

 

 
 
 
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そして再び境港駅前、水木しげるロードへと到着。

若旦那さんにお礼を言って別れ、散策開始です。

 

 

 各所に設置されているブロンズ像を撮影しつつ、ゆっくりと水木しげるロードを歩いていきます。

 

 
 
 
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執筆に勤しむ(追われる?)水木センセイ像にはじまり、鬼太郎はいうまでもなく、『河童の三平』『テレビくん』『お化けのムーラちゃん』等の作品も。サラリーマン山田の「フハッ」という声が聞こえてくるような、そんな一瞬を捉えたポーズが素晴らしいですね。

 

 
 
 
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さくまあきらさんや、神坂一さんの名前を発見。探せば他にもいらっしゃるのかもしれませんね。

 

 
 
 
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代表作の登場キャラクターが一堂に会した噴水。写真からは見切れていますが、鬼太郎型の小便小僧がありました。神社の前にある、茶わん風呂を楽しむ目玉おやじのオブジェの質感・存在感は一見の価値ありです。

 

 
 
 
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通りを歩いていくねずみ男を見送りつつ...

 

 
 
 
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水木しげる記念館に到着。

水木センセイや数々の妖怪(の等身大パネル)のお出迎えを受けつつ、館内を歩き回りました。

 

 
 
 
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「鬼太郎の秘密・生まれと暮らし」という解説パネルがあるのですが、左下のほうにある「鬼太郎の変遷」に注目。『墓場鬼太郎』『ゲゲゲの鬼太郎』の原型、伊藤正美版『ハカバキタロー(墓場奇太郎)』や紙芝居版の鬼太郎について触れられているのが嬉しいですね。

『ハカバキタロー』については、水木センセイの『昭和史』とかにも登場する加太こうじ氏の著作『紙芝居昭和史』で言及されています。

 

『ハカバキタロー』は長髪をふり乱した少年でその物語の主人公である。せむしのような格好で目が異様に大きく前歯が二本突きでたグロテスクな形相で、ぼろぼろの和服を着ている。キタローは墓場の土中から屍肉を食ってこの世にでてきたのである。

加太こうじ『紙芝居昭和史』岩波現代文庫版84ページ。)

鈴木は伊藤正美作『ハカバキタロー』の荒筋を水木に話したので、水木はかれの台本で『墓場奇太郎』を描いた。のちに上京して貸本用単行本の仕事をしたとき、伊藤正美の諒解を得て文字づらを変えて『墓場の鬼太郎』にしたときいている。

(同書284ページ。)

 

因みに岩波現代文庫版の『紙芝居昭和史』の解説は水木センセイが担当していまして、このように書かれています。

 

その頃の僕の作品のヒットは「鬼太郎もの」だった。昭和二十九年頃だったろうか、紙芝居を始めて三年ぐらいたった時、鈴木・加太両先生が、「戦前、東京で、伊藤正美という人が『ハカバキタロー』というのをやったが、あんたも怪奇ものをどうか」と言う。聞いてみると、その「ハカバキタロー」というのは、伝説の「飴屋の幽霊(死んだ母親が赤子のために飴を届ける話)」のような話で、ちょっとフルイ。現物を参照しようにも、紙芝居は、現品限りなものだから、見ることもできない。結局、題名だけは似ているが、全く別のものを自分で考え出し、「墓場の鬼太郎」とした。

(同書320ページ。)

 

 水木センセイが描いた紙芝居版鬼太郎は『蛇人』『空手鬼太郎』『ガロア』『幽霊の手』の4作。何年か前に「開運!なんでも鑑定団」に「水木しげる漫画大全集」責任監修を務めた京極夏彦さんが出演されて、紙芝居版に1000万円の懸賞金をかけて募集されたことが話題になりましたが、今のところ現存は確認されていないようです。

 

前述の「鬼太郎の変遷」には『ハカバキタロー』の表紙画像や紙芝居版鬼太郎『蛇人』の一場面と思しき図像も掲載されています(断片的に残っていたのか、それとも後年描き直したものだったりするのでしょうか)。

因みに水木しげる記念館には、水木センセイが紙芝居時代に描いた非鬼太郎作品『小人横綱』の描き損じが展示されています(これだけが水木センセイの手許に残っていたとのこと)。実に貴重なものなので、やはりファンであれば一度は観に行って欲しいと思います。

 

 
 
 
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精巧な鬼太郎や、のんのんばあが言い伝える妖怪の数々も存分に堪能させて戴きました。抑えた照明が、また絶妙な雰囲気を出していて良いのですよね。

 

 

水木しげる記念館を愉しんだ後は、

 

 
 
 
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生家を拝見。

水木しげるロードからは少し離れた、境水道沿いの道まで出て、駅とは反対方面にしばらく歩きます。近くに大きな赤い柱があるので、それを目印に歩き続けてください。

 

 
 
 
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水木しげる記念館の隣にある「妖怪楽園」で妖怪ラテと目玉おやじが刻印されたホットケーキに舌鼓を打ったり、

 

 
 
 
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元祖「鬼太郎茶屋」で抹茶をいただいたり。

茶屋のおばあさんや同席の方と談笑する時間がありましたが、やはり前日、鳥取駅からタクシーでここまで来た話は皆さん驚かれたようです。( ´ω` )

おばあさんが、「こちらの皆さんは京極夏彦さんのこともあまりご存じないようなんだけど、あなたは...水木さん好きで来たって感じだから知ってるよね!」みたいな話をいきなり振られて、やはり何がしか、妖気みたいなものが漏れ出てしまっているのかなと思ったりも(まだまだ未熟者ですが)。( ´ω` )

 

 

と、そんな感じで愉しい時間を過ごしつつ、そろそろ良い時間になりつつあったため、次の目的地へと向かうことに。

 

 

と、ある程度まとまりが良いのでここで一区切り。

まだ続きます(近日公開予定)。