マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

シド・ミード展 簡易レポ

世間的には既にGWですが、自分は職種の都合上、10連休のうち8日が仕事です。

( ´Д`)

そして今日が数少ない休日だったので、何か有意義に過ごしたいなと思い、昨日27日より開催している「シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019」に行ってきました。

 

sydmead.skyfall.me

 

シド・ミード、やはり日本でいちばん知られているのは『∀ガンダム』のデザインでしょうか。あのヒゲがあるガンダムですね。

 

自分が初めてシド・ミードの名前を知ったのは、雑誌「PC Engine FAN」の記事です。PCエンジンのSUPER CD-ROMに『テラフォーミング』というシューティングゲームがあるのですが、その作品のビジュアルコンセプトを担当していたのがシド・ミードなのです。

紹介記事にイメージイラストが掲載されていて、緑と紫を基調とした非常に幻想的なイラストであったことを記憶しています(それ故に、実際の画面が公開された際はギャップを感じざるを得なかった訳ですが...)。

 

また、自分は一時期映画にハマった時期がありまして、名作と言われるような作品をいろいろ観た訳ですが、そのなかには当然『ブレードランナー』があります。

 

 (どのバージョンを観るのが良いのか、今でもよく判らないですね。)

 

頽廃的な世界観に彩られた近未来描写が素晴らしい作品ですが、この作品の美術デザインを担当したのもシド・ミードです。

 

そして少し横道に逸れつつ年代を遡りますが、『ブレードランナー』を観ると、小島秀夫さんの代表作のひとつ、『スナッチャー』は『ブレードランナー』から多大な影響を受けていることが判ったりする訳です。

スナッチャー』、自分は未だに、PCエンジンで発売された作品では『天外魔境 II』と双璧を為す傑作だと思っています。そして小島秀夫さんは『スナッチャー』に次いで『ポリスノーツ』『メタルギアソリッド』と傑作を続けて発表し、一連の小島作品に多大な影響を受け『メタルギアソリッド』のノベライズも執筆したのが『虐殺器官』の伊藤計劃さんで...と、連綿たる流れが存在したりする訳です。

 

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

と、このように日本のサブカルチャーに少なからず影響を与えている(と言って差し支えないでしょう)シド・ミードの、実に34年振りになる原画展。

些か前振りが長くなり過ぎましたが、簡単なレポを書いておきます。

 

 
 
 
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会場となる、アーツ千代田3331の入口。

展示されているのは1Fで、自分は昼頃に到着したのですが、既に階段から屋上まで列が形成されていました。待ち時間はだいたい1時間くらい。

 

入場後、車のデザイン・原画類を鑑賞したりしていたのですが、「ペブルビーチ・トリプティック」という作品のところでしたか、「OBLAGON AR」という、シド・ミード公式アプリがダウンロードできるQRコードがあります。

これは絶対にダウンロードしたほうが良いです。事前に落としておいても良いかと。

 

OBLAGON AR

OBLAGON AR

  • Syd Mead, Inc.
  • 辞書/辞典/その他
  • 無料

 

シド・ミード展、前半は写真撮影OKなのですが、このアプリのARカメラを併用することで、数倍楽しく鑑賞できるかと思います。

  

 
 
 
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この展覧会には多数の原画が展示されているのですが、その原画の中に、AR対応の原画が幾つもあります。「OBLAGON AR」を起動してカメラを原画に向けると、画面の左下に六角形のアイコンが表示されるのです。そのアイコンの内側には「skch」「vid」「mdl」という表記が。

 

上の原画には、「mdl」のアイコンがあります。それをタップすると、原画に描かれている車の3Dモデルが、原画の手前に現れる。そしてその3Dモデルをスワイプすると、それに併せてモデルもグルグルと回転して、別角度からの(原画には描かれていない)車の映像を観ることができたりする訳です。

 

 
 
 
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「skch」のアイコンがある場合、それをタップすると、その原画のラフスケッチが重なって表示されます(詳細はリンク先の Instagram をご参照戴ければと)。

 

 
 
 
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「vid」のアイコンがある場合、タップすると動画が画面上に浮かび上がり、再生するとメイキング画像が流れたりします。

 

 
 
 
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これも「mdl」の一種で、同じく詳細はリンク先をご参照戴きたいのですが、原画にカメラをかざしたまま移動すると、それに併せて画面内の原画の角度が変化するのです。

この説明だと少し判りづらいかもしれないので、些か下世話な喩えをしてみます。

 

美女・美少女のイラストなり写真なりで、ギリギリのところでスカートの下が見えないというシチュエーションというのは度々見掛けることがあるかと思う。そしてそれの角度を変えてみたり、下から覗き込もうとする衝動を抑えることは難しい。

それは祈りにも似た切実さを伴うが、それ故に儚い。人の夢と書いて儚い。

ARは夢であり、希望でもある。下から覗き込めば、スカートの下もそこにある。

 

そういうことなのです。お判り戴けたでしょうか。٩( 'ω' )و 

 

 

それはそれとして、AR技術を用いた展示を楽しめるのが前半部。

後半は諸々の事情でありましょう、撮影不可のスペースになります。そちらに展示されているのは、『ブレードランナー』を始めとする映画作品の原画や、『∀ガンダム』等のアニメ作品の原画類。精緻な描き込みにより立ち昇る世界観は、圧巻の一言。

 

 
 
 
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全体的な感想としては、原画の素晴らしさはもちろんのこと、展示方法(AR)が実際に操作していて非常に愉しく、何というか未来を感じさせてくれるものでした。『電脳コイル』的な世界に、着実に近づきつつあるのだな、と。シド・ミード展の副題?は「未来のリハーサル」なのですが、その言葉に偽りなしといった印象です。

行って良かったです。

 

といったところで、本日はこのあたりにて。