鳥取・京都探訪 1日目:チャーミーと遥かな町へ
先日、幸いにも3連休を得る機会に恵まれましたので、前々から行きたいと思っていた鳥取旅行を敢行しました。
今年5月に「水木しげる漫画大全集」全103巻(+別巻・補巻各5巻、合計113巻)全巻完結したのは未だ記憶に新しいですが、水木センセイ好きの端くれとしましては、一度は境港の水木しげるロードを訪れてみたいと思っていた次第です。
職種の都合で長期休暇を得るのが難しく、この機会を逃すとまたしばらくは無理そうだったので、存分に満喫しようと計画を立てていた訳です。
とは言っても旅慣れている訳でもなく、元々綿密な計画を立てて行動するような性格でもありませんので、3連休の1・2日目で水木しげるロード観光をして、3日目に京都観光をして帰るか、くらいの感じです。それをもとに宿泊場所を決めて予約したり、大雑把なルートを考えたり、荷物の準備をしたり、という具合ですね。
因みに3連休を取れるのが判ったのが9月初旬でして、それから計画を進めていたのですが、その3連休というのが、
9/30〜10/2 の3日間です。
9月30日、まだ記憶に新しい方も多いかと思いますが、台風24号(チャーミー)が日本を縦断した日ですね。
その数日前からかなりヤバいらしいという情報はありましたが、こちらとしても年に2〜3回あるかどうかの3連休なので譲り難い、取り敢えず辿り着きさえすれば、台風は通過してしまうから何とでもなるだろうと、鳥取行きを決行した訳です。
ということで、鳥取・京都探訪の記録を書き連ねていこうと思います。
まず、旅行前日の時点でルート変更を余儀なくされました。
ある程度は旅費を抑えたいと考え、空路は使わず列車を使おうと思っていたので、当初の予定はこのようなものでした。
新幹線で岡山まで行って、伯備線に乗り換えて米子まで行き、境港線で境港まで行くルートです。列車を使った場合、いちばんシンプルなルート(の筈)です。
しかしながら、前日深夜の時点で計画運休の予定がある程度出ており、伯備線はかなり早い段階で運休になることが決まっていました。確か9時頃には全線運休だったかと。
つまり、当日このルートを使うと、岡山に到着した時点でほぼ詰む訳です。
なので別ルートを探した結果、このルートが見つかりました。
まず始発の新幹線(6:00東京発)で京都(8:06着)まで行き、山陰本線の特急スーパーはくと3号(8:50京都発)に乗り換え。それ以降のスーパーはくとが運休になるので絶対にこれに乗る。
スーパーはくと3号で鳥取(11:57着)まで行き、山陰本線快速(12:15発)か特急大山1号(12:42発)に乗り換え。米子に14時頃に到着。
山陰本線が15時頃にほぼ運休になる予定なので、ギリギリで米子までは行ける筈。
という訳で、まだ夜も明けぬうちに家を出て、東京駅へと向かいます。
台風接近の影響か、始発にも関わらずかなりの人混みでしたが、無事座ることもでき、うたた寝をしつつ京都へ。
乗り換えも特に問題はなく、スーパーはくと3号、倉吉行きに乗車。
スーパーはくと、谷口ジローさんの『遥かな町へ』の冒頭にも登場しましたね。48歳のサラリーマン、中原博史が半ば無意識のうちにスーパーはくとに乗り、故郷の倉吉へ行き、そこで不思議な体験をする。叙情と苦さが織り混ざって紡がれる珠玉の名編です。図らずも、同じ列車に乗って同じ方向へと向かう。これも舞台探訪・聖地巡礼みたいなものでしょうか。
そして列車内で再びうたた寝。
起きた際、違和感がありました。車内アナウンスです。
「スーパーはくと3号、鳥取行き」と言っているのです。乗ったのは、倉吉行きだった筈。
車内アナウンスを続けて聞いていると、台風の影響で鳥取止まりになるとのこと。
そして鳥取駅に到着。
全線運行休止と、運転再開未定を伝えるアナウンス。前日深夜時点での予定を大幅に前倒しするかたちでの運休決定。当初の予測より台風の速度が速かったのか、勢いが強かったのか、それとも両方か。兎にも角にも、運休が決定しました。
駅員さんの助言に基づきバスターミナルへ向かい確認を取るも、高速バスも運休。
境港まではあと100㎞ほどある、そんな状態で公共交通機関による移動手段が壊滅しました。( ´Д`)
どうする鳥取砂丘に行ってみるか、いや行ったところでどうなる雨も強くなってきているし、『孤独のグルメ』に出てきた鳥取市役所のスラーメンと鳥取カレーを食いに行くか、いや今日(30日)は日曜だ市役所は閉まっている筈、とかぐるぐると思考は空回りするばかり。写真とか全然撮っていないあたりでも動揺を察して戴ければと思います。
(鳥取市役所のスラーメンと鳥取カレーのエピソードは2巻に収録。)
取り敢えずは駅構内のレストランで腹ごしらえ。
さてこれからどうするか。とは言え、選択肢は実質2つです。鳥取市に留まるか、境港まで行くかくらいしかない。そして、やはり水木しげるロードには行きたい。そうなれば、もう進むしかない。
覚悟を決めて、タクシーに乗りました。٩( 'ω' )و
タクシーに乗ってしばらく経ち、西へ向かうにつれ雨風が激しくなります。
日本海の波も、次第に激しさを増していく印象が。あと、海沿いに風車を度々見掛けましたが、日本海沿いにはけっこうあったりするのでしょうか?当然のことながら、風車はブンブンと勢いよく回り続けていました。
着実に数字が増えて行くメーターを眺め、青山剛昌ふるさと館の看板を横目に見たりしつつ、時には眠気に襲われて舟を漕いだりもして、少しずつ目的地までの距離が縮んでいくのを標識で確認していました。
そしてタクシーに乗ってから約2時間後。
距離約100㎞。
境港に到着しました。時間は16時頃。
家を出たのは4時過ぎだったので、約12時間をかけて辿り着いたことになります。
掛かった金額はこちら。
約2時間タクシーに乗ると3万弱掛かるという、あまり知る必要のない(そして二度と実践したくない)知見を得ることができました。
列車とかの金額を踏まえると、飛行機を使った方が安上がりという結果になりましたね。
風もすごい‼︎ pic.twitter.com/ulMD9lOSQE
— きくち (@m_kikuchi_) 2018年9月30日
到着した時点での雨風はこんな感じでした。
鬼太郎列車はもちろん、フェリーも当然止まっていました。
到着した時点の天候では歩き回るのは不可能に近いので、水木しげるロード散策は翌日に持ち越すことに。駅前のみなとさかい交流館をちょっとだけ散策しました。
お店も殆ど閉まっている状態だったので、早めに宿に向かうことに。
また15分ほどタクシーに乗ったりしつつ、宿に到着。
30日の宿は、境港から少し離れた場所の、島根県美保関にある旅館「美保館」です。
本館部分は国指定有形文化財にも登録されている由緒ある旅館でして、名だたる文豪や俳優・芸能人、更には皇太子殿下もご利用されたことがあるようです(新館ロビーに写真が幾つも飾られていました)。
やはり相当キャンセルは多かったようで、受付をした女将さんも(来たことに)少し驚いていた模様です。
やはり「鳥取駅からタクシーで来ました」と言えば驚きますよね。( ´ω`;)
旅館・ホテルの妙に心地よい例のスペースでゆるりとして、魚介類をふんだんに用いた料理に舌鼓を打ち、風呂に浸かって身体を休めたりして就寝。
鳥取・京都探訪 1日目はこのようにして終了しました。
2日目に続きます(近日公開)。