マンガLOG収蔵庫

時折マンガの話をします。

マンガ

『アイアムアヒーロー』の独特な視覚効果覚書

先日、花沢健吾さんの『アイアムアヒーロー』4巻を読みました。 アイアムアヒーロー 4 (ビッグコミックス)作者: 花沢健吾出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/08/30メディア: コミック購入: 10人 クリック: 143回この商品を含むブログ (70件) を見る 連載開…

ナンバーテンな日常、大幅増量で復活。田丸浩史『ここ10年分のヒロシ』。

昨日、遂に発売となりました。 田丸浩史さんの『ここ10年分のヒロシ。』です。当初発売予定が8月9日あたりと発表されていて、炎天下のさなか近所の書店を巡り巡った末に発売日が変更されていることを知ったのですが、それもまた良き思い出と言えましょう。( …

絶望の向こうに:上野顕太郎『さよならもいわずに』

少し前に、上野顕太郎さんの新作『さよならもいわずに』を読みました。 さよならもいわずに (ビームコミックス)作者: 上野顕太郎出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2010/07/24メディア: コミック購入: 24人 クリック: 450回この商品を含むブログ (12…

鬼頭莫宏『のりりん』の表現力(或いは言語化能力)には惚れ惚れする

先日、鬼頭莫宏さんの新作『のりりん』を買いました。 のりりん(1) (イブニングKC)作者: 鬼頭莫宏出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/07/23メディア: コミック購入: 22人 クリック: 529回この商品を含むブログ (75件) を見る 主役の丸子一典は何らかの理由…

『Fの森の歩き方』に収録された、藤子先生の名言

今日、藤子・F・不二雄大全集の別巻『Fの森の歩き方』を購入しました。 藤子・F・不二雄大全集 別巻 Fの森の歩き方 藤子・F・不二雄まんがワールド探検公式ガイド作者: 藤子・F・不二雄,『藤子・F・不二雄大全集』編集部出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010…

平野耕太『ドリフターズ』の、異世界の文字を解読する

平野耕太さんの新作『ドリフターズ』1巻が先日発売されました。 ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)作者: 平野耕太出版社/メーカー: 少年画報社発売日: 2010/07/07メディア: コミック購入: 31人 クリック: 1,173回この商品を含むブログ (292件) を見る…

40年前に描かれた「超弩級」な人たち

遅ればせながら、東毅さんの『超弩級少女4946』を読みました。 超弩級少女4946 1 (少年サンデーコミックス)作者: 東毅出版社/メーカー: 小学館発売日: 2009/09/17メディア: コミック購入: 5人 クリック: 70回この商品を含むブログ (33件) を見る 主人公・飛…

純白を身に纏う女性・付け足し

先日、白い服を身に纏った女性は美しいのだという内容の記事を書きました。 それの補遺といいますか、巻末資料的な内容です。 当該記事:純白を身に纏う女性を讃えよ サマーウォーズ [DVD]出版社/メーカー: バップ発売日: 2010/03/03メディア: DVD購入: 56人…

純白を身に纏う女性を讃えよ

昨日、「コンプティーク」2010年7月号を購入した。 主に単行本でマンガを読む自分が、雑誌を買うことは極めて稀である。加えて当該雑誌は自らの観測範囲からは少なからずかけ離れたものと言える。にも関わらず、この号は購入している。その行為に至らしめた…

『うさぎドロップ』実写映画化記念:立原あゆみ『涙星』

先日、宇仁田ゆみさんの『うさぎドロップ』実写映画化が発表されましたね。 当該記事:宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」の実写映画化が決定(コミックナタリー) 過去の幾つもの実写化の事例から、手放しで喜ぶのは時期尚早という気もしますが、これを機により…

ハロルド作石先生が文学史のミステリーに挑む:『7人のシェイクスピア』

先日、ハロルド作石さんの新作『7人のシェイクスピア』1巻が発売されました。 7人のシェイクスピア 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)作者: ハロルド作石出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/05/28メディア: コミック購入: 2人 クリック: 87回この商品を含む…

『放課後プレイ2』を読んでみた

今日書店を散策したところ、黒咲練導さんの『放課後プレイ2』が発売されていました。 電撃4コマ コレクション 放課後プレイ2 (電撃コミックス EX 電撃4コマコレクション 127-2)作者: 黒咲練導出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス発売日: 2010/05/27…

『惑星のさみだれ』、茜太陽の「宿題」問題

2日連続での『惑星のさみだれ』記事です。 今回も少なからず内容に触れるのでご注意ください。 昨晩、twitter でちょっと盛り上がった話題があります。まとめたのがこちら。 惑星のさみだれ 風巻さんが茜に出した「宿題」の答えとは? 一言で言おうとすれば…

『惑星のさみだれ』9巻「最後の戦い・4」を読み解く

昨日、『惑星のさみだれ』9巻を購入しました。 惑星のさみだれ 9 (ヤングキングコミックス)作者: 水上悟志出版社/メーカー: 少年画報社発売日: 2010/05/19メディア: コミック購入: 11人 クリック: 185回この商品を含むブログ (65件) を見る 超巨大泥人形「ビ…

矢吹版『迷い猫オーバーラン!』小ネタ集

昨日、矢吹健太朗さんの『迷い猫オーバーラン!』1巻を買ってきました。 迷い猫オーバーラン! 1 (ジャンプコミックス)作者: 松智洋,矢吹健太朗出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/04/30メディア: コミック購入: 13人 クリック: 196回この商品を含むブログ …

『DRAGON BALL』未解決の謎に迫る

まぁ、ややタイトルに誇張ありですが。 先日 twitter でジャンプの話とかをして、ふと思い出したことについて書いてみようかと思います。 『DRAGON BALL』については、知らない人は恐らく日本には殆ど存在しないだろうと思うので詳細は省きます。 自分はほぼ…

「地方」からマンガ表現を捉え直す試み:『マンガ百花繚乱』

しばらく前のことですが、ある伝手でこのようなものを入手しました。 『マンガ百花繚乱 −いわての漫画家50の表現−』。 2009年7月18日〜9月6日に掛けて、萬鉄五郎記念美術館、石神の丘美術館で開催された企画展の図録です。 岩手県出身のマンガ家、或いは岩手…

国家間で渦巻く謀略と、それぞれの倫理が交錯する群像劇。カトウコトノ『将国のアルタイル』

今回はある程度内容に触れるので、ネタバレを避けたい方はご注意ください。 たまにはマンガ作品のレビューっぽいものを書いてみようかと思います。 マンガについて何やら書いているブログで「たまには」というのも本末転倒な話ですけどね。 今回取り上げるの…

ジャンプ黄金期の、裏側をゆるく振り返ってみる

昨晩、Twitterをやっていて「ジャンプ」の話でちょっと盛り上がりました。 『DRAGON BALL』をリアルタイムで読んだのはいつ頃かとか、そういう話です。幅広い年代に読まれていながらも、世代ごとにいろいろと違いが出てきて面白いですね。 その話の中で、い…

『ナポレオン −獅子の時代−』で一瞬感じた既視感と、「描く」という行為への熱い思いが凝縮された構図の話

昨日、待ちに待った『ナポレオン −獅子の時代−』新刊が発売されました。 ナポレオン 13―獅子の時代 (コミック)作者: 長谷川哲也出版社/メーカー: 少年画報社発売日: 2010/03/31メディア: コミック購入: 5人 クリック: 12回この商品を含むブログ (14件) を見…

マンガのジャンル分布を作成してみる

僕はある程度はマンガ好きのつもりですが、あらゆるジャンルに精通している訳ではありません。読んでいない作品は星の数ほど存在します。雑誌の数だけで200〜300くらいは存在する筈ですから、当然のことと言えるでしょう。 マンガというジャンルを巡る諸状況…

『神様ドォルズ』には独特のバランス感覚があるな、と感じた話

先日、やまむらはじめさんの『神様ドォルズ』新刊を購入しました。 神様ドォルズ 6 (サンデーGXコミックス)作者: やまむらはじめ出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/02/19メディア: コミック購入: 6人 クリック: 102回この商品を含むブログ (39件) を見る …

あの伝説的作品を読んでみたら、懐かしい気分になった

『消えたマンガ家』という名著があります。 消えたマンガ家―アッパー系の巻 (新潮OH!文庫)作者: 大泉実成出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2000/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (25件) を見る 鮮烈な印象を残す作品を描きなが…

大英帝国のもうひとつの側面が描かれる。アラン・ムーア『フロム・ヘル』

ヴィクトリア朝時代を舞台にした作品と言えば、マンガだと森薫さんの『エマ』や船戸明里さんの『Under the Rose』を挙げることができます。 エマ 10巻 (BEAM COMIX)作者: 森薫出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2008/04/25メディア: コミック購入: 5…

萩尾望都先生のエッセイ集が面白かった。編集者とのやりとりも収録

昨日書店を散策していて、ふと目に付いて購入した『思い出を切りぬくとき』が面白かったです。思い出を切りぬくとき (河出文庫)作者: 萩尾望都出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/11/04メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 37回この商品を含むブログ …

BL、或いはマンガのジャンルに関しての覚書

文章にするほどには考えがまとまっていないため、断片的な内容です。 敬称略となっていますがご了承を。 【最初期】 BL*1におけるクラシックとして挙げられる作品:萩尾望都『トーマの心臓』、竹宮惠子『風と木の詩』、山岸凉子『日出処の天子』等。それぞれ…

2009年のマンガを振り返る一人座談会(後編)

引き続き、今年のマンガを振り返ってみます。 人物割り振りも前回・前々回と同じ、 A:id:m-kikuchi B:ツッコミ役 C:司会進行役 です。 【少年マンガ】 C:そろそろ現在連載している、或いは今年完結した作品とかについても触れて戴ければと。まずは少年誌…

2009年のマンガを振り返る一人座談会(中編)

前回の記事の続きになります。 人物(?)の割り振りも、前回と同じく A:id:m-kikuchi B:ツッコミ役 C:司会進行役 となります。 【2009年は復刻と新装版の刊行が目覚ましい1年だった】 C:それでは続きを始めましょう。前回は『このマンガがすごい!』の…

2009年のマンガを振り返る一人座談会(前編)

早いもので、今年も残り3週間足らずです。 そしてこの時期になると立て続けに出版されるのが、マンガのベストテン本ですね。 とりあえず自分は、『このマンガがすごい!2010』を購入しました。 このマンガがすごい! 2010作者: このマンガがすごい!編集部出版…

画像の引用のコツ、のようなもの

10〜11月は引っ越しに追われていたため、殆ど更新ができませんでした。 その間もなるべく情報収集というか、ネットは観るように心掛けていましたが、10月末に見掛けたのがこれらの記事です。 出版社的にはキャプチャ画像付き漫画感想ってOKなんですか?(Hal…